広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

デッキができた

2010-05-09 18:19:50 | 秋田のいろいろ
秋田市中心部、広小路沿いの久保田城趾・千秋公園の外堀「穴門の堀」に秋田市が設置工事を行っていた、デッキ。
 過去の記事:最初2回目3回目
過去に紹介した通り、工事は完成したように見えたが工期は5月21日までと表示があり、デッキの出入口が塞がれていた。そして3回目・4月29日の記事では何らかの事情により岸に固定していた鎖が外れ、ロープが緩み、デッキが中途半端な状態で岸から離れていた。
花見やゴールデンウィークで人通りの多い時期に見栄えが悪く、かつ通行止め用の看板も堀の中に落ちていたため、安全面でもやや不安に感じていた。少なくとも連休明けの5月6日までその状態が続いていた。

7日はどうなっていたか不明だが、8日には、(撮影したのは今日9日です)
岸に接岸し、鎖がつながり、ロープはたるんでいない
工事中の看板がなくなり、
中に入れるようになっていた!
さっそく中へ。ふわふわ浮いているような感覚はない。
奥、お堀の水面側の手すりの一部が扉になっている
でも扉は施錠されていた。したがって、
水面近くへは行かれない
本記事、いちばん上の写真で分かるとおり、歩道の柵のすぐ下が水面。一方、このデッキは3段の段があるから、その分、かえって水面までは遠いことになる。
このデッキの意味って…

奥の手すりに掲示があった(2枚目の写真赤矢印)。
「ご利用上の注意」
奥でなく、手前(歩道)側に設置した方がよさそうに思うけど… 内容は、
 定員50名 3,700kg」「堀の水深0.6m~1.8m やっぱりけっこう深いのね。
注意事項は、身を乗り出したり手すりに座るな、ゴミは持ち帰れ、足下注意、火気厳禁、浮いているから風や人の動きで揺れるので注意、子どもはひとりで入れるな、と当然の内容が多いが、
個人的にえっ? と思った事項が2つあった。
 水の中に入らないでください」と「鳥や魚にエサをあげないでください
このデッキの正式名称は知らないが、広報紙などの事業計画によれば「親水デッキ」という名称が使われていたと記憶している。
「親水」とは「水に親しむ」こと。「水に親しむ」といえば足を水に入れたりするいわゆる“水遊び”を指すと思っていた。水深が1.8メートルもあって、危ないのは分かるが、水に入れないんじゃ水を見ることしかできないの?
でも水を眺めるだけなら、既存の歩道からだって充分できるし、上記の通り、そっちの方が水との距離は近いよ。

また、「親水」の延長として、鯉やカルガモに餌を与えることも考えられると思う。同じ堀の中土橋側ではその光景が見られるし、僕もやったことがある。禁止されていると聞いたことはない。
許可してしまうと、ウミネコやカラス、ハトが集まってフンで汚れたり、拡大解釈して犬や猫にまで餌を与える人が出てくるのを警戒しているのかもしれないが、なんか釈然としない。それに魚に餌を与えてはいけない理由って?
そもそもデッキからではダメだけど、歩道から餌をやるのはいいの?


また、禁止されていないので、「中で飲食すること」「ペットを連れて入ること」は可能と解釈していいのだろうか?
「中でダンス等の練習をする」「中で“路上ライブ”(デッキ上ライブ?)を行う」「中でボール遊びをする」などは公園内の一部と考えれば可能ととらえられなくもないが、狭くて水に浮かぶ木製デッキという特殊な環境ではダメだろう。

さらに意地悪く考えて、「中で居座って宴会」「テントを張って宿泊」「中で出店を出して商売」「中で飛び跳ねて揺らす」「中で自転車やスケボー等を乗り回す」「固定用の鎖やロープを外す」なんてことをする輩がいないとも言えない。ダメなことはダメと書かないとダメじゃない?
おそらく、デッキ内は千秋公園の一部ということになり、秋田市の公園条例が適用され、道交法が適用される歩道上とは異なった解釈になるのだと思うが、一般人には歩道の延長のようにも見えるから、禁止事項をもっと明確にするべきではないだろうか。
広小路から見られてるみたいな気がする
それでは、我々はデッキの中で何をすればいいんだろう?
ベンチなどもないし、突っ立ってお堀を眺めるだけ? 千秋公園全体の整備事業がまだ途中で全体像が見えてこないのかもしれないが、「デッキを造ったので置いとくよ」といった状況で、市民としても戸惑ってしまう。
秋田市民と思われるお散歩のご夫婦もデッキ内に入ってきたが、首をかしげながらすぐに出て行ってしまった。
これからは県民会館の土手のツツジがきれいではありますが…
秋田市には、「デッキの使い方」を例示していただきたい。

なお、秋田市公園課のサイトには、今日現在、デッキについての記述はない。
また、よく分からないが「千秋公園活性化協議会」という組織のサイト(http://www.senshuu-kouen.com/index.htm)には、トップページの「今月の一枚」として、「広小路穴門の堀のデッキです/平成22年05月08日 撮影」として広小路の歩道からデッキを写した写真だけが1枚掲載されている。

さらに、秋田市サイト内を検索すると、「都市整備部まちづくり整備室」のサイトに「中心市街地の木材を利用した取り組み」というページ(http://www.city.akita.akita.jp/city/ur/rd/tosisaisei/akitasugi/suisin/23tyu-shin.htm と http://www.city.akita.akita.jp/city/ur/rd/akita-sugi/23tyu-shin.htm)があった。
作成・更新日は不明だが、まだ計画段階当時のもののようだ。なぜか同内容のページが2つあったが、1か所だけ違いがあり、片方は「親水デッキ」でなく「浸水デッキ」になっていた。水浸しですか。

秋田市中心市街地に、県産杉材を利用したものを設置して活性化しようという「秋田杉街並みづくり推進事業」と関係しているらしい。(昨年行われた秋田駅西口バス乗り場を秋田杉で化粧する事業もその1つ)
そのページには、
秋田市では、千秋公園のお堀に親水デッキを整備することを考えています。」「いやし、そしてにぎわいの創出にもつながりそうです。」とあり、
デッキには、あずまやを作ることも考えています。」ともあったが、これは計画倒れだったのだろうか。あんな小っちゃなデッキに東屋なんか造ったら、それだけで沈みそう。でも、それなら存在意義が見いだせそうな気がする。

写真が3枚出ているが、それは穴門の堀ではなく、隣の「大手門の堀」の画像。
 秋田市サイトの画面コピー
スイレンの花の画像に「デッキができると、間近に植物や動物が見られます」とあった。
たしかに大手門の堀なら、土手の桜やハスが美しく、水面のハスやスイレンの間をカルガモが泳ぎ、時折大きなアオサギも訪れるから、動植物には親しめそう。でも、穴門の堀の方は植物は少なく、そのせいか動物も少ない。
何らかの事情があって大手門の堀から穴門の堀へ設置場所が変更になったのか、単にホームページ作成時に部局間の連携が取れていなかったのだろうか。

木材利用についても検討中です」ともあったが、あのデッキの木材は秋田杉なんだろうか。それならそうと表示しなきゃ、意味がない。
【13日追記】その後の情報はこちら
【17日追記】久しぶりにデッキをバスの車窓から見たところ、注意書きが2枚になっていたように見えた。後で現場を確認してアップします


◆早めにやりましょ
最後に秋田県道のお話。
昨年末、千秋公園・脳血管研究センター前から手形陸橋にかけての県道28号線で、歩道の融雪装置(ロードヒーティング)が老朽化のため稼働していないことを紹介した。(その後は、老体にむち打ったのかなんとか作動していたように見えた時もあった)
個人的には、突発的な故障ならともかく、老朽化することが目に見えているのに、事前に手を打たないのはおかしいと思うし、現場は秋田市中心市街地の緩い坂道の歩道だから、雪道に不慣れな旅行客や買い物や通院のお年寄りだって通る。車のための道路整備・管理も結構だが、寒さの中、雪道を歩かなければならない人のことを考えてほしいと思っていた。特に現場近くの地下には、県が700億もかけて掘った地下トンネル道路があるのに、その上の歩道にはおカネは使えないと言われているようで、腹立たしかった。

ところが今年度は、
「歩道の融雪装置を更新しています」
冬になる前の11月には終わる予定で、既に着工していた。
新国道の融雪工事と同じく「地方道路交付金」という国からのお金が出ているらしい。(ただし新国道は「街路」事業、ここは「雪寒」事業で細目は異なる模様)
しかも驚いたことに、施工する共同企業体(のうちの1社?)によるブログが開設されていた(http://akitahodo02.seesaa.net/)。
それによれば、「現在の不凍液循環式から電気式に変更」「路面をブロック敷からアスファルト舗装に変更」するそうだ。連休前の段階では、既存の管から不凍液やフロンガスを回収したようだ。
他の道路を見ると、循環式融雪装置やブロック敷き路面では、コストや耐久性、維持管理面で難があるのだろう。新方式に期待したい。
※無事工事が終わり、稼動した

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7 コメント

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理解しなくい代物。 (osello)
2010-05-09 19:56:13
私も同様の感慨を感じております。片側が商店街、反対側が美しいお堀は全国に自慢しても善い景観です。駅側から見通した時、真っ直ぐに伸びたお堀と歩道のラインが素晴らしく、デッキなる物が目障りと感じる方が他にもきっとおられるのではないでしょうか。 昔、台風の接近中にボ-トに興じ、溺れ死んだ酔客のニュ-スを思い出しましたよ。
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「親水」とは? (taic02)
2010-05-09 20:47:05
あまり意識していませんでしたが、たしかにこのような、石垣がなく、一直線の道、豊かな自然が近い景観のお堀は珍しいですね。
ちょこんと出っ張ったデッキが中途半端といえばそう思えます。
台風の酔っぱらいは初耳でした。薄い氷の上に乗って落ちたというのは聞いたことがありましたが。
何を持って「親水」と称しているのか、いまいち伝わりません。むしろ当初計画のような東屋などがあれば、休憩所として存在意義がまだありそうなものですが。
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出来てたね (あどれ)
2010-05-09 21:53:57
私も今日、自転車を取りに行った帰り道、ここの前を通ったの。あ、できた、って思ったけど、こっちのお堀ってハスの花咲くっけ??
なんか、高校の教室をのぞくためのデッキかしら?なんて思っちゃうけど。
やっぱりあまり意味のないデッキのような・・・
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出来たけど (taic02)
2010-05-09 22:26:27
こっちはハスもスイレンも咲きません。カルガモとウミネコが来るのと、でっかい鯉がいるくらいですね。たまにやる貸しボートも隣のお堀だし。
高校も微妙にずれてるから覗けないでしょう(笑)。土手のツツジしか見えないのではないでしょうか。ほんとに中途半端な位置です。
中に入って広小路側を向くと、檻に入ったか舞台に立ったみたいで、なんとなく恥ずかしかったです。
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親しむということは (たか)
2010-05-10 12:53:26
水、自然に親しんでいただこうという行政の進め方については別に異論はないのですが、できたデッキ施設をみると、別のやりかたがあったのではないか、もう少し市民の声を聞いて欲しかったですね。
先日、足の不自由な年寄りと千秋公園の御隅櫓を見に行くのに大変な苦労をしました。千秋公園の整備計画がどのようなものであるのか分かりませんが、歴史遺産とバリアフリーと調和するのは難しいこととは思いますが、高齢者、障害者でも親しめる公園になって欲しいものです。
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親水デッキ (mugi-shochu)
2010-05-10 19:57:46
と言うからには水面まで降りられる第2期工事があるのでは?
現状のままでは確かに中途半端。もう少しの間、様子を見てから評価することにします。

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コメントありがとうございます (taic02)
2010-05-10 20:27:49
>たかさん
千秋公園の自然の豊かさとそれが街中にあることは秋田市の誇りだと思います。もっと市民や旅行客が親しめるようにしてほしいものです。
たしかに小山である千秋公園は我々でも苦しい時があります。例えば予約制ででも小型バスやカート、人力車のようなものを園内に乗り入れるといったことはできるかもしれませんね。

>mugi-shochusさん
これでは「親水」とは言えませんよね。せっかくの水際側の段がもったいない。
現状では、まさにぽつんと“浮いて”しまっていますから、今後の活用に期待したいところです。
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