中国の自動車大手、上海汽車集団(SAIC)は28日、インドで乗用車の工場を設置すると発表した。2019年に操業を開始する方針だ。工場の場所などについては「最終決定に向けて手続きを進めている段階」と説明した。
上海汽車は、インドでの生産について、約10年前に取得した英ブランドの「MG」による環境配慮型の展開を計画していると表明。上海汽車の担当者は、NNAに対し「インドでは、ガソリン車やディーゼル車のほか、電気自動車(EV)を生産する可能性もある」と説明した。
生産に当たっては、完全子会社MGモーター・インディアを設立する。社長には米ゼネラル・モーターズ(GM)のインド法人で社長を務めたラジーブ・チャバ氏が就任する。
インド政府による製造業振興策「メーク・イン・インディア(インドでつくろう)」や人材育成政策「スキル・インディア」に基づき「相当数の雇用」を計画しているという。
上海汽車は、GMが運営していた西部グジャラート州のハロル工場を引き継ぐほか、同州内に新工場を設置する案も報じられている。 上海汽車にとっては、タイやインドネシアに次ぐ海外生産拠点となる。同社は声明で「インドは20年までに世界で3番目に大きな自動車市場になる」と予測。インド進出は「上海汽車の海外戦略の重要な一歩だ」と強調した。
上海汽車はかつてインドでGMが主体の合弁事業に参加していた。今回、自社で現地生産を始めるのは、インドが世界有数の成長市場となったため。インドの乗用車の販売は14年度から3年連続で伸び、16年度は9%増の304万台だった。インド自動車工業会によると17年度も7~9%の成長が見込まれる。
新規参入も相次いでおり、韓国・起亜自動車は約11億ドル(約1200億円)を投じて年産能力30万台規模の完成車工場を建設。19年にも稼働し、「KIA」ブランドの小型車とSUVを生産、販売する。中国の浙江吉利控股集団の傘下に入ったスウェーデンの高級車メーカー、ボルボ・カーも17年内にインドで完成車の組み立て工場を設け、SUVを生産する。
もっとも、既存の大手の壁も厚く、乗用車では4割超のシェアを握る最大手マルチ・スズキを筆頭に上位3社で6割近いシェアを占める。販売が伸び悩んだGMは17年末までにインドの国内販売からの撤退を決めた。
*日経、
*タイの生産は英ブランドのMG?
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