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【新竹(台湾北部)=伊原健作】半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家・共同最高経営責任者(CEO)は、次世代の回路線幅7ナノ(ナノは10億分の1)メートル品について、「すでに12製品を受託しており、2018年に量産に入る」と述べた。先端製品の開発では韓国サムスン電子がライバルだが、7ナノ製品の生産では先行する。
台湾・新竹で開いた技術フォーラムで明らかにした。半導体は微細化の進み具合が性能やコストを左右する。現行最先端は10ナノで、年内の発売が見込まれる米アップルの新型スマートフォン(スマホ)「iPhone」向けではTSMCの10ナノのCPU(中央演算処理装置)が独占受注を勝ち取ったとされる。
次世代の7ナノ品はスマホに加え、人工知能(AI)を支えるデータセンター向けでも需要拡大が期待される。サムスンは19年の量産開始を目指しているとされ、魏氏の計画通りに進めばTSMCが先行することになる。
魏氏は講演で、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や自動運転、カメラに使うCMOSセンサーなどで新たな需要を開拓する方針も示した。「顧客は約450社あり、毎週1社ずつ増えている」とも発言。半導体の技術革新をリードすることで顧客をひき付ける好循環が続いていると強調した。