広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

湯瀬はとっても…

2016-02-29 20:06:45 | 旅行記
八戸への道中。大館まで来た続き。
JR花輪線は、秋田県の大館駅と岩手県盛岡市(旧・玉山村)の好摩(こうま)駅を結ぶ106.9キロの路線。
列車は好摩から先は、かつての東北本線で、東北新幹線八戸延伸時に第3セクター化された「IGRいわて銀河鉄道」に乗り入れて盛岡駅まで通して運行される。大館-盛岡では128.2キロ。
運行されるのは各駅停車だけで、大館-盛岡を乗り通すと3時間かかる。(2015年春まであった快速「八幡平」では2時間半ほど)

地図上の位置関係のほか、大館までの移動や列車本数も踏まえると、秋田市に住む者が乗るには、花輪線はなかなか敷居が高い路線であるが、僕はこれまでけっこう乗っている。全区間通して(途中下車しながら)乗ったのが3回、秋田県内で折り返して乗ったのが2回あったと思う。
僕は、花輪線の車窓風景が好き。
大館から乗ると、まずは米代川をさかのぼって進むので、大河から渓流への変化を楽しめる。岩手県に入り、八幡平の急勾配を越えて、安比高原の風景(うまく説明できないけど、秋田の山とは違う)が広がる。やがて線路状態がいい東北本線に入って、猛然とラストスパートして、大都市盛岡へ着く。
ちょっと長く、クライマックスになるような絶景はないけれど、変化に富んだ路線だと思う。

最近は花輪線にはご無沙汰で、最後に乗ったのは、キハ110系気動車が投入された(2008年)直後だったから、7~8年ぶり。冬に乗るのは今回が初めて。
キハ110系の車内は、ロングシートとボックスシートを組み合わせたセミクロスシート。特徴的なのは、ボックスシートが片側は一般的な4人掛けで、その反対は2人掛け(1人ずつ向きって座る)であること。
今回乗ったキハ111形では、大館で左側である米代川側が4人掛けだった。

乗った時点で、4人掛けはほぼ埋まっていたので、2人掛けへ。
さらに、吹雪、列車が巻き上げた雪、車内の結露で窓ガラスが曇ってしまい、どっちみち米代川を眺めることはできなかった。
かろうじて見えても、地吹雪なのか吹雪なのか、真っ白の車窓
きびきびと力強い加速、ディーゼルにしては静かで穏やかな乗り心地、明るい車内。キハ110系という車両も、好き。
時折晴れ間
鹿角市へ入って、十和田南駅で列車の進行方向が変わる。
平地なのにスイッチバック構造なのは、大昔に、鉄道を延伸する計画(十和田湖を経て青森県三沢まで?)があった名残だそう。
かつては、駅前から十和田湖休屋行きの国鉄バスが運行されており、30年ほど前に利用したことがあった。今は、秋田県側から十和田湖へ行く路線バスはすべてなくなってしまった。おこわの駅弁も売られていたが、やめてしまった。

鹿角市の中心・鹿角花輪駅で、ほとんどの客が降りて、車内はガラガラ。ここまで大館から50分。
かつては秋田まで直通の急行「よねしろ」→無名快速が運行されていたが、今はなくなり、秋田へは高速バスすらない。
秋田市民としては、鹿角も秋田県であることは重々承知しているが、遠い街に感じられてしまう。25年くらい前には、県による「秋田県内の各市を90分以内で移動できるようにする」構想があったと記憶しているが…


鹿角花輪からさらに12分、秋田県最後の駅が今日の目的地、かつ、永年来たかった土地。
米代川は車窓右に移り、高速道路が見える
「湯瀬(ゆぜ)温泉」である。
駅に到着して列車を降りると、内陸部とは思えない強い風。建物に雪が吹き付けられて壁にべったり付いている。
車掌さんも帽子を飛ばされそう(女性用制帽ってヒモがないの?)
上の車両は、大館時点では先頭だった車両なので、前回記事最後の写真と同じ車。
ホームも線路も1本。右は桜並木?
花輪線の駅は、駅舎と待合室が一体化した、風除室のような建物がホーム上にある所がある。上の写真左の建物がそれ。中にもう1つ扉があって、いちおうそっちが改札口。
我々のほか、地元の人が2~3人降りる。
湯瀬温泉駅は、地元の人(温泉関係の組織?)にきっぷ販売を委託する簡易委託駅【下の追記参照】で、降りた客のきっぷを回収する集札業務も行っている。簡易委託駅では、車掌が回収するのが本来のはずだが、東北地方ではこういうケースも多い。
なお、湯瀬温泉駅の駅名は、1995年までは「湯瀬」だった。
【2022年1月7日追記】湯瀬温泉駅は2021年11月で委託が解除され、12月から無人駅になったとのこと。それまでの業務は、鹿角市が受託し、さらに地元の「湯瀬自治会」へ委託していたとのこと。


さて、「湯瀬温泉」について。
秘湯ブームの昨今、秋田では乳頭温泉郷が全国的な知名度が高く人気。

30年くらい前までは、少なくとも秋田県内では湯瀬のほうが知られていたかもしれない。距離的に近い弘前など青森でも認知度があり、訪れたことがある人も少なくないようだ。
「湯瀬」といういかにも温泉らしい地名、紅葉が美しい「湯瀬渓谷」、泉質にちなむ「美肌の湯」のキャッチフレーズ、「ユゼ石鹸」という温泉にちなむ商品、2軒ある大きなホテルによる宣伝などの影響だろう。

個人的に、湯瀬温泉のインパクトを決定づけられたのが、弘前にいた頃に流れていたテレビコマーシャル。以前も少し書いたけれど、青森テレビで17時から遅れて放送されていた「笑っていいとも」の最初のほう(オープニングとテレフォンショッキングの間辺り)でよく放映されていた。

外国人男性のナレーション「湯瀬ハ トッテモ イイ トコロ デス」。
映像は、緑の湯瀬渓谷だっただろうか。宿の一室からそれを眺めつつ、手紙を書く男性の後ろ姿(和服姿?)も映った気がする。
「今度ハ アナタト 来タイ」「YUZE HOTEL」。

こんな感じ。小泉八雲のような外国人が、妻か恋人に宛てた手紙を湯瀬でしたためているシチュエーションだと理解していた。湯瀬温泉で最大手であろう宿泊施設「湯瀬ホテル」のCMであった。
秋田では視聴した記憶がないから、距離的に近い青森からの誘客を狙っていたのだろうか。

このCMによって「湯瀬はとってもいい所」なのだと刷り込まれた。
その後、2001年には、紅葉のごく初めの時期に、日帰りで湯瀬渓谷を歩いたことはあった。湯瀬ホテルの前で「これがあのCMのホテルか」とか思ったが、当時は、温泉への興味がほとんどなく、日帰り専門の「湯瀬ふれあいセンター」もあったのに、素通りした。
その後、温泉への興味も出てきて、湯瀬温泉へのあこがれが募ったという次第。
そこへ、半額相当の宿泊券「アキタノ旅クーポン」ができたので、これをチャンスに行くことにした。


湯瀬温泉には5件の宿があるそうだが、うち2件がとても大きい。
「姫の湯ホテル」と「湯瀬ホテル」である。秋田市民でも「湯瀬温泉」と言われれば、ストレートにこの2つを挙げられる人が多いかも。(年齢や経験にもによるけど)
現在は、それぞれ「和心の宿 姫の湯」「四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル」という長ったらしい枕詞を付けて、宿泊サイト等に登録している。
【2017年11月3日追記】十和田八幡平観光物産協会ホームページによれば、客室収容人数は湯瀬ホテル753名、姫の湯606名。やはり湯瀬ホテルのほうが湯瀬最大の宿。

調べたところ、料金は両者ほぼ互角。夕食は、姫の湯はお膳など個別方式、湯瀬ホテルはバイキング方式(その日の予約状況により個別)といった違いがありそう。
テレビCMの縁もあることだし、湯瀬ホテルに泊まることにした。
紅葉シーズンはかなり値上がりしていたが、オフシーズンは2食付きで1人8000円ほど。

湯瀬ホテルは、近くの(といっても近くもない)仙北市の「玉川温泉」と同経営だった。
2012年の玉川温泉での雪崩事故の後、湯瀬ホテルは玉川温泉の手を離れて別経営になったと聞いていた。
「ユゼ石鹸」の企業も玉川温泉系列だそうで、現在でも、湯瀬ホテルの売店で販売されていた。

湯瀬温泉駅前。ポストが雪で真っ白

湯瀬(鹿角市八幡平字湯瀬)は、山に囲まれた集落。
米代川、花輪線、東北自動車道、県道282号線が通る。
東北道には湯瀬パーキングエリアがあり、高速バスのバス停(大館-盛岡便はどちら方向の便も乗降とも可能。弘前-大館等他路線は通過)はあるものの、PAだから車の出入りはできない。
なお、花輪線は1日7往復なのに対し、大館-盛岡の高速バスは毎時1本と多く、バス停まで送迎してくれる宿もある(徒歩でも遠くはないはず)。

花輪線・高速バス以外に、地元の路線バスなどの公共交通はなく、小学校もコンビニもなく、なんでも屋さんのような店もなさそう(昔はあったのだろう)。あるのは郵便局くらい。
田んぼさえあまりなさそうだけど、意外に民家は多い。自家用車で用は足せるのだろうけど、生活するのは楽ではないかもしれない。
いわゆる秘湯ではないけれど、「温泉しかない」という意味ではある意味、秘湯と呼べる温泉かもしれない。


湯瀬温泉駅を出て左に進み、踏切を渡ると温泉街。
温泉“街”といっても、それにふさわしい店などはなく、人がいるのかいないのか、ひっそりとした建物が目に付く。猛吹雪のせいだけではないだろう。
硫黄分を含まない温泉なので、においは特にしない。

姫の湯ホテルは、踏切のすぐ先にある。湯瀬ホテルは、さらに進んだ湯瀬渓谷の入口にある。
公式には、踏切の先をすぐ右折し、民家が並ぶ線路と並行する道を進み、次の踏切の所で左折した坂を下るルートが、湯瀬渓谷(と湯瀬ホテル)へのアクセスらしい。

もう1つのルートは、踏切の先を直進。宿の裏をかすめるような曲がりくねった坂道を下る。
右に巨大なつらら
土産物屋の看板を出す店が何件かあり、温泉街としてはこっちがメインのよう。でも、営業しているのかな。

すぐに、車窓から見え隠れしていた、米代川の湯瀬渓谷の入口に着く。この辺からお湯が湧いたので「湯瀬」となったとか。
車窓や駅から少し見えていたけれど、明るい茶色の巨大な2つの建物が湯瀬ホテル。予約すれば駅から送迎してくれるが、楽に歩ける距離。川の両岸に建物が1つずつあるが、対岸のほうからしか出入りできない。
左奥が駅から来た道。奥が川の上流、背後が湯瀬渓谷のメイン部分
対岸(上の写真右)が「吉祥殿」、左が「瑞祥殿」。るるぶトラベルによれば、それぞれ1987年と1996年築。本館と新館に相当し、橋(渡り廊下)で結ばれている。
瑞祥殿の上が顔みたいになっているのは、フクロウをモチーフにしている。


チェックインすると瑞祥殿のほうに通された。食事は、朝夕ともバイキングではないとのこと。
風呂は瑞祥殿の下のフロア。吉祥殿の11階にもあるそうだが、春まで改装工事中【2017年11月20日追記・この風呂は繁忙期など期間限定で開放されるそうだ】【2021年10月20日追記・11階の展望大浴場は廃止され、2021年11月に、露天風呂付き客室に改装。安い部屋の客はもう入浴できなくなってしまったようだ】。
宿泊客は少なそうで、だからバイキングでなく、そして風呂に近い瑞祥殿のほうを優先的に使っているのだろう。
米代川を渡る渡り廊下の内部

渡り廊下から上流方向の眺め
部屋からは、川越しに上の写真右の山の斜面を間近に見られる。近すぎてうまく写真に撮れないが、テレビCMそのものの眺め。紅葉シーズンはさぞきれいだろう。
冷たそうな流れの中を、秋田市の旭川でも見かける水鳥のカワアイサが1羽だけ、泳いでいた。

風呂は、同じ位置の上下2フロアにあるので、男女での入れ替わりはなし。
内風呂はプールのように細長く、中央部は少々深め。露天風呂は2種類あり、どちらも川と山を眺められる(上の写真左の建物の奥に当たる)。片方は階段(屋根・壁あり)を上ってけっこう歩く。吹雪の中の「雪見風呂」が経験できた。

アルカリ性単純温泉で美肌の湯と言われる湯瀬温泉。透明であっさりとしたお湯だけど、入ると肌がつるつるする。ごく微細な湯の花が漂っていた。具体的な成分は別として、感覚としては大鰐温泉に似たお湯。こういうのがほんとうの名湯なのかもしれない。
塩分がないせいか、出た後に体がほてりにくく、夏場にも良さそうなお湯。


食事もたいへん結構。※個人の感想です。写真はありません。
バイキングでないと聞いてがっかりしていたが、上品な料理がいろいろで大満足。八幡平ポークの蒸したのとか、和牛の陶板焼きとか、意外な焼き魚もおいしかった。この値段であれなら、ものすごくコストパフォーマンスがいい。

鹿角といえばきりたんぽ“発祥の地”(対して大館は“本場”としている)。
夕食のコースの最後に蕎麦が出ることがあるけれど、その代わりのようにきりたんぽ(きりたんぽ鍋)が出された。鍋ではなく盛りつけて出されたので、量的には少なめ。きりたんぽは1本分だったか。もうちょっとほしいところ。(バイキングなら取り放題だった?【末尾追記参照】)

大館にしろ鹿角にしろ県北でのきりたんぽも、プロが作ったきりたんぽも、食べるのはどちらもおそらく2度目。以前は、鹿角のマインランド尾去沢で食べた。
最近は、きりたんぽ用スープの素が市販されているから、秋田市辺りの民家やなべっこ遠足で食べられるきりたんぽも、発祥地・本場と味はそう違わないはずだけど。
やはり、発祥の地のきりたんぽも、うちで食べるのとあまり違わなかった。
思ったより味が濃いめで、脂分も多かった。これが本来のものなんだろうか。西の方から来た人には、もうちょっと薄味がいいかも。
マイタケのほかもう1種のキノコも入っていて、「ナラタケ」とのこと。

朝食も、同じように品が良い献立。
ロビーのフリードリンクコーナーと朝食会場のコーヒーが、なかなかおいしかった。


部屋は二重窓で、川の音も聞こえず静か。
接客も良く、泊まって良かった宿だった。しかもこのお値段で!

シーズンによるのかもしれないが、目立った団体客や外国人客はいなくて、ゆっくりできた。
スキーの大会に向けて合宿している大学生のような一団はいたけれど、おとなしくて気にならなかったし。
スキー大会期間中や紅葉シーズンは混雑するだろうし、立地的に花見や夏祭り期間はツアー客が増えそうだけど、それ以外なら穴場だと思う。

部屋のタオル掛けの棒が色分けされているのは、複数人で泊まった時に取り違えないための配慮でしょう。※以前の記事

テレビCMにたがわず、湯瀬はとってもいい所でした。また訪れたい。
湯瀬や花輪線の風景など、続きます

【2017年11月20日追記】2017年の紅葉が終わった時期に再訪できた。
今度は吉祥殿だったが、しっかり手入れされており古さは感じなかった。他の宿泊客は団体などやや多く、朝夕ともバイキングだったが、やっぱりおいしかった。きりたんぽはスタッフが取り分けてくれる方式で、取り放題というわけでもなかった。きりたんぽは3切れずつ、麺類の湯切り用ザルに入れて煮ていた。前回よりも油っぽさ・塩分は控えめになった気がした。ともかく、やっぱり良かった。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トンネルにつらら

2016-02-25 21:33:15 | 秋田の季節・風景
最近は積雪の増減が激しい秋田市。
14日にゼロになった後、すぐにまた積もって16日に18センチ。それが20日にまたゼロ。
23日からまたまた積もって、今日まで5センチ程度で推移。気温は低めで、寒い。
千秋トンネル・手形側入口
切り通しの壁にも、雪が付着。
千秋トンネルの入口の上に、
つららが下がる
今までこんなことあったっけ?
手形から保戸野方向に進む車道の入口にだけ、つららができていた。他の3口にはなし。

最近の工事で、新たなパイプ状のものが2本設置されたが、それとは関係なく(パイプは壁面に接していないので)、入口上の壁からしみ出た水が、壁面を伝って凍っているようだ。

あまり大きなつららでなく、歩道部分にはできていないから、落下してもあまり危険はなさそう。
でも、肥大化したら危ないので、いちおう道路管理者へは連絡しておいた。通行される方は、念のためご注意を。
【26日追記】翌26日には、落としてくれたのか自然に落ちたり融けたりしたのか、この時のつららはなくなり、新たにごく短いつららが少しできていた。

(再掲)夏の保戸野側出入口
千秋トンネルには、夏には「葛ののれん」、冬には「つららののれん」ができる。


ところで、一連の千秋トンネル補修工事。※前回記事は2015年10月
その後、目に見えた変化は少ない。中央分離帯を兼ねた柱の補修も、保戸野側半分ほどまでで全部の柱には施されなかった。

おそらく2月中に火災報知機(非常ボタンと消火器の箱)が新しくなった。
柱のはざまに、両車線用を背中合わせにして箱が設置されていた。おそらく3か所で、柱番号22-23、49-50、73-74のそれぞれ間に設置されている。
以前は、錆びやホコリのようなもので汚れて、傾いていたりして、機能するのか不安だった。
 
ピカピカなのは当然として、若干コンパクトになった。ランプは点灯してませんが。
ところで、このボタンや消火器を、歩道側から扱うことは位置的に難しい。歩行者が火災を発見して対応する場合もあり得る。あったほうがいいのでは?

今後、外の情報表示板の更新も予定されているらしい。→続きはこちら
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋に廃止と新規路線

2016-02-24 21:46:07 | 秋田の地理
2月17日に「秋田市地域公共交通協議会」が開催された。
秋田テレビの報道によれば、「秋田市中央部のバス路線の廃止」が議題の1つで、それが承認されたとのこと。
近年、秋田市郊外で相次いでいた路線バスの廃止が、ついに中央部に及んだのかと衝撃を受けたが、詳細は分からなかった。他のマスコミは報道する気配はない。
やがて、事務局である秋田市都市整備部交通政策課のホームページに議事録が掲載され、内容が判明。よく読むと、必ずしも後ろ向きではなく、発展的解消の意味合いの廃止にも受け取れた。

まず、最近は全国どこでも、バス路線を廃止する時は、こういう会議で承認されないと廃止できないらしい。今回は、
1.バス会社→県の「生活交通対策中央ブロック協議会」へ廃止申し出
2.県→秋田市へ協議して結果報告するよう通知(昨年10月6日付)
3.廃止予定は今年9月末
という流れで、バス会社からは1年以上前に申し出をすることになっているようだ。

あと、前も書いたけれど、廃止(や経路変更)されるのに協議会が不要なケースもある。その違いがやっぱり分からない。


さて、今回、廃止されることになったのは、次の路線。(会議資料の表記に基づく)
堂ノ沢線、泉山王環状線、茨島牛島環状線、駅東線、新屋線(一部系統) 、明田ノースアジア大学線、築地ノースアジア大学線
いずれも秋田市営バスから引き継いだ路線。一見すると多い。
落ち着いて見ると、運行本数が極めて少なかったり、利用者が限定される路線がほとんどである。それじゃあ、やむを得ないなと思った。
それに、小型バスで運行している路線が多い。以前コメントで教えていただいたように、中央交通の小型バスは更新時期にさしかかっているものの、現行車種にはふさわしいものがなく、廃止したがっているとのことだったので、それを思えば、いちおう納得。
意外なのは「新屋線(一部系統)」の廃止。これは理解できなかった。大森山? 新屋高校? とか悩んだ。

詳細な次の資料を読むと、おっ!
堂ノ沢線、泉山王環状線、茨島牛島環状線については、既存路線で代替するばかりでなく、複数の「新規計画路線」で対応する。
新屋線(一部系統)とは卸町(柳原・イオン秋田中央店前)経由のことで、これも新規計画路線で対応。(後述の通り、実質的には廃止でなくルート変更)
ノースアジア大学線は、桜台ニュータウンへの乗り入れを検討
単純に廃止(既存路線のみで対応)されるのは駅東線だけで、他は廃止の代わりに新たな路線や行き先が作られるようだ。なんか期待できそう?!

路線ごとに見てみる。
・堂ノ沢線
秋田駅西口-県庁-帝石前-堂ノ沢-児桜入口-自動車会館前
中型バスで平日のみ1往復(西口17時25分発、自動車会館前7時35分発)
(再掲)見慣れぬ「自動車会館」行き
帝石前までは寺内経由土崎線と同ルートだから、この路線単独の区間はバス停にして4つ(※)だけ。
しかも、終点の「自動車会館前」は、新国道の「秋田運輸支局入口」の近く。この路線でないといけないという需要は少なそうで、今まで残っていたのが不思議かも。資料によれば、廃止区間の1便辺り平均乗客数は6.7人。
※中央交通サイトの時刻検索や路線図では、単独区間の停留所は4つ。しかし、「イサノ2丁目」というのもあって、計5つのはずだけど、廃止されたの?
(再掲)2011年には「イサノ二丁目」停留所があったけど

市営バス時代は「堂ノ沢県庁線」と呼んでいた。
さらに、一時期までは、自動車会館から東進して新国道を越え、奥羽本線を越えくぐり、外旭川八幡田が起終点だった。(八柳二区~斎場前で神田線と重複)それならば、一定の需要があったかもしれない。だけど、1988年の時点でも、ほぼ同時刻の1往復だけの運行だった。

代替路線は、県庁・寺内経由土崎線(資料に書いてないけど同経由サンパーク線も)、通町・寺内経由将軍野線、新国道経由各路線、そして新設路線(後述)。


・泉山王環状線
秋田駅西口-県庁-八橋市民広場・裁判所前-球技場前-八橋-帝石前-八橋小学校前-泉小学校前-秋操近隣公園入口-桜町-すわ町-(千秋トンネル)-千秋久保田町-西口
上記本系統のほか、県庁~秋操近隣公園入口間を、旧国道を通らず・草生津川を渡らずに、若干短絡する「新川向経由」経由もあり、
-県庁-秋田テレビ前-八橋新川向-泉南一丁目-泉南三丁目-秋操近隣公園入口-
県庁から回るのが「山王回り(八橋回りのほうが適切かも?)」、千秋トンネルから回るのが「泉回り」。行き先表示では山王回りは「山王・泉環状」と表示される。
(再掲)市営バス時代の泉回り。貴重な液晶表示の65号車
小型バスで、平日のみ、泉回りは朝に2本(うち新川向経由1本)、山王回りは夕方に3本(うち新川向経由1本)。
神田線、泉ハイタウン線、新国道経由、将軍野線などとちょこちょこ同じ道を走りながら、泉~八橋では独走区間がある。
廃止区間の1便辺り平均乗客は3.2人。そんなもんだろうか。(駅-附属小中学校の通学利用は神田線で代替できるからカウントされていない)

代替は上記各路線と新設路線であるが、資料に「既存の泉ハイタウン線の充実に努める」とわざわざ書いているから、同路線の増便でもするのだろうか。現行は、平日は毎時1本で、土日は毎時ほぼ2本と倍増する、よく分からないダイヤなのだが…

泉山王環状線は、1975年に秋田市初の小型バス路線の1つとして誕生。
当初は千秋トンネルが未開通だったので、神田線と同じ菊谷小路経由だったらしい。
1988年では、泉回りが朝7本、山王回りが午後と夕方に計5本あった。
新川向経由は1992年(当時は泉・保戸野線、後に泉秋操線と呼ばれた、現在の泉ハイタウン線と同時)に新設。


●新規路線1
堂ノ沢線と泉山王環状線を代替する新規路線が検討されている。(本数はもちろん、細かい経路やバス停位置など詳細は未定ということだろう)
それは「新設道路(外旭川新川線)を経由する路線」。この記事などで紹介した、八橋から寺内にかけて草生津川の東岸を貫く市道。

資料の地図によれば、
秋田駅西口-県庁-県立体育館前-面影橋-(新しい道)-自動車会館前-(新国道横断)-泉ハイタウン-泉南三丁目-泉ななかまど通り(生鮮市場前)-保戸野八丁-(千秋トンネル)-西口
という環状経路。一方通行区間の両方向に線があるから、両方向ともあるようだ。
下線部分がこれまでにないルート(生鮮市場前は違う経路の路線が通っているが、このルートでは前例なし)。新しい道のほか、自動車会館前-泉ハイタウンは、これまでまったく路線バスが通らなかった区間。片側だけ廃止された「附属校園前」バス停が復活することにもなりそう。【4月3日訂正】附属校園前を通ると勘違いしていました。ななかまど通りから神田線のルートに入り、八丁-原の町と通って千秋トンネル通りへ出るわけだから、千代田町-附属校園は通りません。


・茨島(ばらじま)牛島環状線
秋田駅西口-有楽町-牛島東一丁目-牛島駅前-おたかの橋-牛島変電所前-秋田大橋-(茨島)ハローワーク前-大町五丁目-通町-西口
先に回る地名から「牛島回り」と「大町回り」があるが、市営バス時代は大町回りを「大橋回り」と呼んでいた。なぜか「茨島回り」ではなく、行き先表示はどちらも「茨島環状」だった。
(再掲)移管・LED化・系統番号付加されても「茨島環状」
中型バスで、平日のみ、牛島回り・大橋回りとも、朝と午後の計2本ずつ(牛島回りの朝は、途中の牛島変電所前始発で1周しない)。

牛島東一丁目までは牛島経由各路線と、秋田大橋からは大町経由新屋線と重複する。その間だけが独自経路。牛島駅~おたかの橋にかけては、中型バスにしては狭い道で、利用も少なかったようだ。
1便当たり利用者は10人と多めだが、小学校のスクールバスとしての利用があるためだと思われる。


茨島牛島環状線の歴史は古く、1958年には存在したようだ。
1980年頃までは、牛島東一丁目-牛島駅前の跨線橋の下をくぐる道がなかったので、踏切を渡って二ツ屋下丁まで旧道を進んで三叉路で折り返し、南高校前から跨線橋の先まで国道13号線を戻る、遠回り(大住入口交差点まで大住団地線と同ルート)をしていた。
1988年には現在の経路で、大橋回り5本、牛島回り3本。


●新規路線2
茨島牛島環状線の代替にも、新設路線が検討されている。
西口-有楽町-イオン秋田中央店前-卸センター前-(茨島地区東側・卸町との境界付近)-牛島変電所前-(以降現行と同じ茨島・旭南・大町)-西口
現在の牛島側をカットして直進、卸センター過ぎて、さらに比較的新しい市道を直進、現ルートに復帰するもの。地図上に示すと細長い形。
【27日追記】したがって、廃止されてまったくバスが通らなくなるのは、牛島駅前-牛島西一丁目-おたかの橋。環状線が通らなくなる(=新規路線が使えなくなる)区間は、それに楢山広小路/登町~牛島東一丁目を加えた区間。


・卸町経由新屋線と新規路線3
廃止して代替路線を新設するとしているが、実質的には経路変更。
通町-大町-旭南の代わりに、有楽町-イオン秋田中央店前-卸センター前-茨島東町を通って、秋田駅西口と新屋(西部市民サービスセンター)を結ぶ系統。
現在は、平日・土日とも明るい時間を中心に3~5往復。
市営バス時代からあり、1988年では、駅発4本、新屋発3本、美工専(現・美大)発2本があった。

新規路線では、駅から卸センター前までは現行と同じ。従来は右折して県道に出て、大町経由と合流していたのが、直進することになる。
すなわち、上記茨島牛島環状線の代替路線と同じ。
雄物川の堤防に突き当たって右折、秋田大橋のたもとに出て、ここで大町経由と合流して橋を渡る。

したがって、廃止される区間(※)は、卸センター前-茨島東町-ハローワーク前(大町経由とは別の位置。関連記事)-茨島三丁目だけとなり、乗客は1便当たり1.7人だそう。
廃止区間をまたいで乗り通す乗客はたくさんいるから、卸町経由のバスがガラガラということではない。
※現在の卸町経由と比べると、ハローワーク前-茨島三丁目-茨島四丁目-三菱マテリアル前-秋田大橋を通らなくなる。


・駅東線(過去の記事。【25日追記】「えきひがし線」ではなく「えきとう線」と読むらしい)
秋田駅東口-手形東町-手形十七流-南団地-谷内佐渡-大学病院-境田上丁
小型バスで運行。平日のみ3往復と、朝に駅を通らず県庁方面へ直行するのが1本。
西口発の駅東団地線とは別物。市営バス時代は毎時1本以上あった。

駅からしばらくは、赤沼線・(途中まで)広面御所野線と300メートルほど隔てて並走。南団地-大学病院は赤沼線と同ルート。大学病院-境田上丁は単独区間なので完全廃止となる。
廃止区間の1便当たり利用者は2.5人。

気になるのは、バス停の間隔。
東口から南団地の間に、駅東線では手形東町-手形西谷地-北光寮前-手形十七流-広面屋敷田-広面家ノ下-広面大巻-広面谷地田と8つある。
代替となる赤沼線では、東通一丁目-東通二丁目-城東中学校入口-碇入口-広面樋ノ沖と5つ。特に、駅寄りの城東中入口付近までは間隔が広く、駅東線廃止でバス停がかなり遠くなる人もいそう。
大きい道路だから、バス停設置も容易ではないのだろうが、もうちょっと増やせないものだろうか。


・ノースアジア大学線
西口・築地または東口から、横森を通ってノースアジア大学へ。桜一丁目までは桜ガ丘線と同ルート。
西口発が小型、東口発が中型バスで運行。平日に東口発着4往復、西口発着2往復、土日に東口発着3往復(西口発着はなし)。
廃止されるのはバス停にして5つ分。利用者3.3人。
大学の手前で桜台へ曲がることを検討しているということだろう。【3月4日追記】昨年から大学構内への乗り入れをやめたので、廃止はその影響がありそう。
以上、概要。


秋田市の路線バスは、現状のルートを維持することにこだわり過ぎ、街の変化(人口分布や施設の位置、道路開通)に合わせることをしていないと感じていた。それにより、必要以上にバスが使いにくくなり、利用者減・バス減便を招いていたのではないだろうか。
せっかく新しい道路ができても、バス利用者には何の恩恵もない。そこを考えてほしいと考え、パブリックコメントなどで(中央交通へ言ってもらちがあかないから)市へ意見を送ったこともあった(あまり感触はなかったけど)。

手前味噌だけど、卸町経由新屋線の変更については、僕がその時に例として示したものそのもの。
現状の新屋線が通る県道(旧国道7号)のハローワーク前~秋田大橋前は、道路の片側(西)はほぼ全部工場と運河。雪が多い時には、歩道の除雪が後回しにされ、バス停までたどり着くのに難儀したこともあった。
もう片側(東)は、羽越本線まで延々と住宅が広がるが、その中を通るバス路線はなかった。でも、その住宅の中を抜ける広い道ができており、現に回送のバスはそこを走っている。そっちを路線バスのルートにすれば、バス停が近くなる住民が多いはずで、利用が増えるのではないかと考えていたのが、現実となる。
その道が茨島牛島環状線の代替にもなるとは予想しなかったが、一般利用できないスクールバス化せずに、路線として残してくれたのは、評価できそう。

泉・寺内・八橋のほうは、点在するスーパーへの買い物や市役所などへの用務に便利になる人がいるかもしれない。
どちらも、広くて新しい道を通ることで、運行時間の短縮や安全運行にもつながるはずだから、期待したい。

運行本数がどのくらいで、どの程度利用されるかにもよるし、愛宕下橋経由や土崎循環線のように、フェードアウトしてしまう可能性もあるけれど。


これらの廃止により、秋田市内で小型バスで運行されるのは、現行で平日1.5往復の西口発築地経由桜ガ丘線だけ(桜台行きが新設されればそれも?)となるはず。
築地~楢山太田町付近のアクセスが悪化してしまう。狭い道ばかりのエリアで厳しいだろうけど、その代替も必要ではないだろうか。


公共交通政策ビジョンによれば、秋田市では、全体的なバス路線の再編も計画しているようだ。ICカード導入には、その時の利便性(乗り継いでも通しで運賃計算される)も念頭に置いているようだ。
5年後、10年後、秋田市のバス路線はどうなっているだろう。

※2月29日には、中央交通のホームページにおいて路線廃止が告知された。新規路線の計画も記載されており、協議会とほぼ同じ資料が掲載されている。
※秋になり、新路線の詳細が決定した。
コメント (7)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大館で途中下車

2016-02-23 23:21:45 | 秋田の季節・風景
青森県八戸へ行った道中。
今回は、永年行ってみたかった、とある場所へ立ち寄るのも目的であった。そのために、遠回りで八戸へ向かった。

秋田駅から八戸へ鉄道で行くには、主に2つのルートが考えられる。(表示する距離は、秋田-八戸の営業キロ)
・奥羽本線で南下して、大曲から田沢湖線で盛岡へ出て(以上、秋田新幹線のルート)、東北新幹線で北上する。223.9キロ。
・奥羽本線で新青森まで北上し、東北新幹線で南下。263.7キロ。(青森-八戸を在来線の第3セクター・青い森鉄道だと281.8キロ)
盛岡回りが所要時間は短く、距離もやや短い(乗車券は4000円ちょうど)ものの、特急料金でかかり増しになる。どちらを使うかは、好みでしょう。

今回は、そのいずれでもなく、奥羽本線で大館まで北上して、花輪線に乗り換えて(一部区間いわて銀河鉄道)盛岡、東北新幹線という、北東北を迷走する、上がって下ってまた上がるルートにした。329.0キロで、乗車券は6050円。

こんな物好きな経路の乗車券なんて、駅の自動券売機(指定席券売機の乗車券機能)では、経路候補に表示されず、窓口でないと購入できない。
ところが、JR東日本のネット予約「えきねっと」では、発券できた。
えきねっとは、経由駅名を3つまで任意入力でき、そこを適切に入力(今回なら大館、好摩、盛岡など)してやれば、かなりマニアックな乗車券でも発券できるのだ。

券面の経由は「奥羽・花輪・好摩・盛岡・新幹線・八戸」と表示。(最後の「八戸」は不要なような…)好摩-盛岡は、元東北本線だった第3セクター「IGRいわて銀河鉄道」を通り、もちろんその分の運賃も加算されているが、券面には明示されていない。
ちなみに、窓口で発券しても、同じ表示になるようだ。

そのきっぷを、秋田駅の在来線改札口の自動改札機に投入しようとすると、駅員に「あ! 八戸までですね?」と呼び止められた。
「秋田新幹線経由で八戸まで行くのに、間違って新幹線側でなく在来線側から入場しようとしている」客だと、勘違いされたのだ。
結論としては、駅員の早とちりなわけだが、乗客が持っているきっぷを一瞬で判読(さすがに経由までは読めないでしょう)し、誘導・案内しようとしている姿勢は素晴らしい。自動改札化されても、ちゃんと気を配ってくれているのがうれしい。
あと、秋田-八戸の移動は、秋田新幹線経由が一般的ということの現れでもあろう。

ここはきっぷに関してのメモ。読み飛ばしてください。
今回の帰りはオーソドックスに秋田新幹線経由にした。
このように発着駅が同じながら行きと帰りで経路が異なる場合、往復乗車券は作れない。だから、片道乗車券を別々に買ってもいいのだけど、2つをつなげた「連続乗車券」というものを使うことができる。
値段は同じで、購入はちょっと面倒そうだけど、有効日数が長くなったり、払い戻しをする時の手数料がまとめて1回分で済んだり、学割などの証明書が1枚で済むというメリットがある。
今まで使ったことがなかったから、興味半分で作ってみようと思ったが、今回のケースはおそらく連続乗車券を発券できない。
途中にいわて銀河鉄道線が入るのが理由。このようなJR以外の路線を途中にはさむ「通過連絡運輸」をする場合、片道か往復乗車券しか認められず、連続乗車券を出すことはできないらしい(通過する鉄道会社ごとに決まり違うが、多くがそうなっているとか)。ということで、行き帰りを別に購入。


秋田を出た列車は、少し雪が積もり、晴れたと思ったら激しく降る奥羽本線を北上し、大館駅に到着。
乗り継ぐ花輪線との接続が悪く、待ち時間が1時間弱あるので、駅の外へ。(次の奥羽本線では、花輪線が出た2分後に到着するという、意地悪なダイヤ)
※大館駅についての過去の記事
大館出身の忠犬ハチ公
ハチ公像の体の片側だけに雪が付着している。正面が北向きなのに雪がないのが不思議だったけれど、払い落としているのではないだろうか。
 


ハチ公の奥にある「秋田犬の像(群像)」は、
雪に埋もれる(やはり名前の部分は雪を払い落としていそう)
【3月3日追記】3月1日に大館市が、大館駅付近に「交流拠点」を建設し、同時にJR駅舎を改築する構想を明らかにした。2021年度の開業を目指す。ハチ公像と秋田犬群像は、南側にできる広場(今も駅の南側だけど)に移す計画。
【2017年4月29日追記】ハチ公像の背後・道路向かい側の建物は鶏めしの駅弁製造販売「花善」社屋・食堂。1957年にできた建物で、この後、2017年春に建て替えられた。
2019年正月の大館駅前の状況


ラッピングバスのようなものが待機している。屋根の黄色は秋北バスの塗装と同じ?

市内循環バス「ハチ公号」とは違うけれど、それとともに、これまでも何度か見かけたバス。「大館市コミュニティバス さわやかみなみ号」とある。
2004年から、大館市南部の二井田・真中地区のスクールバスと路線バスを統合して運行されているそうだ。旧・比内町である花輪線扇田駅、扇田病院にも立ち寄る。
運行開始時に専用車両が新車で2台導入されたそうで、ラッピングシールではなく塗装してあるのかもしれない。

車体のデザインに注目。
正面の白い犬は秋田犬だろう。ハチ公の生家は大館市南部にあるようだ。
側面は稲穂と鳳凰山の大文字。ここまでは納得のアイテム。
問題は、側面の男女の子どもと白犬が乗って(飛んでいる?)いるモノ。これって、
きりたんぽ?!
大館はきりたんぽの“本場”だから、きりたんぽは分かるけど、それに乗って飛ぶとはシュールな絵。魔女のほうきの柄よりは太く、米の粘りで滑りにくく、またがりやすいかも?!
反対のドア側の側面には「帽子をかぶった切り株」もいて、由来はよく分からない。


雪が激しく降る御成町を歩く。
前に来たのは2013年春。その時と違って、小坂鉄道踏切跡の線路が撤去され、商店街のアーケードも撤去されていた。
Googleマップでは、「小坂鉄道」の路線名表記や踏切部分の線路はなくなったが、それ以外の区間では、今なおずっとレールが続いているように表記されている。
この辺り、踏切跡を挟んで信号機がない交差点が連続するが、通行する車両はけっこう多く、歩行者としては少々怖かった。信号機があってもいいのではないだろうか。【追記・踏切そばの大館駅側の交差点には、2023年度に信号機が設置されたようだ。】

駅から900メートルほどのところに「いとく大館ショッピングセンター」があり、初めて中に入った。
駅方向から行くと脇から入る形。ミスドなどは右奥の正面にある
「いとく(伊徳)」は大館市に本社があり、青森県津軽~秋田市にかけてスーパーを展開する。※以前の記事
秋田市民の感覚では、いとくは食品スーパーだけど、大館ショッピングセンターは3階建ての大きな建物で総合スーパー(GMS)に分類される。1978年開店で、同時期のジャスコなんかとよく似た雰囲気。

街中を歩く人はかなり少なかったが、駐車場に車はたくさんいて、店内も盛況。
飲食店やダイソー(改装で休業中)のほか、3階には書店があり、品揃えも良い。テナントでなくいとく直営らしく、秋田市のいとくで使っているのと同じポイントカードに、本を買った分のポイントがもらえる。

いとくの駅寄りには、12日に開店したばかりのセブン-イレブン大館御成町店があった。
その斜め向かい(駅寄り)は、
広大な空き地
1988年に開店し、2006年に閉店した、ジャスコ大館店の跡地である。いとくと同じくらいの規模だったと記憶している。
学生時代、弘前と秋田を行き来する時に、今回のような大館での待ち時間があると、何度か来たことがあった。(いつもジャスコばかりで、いとくには行かなかった。)
【2018年6月11日追記】2018年6月時点でも、イオンリテール株式会社名義の管理地であることを示す看板が立っていた。更地になってからも売却はしていないことになるが、どうするのだろう。
2003年御成町二丁目からの風景。ジャスコが少し写りこんでいる。

いい頃合いなので、駅へ戻って花輪線に乗車。
雪がやんで、晴れ間が出た
「トッテモ イイ トコロ」へ向かいます。続きはこちら
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋田支店跡に…

2016-02-22 21:30:11 | 秋田のいろいろ
秋田市大町にある、昭和初期に建てられた秋田銀行秋田支店だった建物が、昨年末から解体された。
12月末 裏(西)側から
駐車場だった西側から解体された。最近の建物と同じ程度の鉄筋が入っているように見える。実際の強度は分からないけれど。
 
あっけなく解体が進み、年が明けた。
1月中旬

ぽっかりと空いた土地

1月いっぱいくらいは、整地作業らしきものが行われていたが、なかなか終わる気配がない。
いずれ更地になって、放置されるのか、駐車場にでもなるのかと思っていて、久しぶりに現地に行ったら…
おや?!
跡地に鉄骨が置かれ、敷地北側(ATMや庭園があった側)には、
建物の基礎らしきものが!
なんと、すぐに建物を建てる工事が始まったのだった。

何ができるかの表示はない。
建設工事の「労災保険関係成立票」を拝見すると、
「注文者の氏名 秋田清酒株式会社」
「秋田清酒」は大仙市にある酒造会社。「出羽鶴」「刈穂」のブランドが有名。
ということは、川反でもあることだから、秋田清酒の飲食店とか販売店でもできるのだろうか?
工事は3月末までかかることになっている。

すぐ前にはライバル「新政」のゲート型広告

※続きはこの記事後半
コメント (3)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八戸えんぶり

2016-02-21 21:47:19 | 津軽のいろいろ
※青森県南部地方の話題ですが、便宜上「津軽のいろいろ」カテゴリーにします。

僕は、青森県の東側・南部(県南)地方には、なじみが薄い。
八戸市に親戚がいるなどして多少のつながりがあり、何度か訪れたこともあったのだけど、何も知らないも同然だった。

先週末、八戸を訪れる機会があり、今までよりは深く街を見ることができた。
折しも、重要無形民俗文化財、青森冬の三大まつり、みちのく五大雪まつりの1つ「八戸えんぶり」の開催中(17~20日)であった。

僕の今までの知識では、八戸のお祭りといえば「三社大祭」とえんぶりの名は、すぐに連想できた。4年も青森県に住んでいたのだから、当然。
しかし、それらが、いつ行う、どんな内容の祭りなのかといった詳細は知らなかった。4年も住んでいたのに、恥ずかしながら。

今回、事前に見聞きしたところ、「えんぶり」とは、
・その年の豊作を願って舞い踊る、小正月行事。
・市内や周辺から参加する30組以上のグループ「えんぶり組」単位で行う。
・複数の踊りを次々に披露し、それら1セットを披露するのに30分以上かかる。
・披露する形式は、大通りで全えんぶり組が一斉に披露するもの、公共施設などで1組単位で披露するもの(一部有料)、各えんぶり組が街中などを巡回して披露する(門付=これが本来のやり方)ものなどがある。
その程度の予備知識で八戸に行って、ごくわずかだけ、えんぶりを見た。
※すべてスマートフォンで撮影した写真で、シャッターのタイミングが合わずイマイチの写真です。

八戸の市街地は、東北新幹線の八戸駅からは離れている。太平洋岸を南下するローカル線・JR八戸線に乗り換えて2駅・本八戸駅下車。駅前からちょっと歩くと市役所があり、その付近が中心市街地。

八戸市役所(現地では「八戸市庁」と称する模様)前の広場(市民広場・おまつり広場)にステージが設けられ、そこで「内丸えんぶり組」という団体によるえんぶりを見ることができた。(他の時間帯は別の組が出演)
「地元の内丸です」と自己紹介していたが、地図で調べると本八戸駅から市役所にかけてが、内丸という町名で、正真正銘の地元だ。

馬の頭をかたどった色鮮やかな烏帽子をかぶったのが、「太夫」と呼ばれる3名のメインの舞い手(組によっては5名までいる)。
烏帽子
ほかに、子どもを中心としたカラフルな衣装の人、太鼓や笛を担当する人など、かなりの人数からえんぶり組が構成されていた。みんな藁靴を履いている。その全員が登壇。

「MC」に相当する進行役のお父さん(「親方」と呼ぶ?)もいて、ユーモアを交えて分かりやすく説明してくれた。
えんぶりとは漢字で「木偏に『八』」と書く。元は「えぶり」という農耕具(=グラウンドや砂場をならすT字型の道具に似ている)のことだそう。
椅子は満席。立ち見も多数

太夫が「ジャンギ」という音の出る棒を持って、激しく舞うのが3回。年間の稲作の作業を表している。NHKの報道によれば、ジャンギで地面をたたく動作は、土の中の神様を呼び起こす意味があるとか。
唄い手の男性が1人いて、その歌とお囃子に合わせて舞う。
紫の衣装が唄い手。背中に「木八」

その合間に、ほかの人たちによる別の演目が披露される。お年寄りと幼児(今回は68歳と4歳の組み合わせで、血縁関係はないとのこと)の踊りとか、少女による南京玉すだれ(生で見たのは初めてだった)など。「祝福芸」という余興のようなものだけど、これらもおもしろい。
子どもたち(と後方に太夫)による田植えの踊り
「やり過ぎると腰痛める」といった歌詞があった。

3人の少年が鯛を釣り上げる「えびす舞」
写真は釣り上げようとがんばっているシーン。1度失敗して、最後は(プラスチックの)立派な鯛を見事に釣り上げた。
以上、通しで30分強。
ほかには、さくら野八戸店に隣接(一体化?)する文具店「カネイリ」の店内で門付していたのを、少しだけ見た程度。
えんぶりのごく一部だけなんだろうけど、想像以上に見応えがあった。

どこの祭りでも、それなりの準備や練習、次世代への継承は必要だけど、えんぶりはかなり大変ではないだろうか。秋田の竿燈も技の習得と継承は大変だけど、こちらは演目が多いし、衣装もいろいろ必要だし。
いろいろな世代が参加し、かつその役割が細かく区分されているのも、特徴的。
あと、篠笛(?)によるお囃子のメロディが印象に残った。何度か出てきた曲は、竿燈やねぶたなど夏祭りのお囃子よりも明るく感じた。音程のアップダウンとか、舌使い(?)とか難しいかもしれない。


それと、津軽地方と異なり、やませが吹き付ける南部は気象条件が厳しく、農業の内容も大きく異なり、稲作のウエイトは低いはず。特に昔なら。
そんな土地で、稲の豊作を願うこのような行事が行われているのは、意外だった。
さらに、今は工業都市である八戸の街中で、それが受け継がれているのも。

秋田でも、「雪中田植え」や刈和野大綱引き、六郷の竹打ちなど、冬の時期に豊作を願う行事はいくつかあるけれど、えんぶりのほうが豊作への熱心な願いがこめられているような気がした。
厳しい条件の南部ならではのもので、それに加えて、春を迎える喜びや期待を表すのが、えんぶりなのかもしれない。
青森県警八戸警察署八戸中央交番
市役所向かいの八戸中央交番の建物にも、烏帽子がデザインされる。(2001年までここに八戸警察署があったとのこと)

市街地・三日町で門付の準備中
もともと積雪が少ない八戸だが、この時はほぼまったく雪がなく、途中から雨が降ってきた。烏帽子にビニールをかぶせていた。


八戸への道中や八戸の食べ物の話題など、後日続きます。※次の記事
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スキー場廃止?/異色コンビ

2016-02-17 20:13:54 | 津軽のいろいろ
ネットで見つけた弘前の話題2つ。
●スキー場廃止?!
弘前大学文京町キャンパスの裏、西ケ丘町・寒沢町にある坂は、冬は積雪と凍結で滑りやすいことから、大学生には「寒沢スキー場」と通称されている。

あまり厳しくない今冬といえども、2月上旬時点で弘前は45センチほど積もり、朝はマイナス5度くらいまで冷え込んでいる。
きっと今年もまた、スリップしたり転倒したりする光景が見られている(危険です。気をつけて!)と思いつつ、何気なくツイッターを検索した。

すると、寒沢スキー場は今冬をもって“廃止”されていた!!

すなわち、路面に融雪装置(ロードヒーティング)が設置された。お役所らしく1月まで工事をしていたようだが、1月中旬頃には稼働開始した模様。
停電するかメインスイッチを切るか、(某秋田市のように老朽化したりして)故障しない限り、ここをスキー場と呼ぶことはできなくなった。

2015年12月15日付「広報ひろさき」によれば、今年度は市道15か所、県道4か所の坂にロードヒーティングを整備したとのこと。(県道も市が工事したってこと?)
坂が多い弘前でも、坂の凍結解消は進んでいるようだ。


●異色の組み合わせ
複数のハウスメーカー(住宅建設会社)のモデル住宅を1か所にまとめて展示する「住宅展示場」。
秋田では、秋田市保戸野の新国道沿いの「AKTハウジングセンター」、岩手では「IBCハウジングメッセ北上」など、なぜか放送局がからむものが多い。
地方だけでなく、キー局のTBSでさえ関東地方各地に「TBSハウジング」を展開している。

不思議だったが、Wikipediaによれば、かつて設置が義務付けられていた非常用送信所が、規制緩和で不要となり、その土地の有効活用として、住宅展示場にした所が多いのだそう。(上記AKTなど各社の展示場がそうだったのかは不明)


今年4月、弘前市神田2丁目に、津軽地域初の住宅展示場がオープンすることになり、14日にプレオープンしたとのニュースが東奥日報のニュースサイトに出ていた。
ここでいう「津軽」とは青森市を含まない、狭義の津軽なんでしょう。青森には住宅展示場が既にあるので。

その展示場は5棟を常設展示する「ハウジングメッセ弘前」。
経営者は「東奥日報社、ABA青森朝日放送共催」。

経営者に新聞社が関わる展示場も、わりとあるかもしれない。
秋田市横森には「さきがけハウジングパーク」がある。(AKTハウジングよりは後発でややマイナーかもしれないが、「♪きっと見つかる、理想の住まい。さきがけハウジングパーク」のCMのジングルは耳慣れている【2018年2月4日追記】1997年8月28日オープン)盛岡市には、岩手日報社による「日報ハウジングパーク」がある。
地方新聞社とその土地の放送局は資本関係にあることが多いから、もしかしたら土地を譲ってもらったのかもしれないし、宣伝を協力して行えるメリットはありそう。
一方で、AKTと魁、IBCと岩手日報と、グループ内で住宅展示場が競合することにもなる。岩手の場合は盛岡と北上で場所を棲み分けているのか。

青森でも「東奥日報ハウジングパーク」というのが青森市浜田にあるそうだ。
ハウジングメッセ弘前で異色なのは、東奥日報+ABAという組み合わせ。
秋田に置き換えれば、秋田魁新報社と秋田朝日放送(AAB)の関係と同じである。この両者が手を結ぶことはまずない。
東奥日報社と資本関係がある、青森放送でも青森テレビでもエフエム青森でもなく、(おそらく)無関係の青森朝日放送と手を結んだのは、どういう経緯だろう?

それに、後発局で、“副業”はあまりせずにテレビ放送事業にほぼ専念している印象がある、青森朝日放送が、こういうことに手を出すのも珍しい。

※秋田のAKTハウジングセンターとさきがけハウジングパークについての関連記事
コメント (5)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まぎらわしい映像

2016-02-16 23:55:34 | 秋田のいろいろ
昨年発覚した、旭化成建材の杭打ち不正問題を受けて、各地で検証が行われている。
強度としては問題がない範囲では、他の業者も含めてあちこちでデータの使い回しがされていたのが発覚している。

この度、秋田市が発注した工事で、2つのデータ流用が見つかった。いずれも山形県の業者とのこと。
2つは、秋田市北部市民サービスセンター(キタスカ)の駐車場棟と秋田公立美術大学の研究棟増築。

それを伝える、ABS秋田放送のテレビニュース。
ホームページより。「news every」とあるが実際には昼のニュースの映像
現地を映したVTRでは、最初にキタスカ。建物本体からカメラを振って駐車場を映し、上の画像のようにズームしている。
これなら、視聴者は建物全体の雰囲気も、問題の駐車場棟の状況も把握できる。(建物に異常はなく、地面に打ち込まれた杭だから、こんな映像では何も分からないのだけど)

続いて、美大。
県道側の正面からサークルプラザ(広場)方向を、移動しながら引いたり寄ったりした映像でとらえている。
問題があったのは、研究棟のうち、短大から4年制化される時に増築された部分。米倉庫を転用した倉庫棟の向かい側の新屋駅寄りにあるので、正面からは他の建物の陰になって見えない。
研究棟にズームイン
見えているのは、短大時代からあった研究棟だ。(問題の増築部分はこの右奥)

しかも、研究棟とは無関係の別棟であるレストハウス(学食)が入る厚生棟のズーム映像も流された。
これは厚生棟
何も知らない人が見たら、キタスカの映像と同じく、大映しされている建物が問題の建物だと認識してしまうだろう。
直接関係ない建物を放映するのなら、せめて「資料映像」と表示するべきだろう。わざわざ現地に撮影に出向いたのなら、反対の遊歩道側やゴルフ練習場側から(いずれも敷地外・公道)撮影すれば、増築部分がバッチリ映せたのに。あるいは、きちんと許可を取って、敷地内で撮影するべきだ。
(再掲)遊歩道から。右手前が問題の研究棟増築部分
なお、秋田朝日放送では、葉っぱが茂っているシーズンに撮影された、サークルプラザ周辺や正面付近の映像に「資料映像」と表示したものを流していた。

百聞は一見にしかずの言葉通り、映像は情報を伝える便利な手段だが、使い方次第で誤解を与えてしまうものである。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

押ボタン式歩車分離

2016-02-15 20:24:46 | 秋田のいろいろ
過去に何度か取り上げている「歩車分離式信号」。
車両用と歩行者用の青信号のタイミングを分離し、歩行者用信号機が青の間は、すべての車両用信号機が赤になるもの。理論的には、車両と歩行者が関わる交通事故は絶対に発生しない。
実際には、従来方式の信号機と勘違いし、違う青信号を誤認して事故になる可能性があるし、信号待ち時間が長くなるといった問題もある。
警察庁では、各都道府県警察に対し、いわば“ノルマ”を課して歩車分離式交差点の増加を推進している。※過去の記事

歩車分離式にはいくつかの方式がある。
ちょっと変わったものとして、通学路の交差点で登校時間だけといった、時間帯を限定して歩車分離式になるものもあり、秋田市内にも設置されている。
(再掲)「歩車分離時間別運用」というピンと来ない表示


このほど、別の変わったタイプの歩車分離式信号が、秋田市内に誕生する。
もしかしたら、既に秋田県内のどこかで少数稼働しているかもしれないが、僕は知らない。多くの人も、接したことがない方式だと思う。注意喚起をこめて、取り上げます。

秋田駅東口から東へ1キロ弱、東通にある市立東小学校(関連記事)の南東角。東児童センターの前の十字路交差点。

あまり広くはない歩道付き片側1車線の道路が交わる。かつてはここ(小学校南側の東西の道)を路線バスも走っていた。
※市営バス時代の「東小学校経由東営業所線」で、1998年7月の日赤病院移転時の路線再編で廃止された。(駅西口方面)-長沼東町-手形中谷地-東小学校前-駅東団地-城東中学校前-東営業所という経路。長沼東町と駅東団地は、別路線のバス停として現存する。現在の住所としての手形字中谷地はもっと北側だが、1995年までは現在の東通一・六丁目の一部も中谷地だった。

狭いながら交通量はそれなりにあり、かつ住宅街で小学校の前(さらに城東中学校の近く)ということもあり、省略せずに(車両用と兼用でなく)、4方向に8台の歩行者用信号機がフル装備で設置されている。
歩車分離式ではなく、車両用・歩行者用とも、東西・南北の順で青になるのを繰り返す、ごく普通の交差点であった。

先週末の段階では、歩車分離化に向けた準備が終わったものの、まだ普通の交差点として稼働していた。
車両用・歩行者用とも、既存信号機に新たな表示板が設置されて、それが隠されている
信号機は、車両用がLED式、歩行者用が末期の電球式。歩車分離化後もそのまま使われるようだ。
また、上の写真の車両用信号機の上のアーム付近の柱にある配線が出ている箱(端子箱)は、新旧が共存しているようだ。

そして、
歩行者用信号機の下に箱が!
まだダンボールとビニールで覆われているが、小さな箱が新設。その上に「歩行者用押ボタン」との表示板ある。(厳密にはその表示板も隠さないといけません)
おそらく、タッチ式白色LED表示の箱のはず。※したがって、以下、「押す」ではなく「触れる」が正確な表記です。

信号機の隠された表示板は、
「押ボタン式歩車分離信号」

「押ボタン式歩車分離」という方式になるのです。
横断歩行者がボタンを押さない限り、歩行者用信号はずっと赤。その間、車両用信号は従来と同じく、東西・南北の青と赤を繰り返す。
歩行者用が来てボタンを押すと、すべての車両用が赤になり、全方向の歩行者用が青になる。というもの。

ここの場合、歩行者がボタンを押したタイミングに関わらず、南北方向の車両用が青になった次に、歩行者用が青になるように設定されているはず。
つまり、青信号は 車両東西方向→車両南北方向→(ボタン押されていなければ車両東西)or(押されていれば歩行者) という流れ。

歩車分離式の安全性を確保しながら、必要なときだけ歩行者用が青になるので、車両にとっては歩行者用がいないタイミングでの無駄な信号待ちをしなくて済む。
歩行者にとっては、ボタンを押す手間が増えただけで、従来の歩車分離式とメリットは変わらないかな?

狭い道でひょいと横断できてしまうから、押さずに渡ってしまう人がいそうだし、従来同様、歩行者・車両とも信号機を誤認する可能性はある。
何よりも、1度押せばどの方向にも横断できる押しボタン式なんて、知らない人がほとんどだろうから、戸惑いはまだしも勘違いや思い込みで交通事故になってしまわないか心配。
表示板の表示は漢字が多いもので、低学年の児童は分からないだろう。学校を通しての周知はしているだろうか。

駅の西側の秋田中央警察署管内では、既存交差点を歩車分離式に変更する時は、事前に大きな看板を立ててその旨を告知している。
こっちは秋田東警察署管轄だが、11日の段階ではそのようなものはなかった。
状況からするに、すぐにでも歩車分離式に切り替えできそうな雰囲気だったが、いつからやるのでしょう。
現地を通る皆さんは充分に注意し、警察は充分に周知してほしい。


ところで、ここは歩行者用信号機が8台ある。よくあるように、1本の柱に2台をまとめて設置しているものも2本ある。
そのうち1つでは、
押しボタンも2台仲良く並ぶ
どのボタンを押しても全部青になるんだから、こういう場合は1台にまとめてもいいんじゃなかろうか。わずかに無駄な気がしてしまう。
かえってどっちを押せばいいか迷う人が出そう。
【2020年2月19日追記】その後、2019年秋頃には、この交差点が斜め横断もできるスクランブル交差点になった(関連記事)。「押しボタン」かつ「スクランブル」というのは、秋田県内初かもしれない。

その後の他の交差点への導入状況
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雪の増減

2016-02-14 20:00:59 | 秋田の季節・風景
秋田市は1月末までにそれなりに雪が積もったものの、融けかけていた。
2月に入ってからは、少し積もっては少し融けてを繰り返し、3日と10日には積雪は30センチ近くまで達した。真冬日(マイナス0度台のギリギリ真冬日)も2日あり、そこそこ冬らしい毎日だった。
積雪が28センチになった3日の大町・赤れんが郷土館前

楢山の東部ガスのタンクの雪は落ちそうで落ちない ※以前の記事

8~9日頃は、水っぽい雪。道路はベチャベチャ。
大町五丁目と六丁目の間の「横町」

その後、また積もって、10日には29センチ。時には青空も。
千秋公園中土橋。お堀は2つともほぼ全面凍結

保戸野千代田町~泉の遊歩道「ハミングロード」。歩ける幅は除雪されている(保戸野側だけ?)。
ベンチを雪が占領

ブランコも雪の中
ブランコの座る部分は、上のポールに縛りつけて固定されている。

12日は、最低気温がマイナス5.0度と今年最低の気温。※今シーズンとしては昨年12月26日にマイナス5.1度になっている。
かつ、最高気温は8.3度と今年最高の気温も観測した。
今日14日はさらに暖かく雨が降って、最高気温は12.3度、14時には積雪がついにゼロとなった。全国的には春一番が観測され、秋田も暴風警報が出たものの、風は思ったほど強くなかった。雪解け水で、新城川や草生津川はあふれそうだったとのこと。
今日午後
ベンチの上の雪も消えていた。
わずか4日で、あんなにあった雪が、ほぼ消えてしまった。
道路の雪も、積み上げられたもの以外はほぼ消えたけれど、日陰の路地や歩道はツルツルの氷になっている所も。


秋田県内各地では、小正月行事シーズン。湯沢の犬っこまつりや横手のかまくらは、雪不足にはならなかったけれど、この暖かさで途中で融けちゃわないでしょうか。【15日追記】湯沢では、雪像の一部が崩れたり傾いたりしたとのこと。
大館~秋田~湯沢の臨時列車は、今年は初めてリゾートしらかみ青池編成(2代目のハイブリッド車)で運行。
湯沢行き快速「犬っこまつり号」は、秋田駅の発車標では、以前は「犬っこ」と表示されていた。
(再掲)
発車標が更新された(前回の記事)ばかりの今年は、
カバーはまだありません
正しくくっきりと表示。列車名はリゾートしらかみと同じく黄色文字。黒板に黄色いチョークで書いたような感じで、見やすい。
途中の停車駅などは表示されない。英字もフルで表示された。
続きはこの記事後半


明日は一転、再び気温がぐっと下って雪。めまぐるしく天気が変わっているが、雪がずっと続かないのは春に近づいているということでしょう。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タワーじゃなかった?

2016-02-10 21:15:31 | 秋田の季節・風景
先月、そっくりなタワーのことをアップした。
できて間もない、秋田県立秋田工業高等学校・体育館棟にタワー状の物体があり、それは20年以上前から存在する秋田公立美術大学(建設時は美術工芸短大)のシンボルタワーにそっくりであった。
ただし、秋田工業のタワーは敷地外からしか見たことがないので、近くで見たらまた違った印象を受けるかもしれないと思っていた。

さらに、ちょっと不思議なこともあった。
秋工の周囲の道路を歩いていると、家々のすき間から体育館棟らしき建物が見え隠れし、タワーも見ることができる。
だけど、位置によってタワーの太さが極端に違ったり、タワーがあるはずの位置に存在しないように見えることもあるような気がしていた。

千秋公園(から続く丘)の北端から。奥の山は平和公園・天徳寺
旭川の向こうが秋工の旧校舎、その向こうにグレーの新校舎が見える。写真中央のクレーンの右にあるはずのタワーは? あるような、ないような…
肉眼ではよく分からないので、ズーム。
薄っぺら!
なんと、タワーだと思っていたのは、板だったのだ!
見る位置(角度)によって、かなり違って見えたのは、このためだった。【11日追記】前回、平面的な印象を受けると書いたが、まさに平面なわけで、そう感じて当然なのだった。
(再掲)
タワーらしく見える↑線路越しの写真は、この板をほぼ真横から撮影していたことになる。今回の撮影場所はそこからほぼ90度の位置。

もう少し移動すると、
いちばん“薄く”見える
北東と南西方向から見た時が、いちばん“厚い”タワーらしい形になる。


「そっくりタワー」ではなく、「タワーもどき」だったとは、すっかりだまされていた。
同じ保戸野地区にある、秋田市立保戸野小学校の時計塔っぽく見せかけた構造物は、正面からしかそれらしく見えない“ハリボテ”同然のものだった。
秋工のは2面からタワーに見えるし、それ以外の角度からでも、それはそれで通用するデザインなのかもしれない。美大のようなタワーにしたかったけど費用面で簡略化したのか、もっと崇高なデザイン上の意図でこうしたのか知らないけど。どっちにしても、美大のタワーを意識しているような気がしてしまうのは、やっぱり変わらない。
保戸野小も秋工も、タワーもどきに避雷針が設置されている。避雷針の設置場所としての目的はあるのでしょう。

【3月4日追記】川が蛇行していて方向感覚が狂う、泉地区の旭川沿いを歩いていると、住宅のすき間からタワーが真横から見える地点がある。一瞬、「ここは新屋だったっけ?」と美大周辺にワープしたような気がしてしまった。

※秋田工業高校校舎改築に関する続きはこちら
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

倉庫と木

2016-02-09 00:04:39 | 秋田の季節・風景
秋田市大町五丁目。旧称「茶町」から南へ続く「豊島町」辺りは、隣の歓楽街・川反とは打って変わって静かな一帯。
北方向
左手前の白い建物は、NTT東日本の交換機のある所(のはず)。その先。
倉庫のような建物と針葉樹が1本

まず、倉庫。
側面は茶色で、正面だけいかめしいグレーの物体をくっつけたような構造。
これは、「那波伊四郎商店配送センター」。

那波伊四郎商店について。
二丁目橋の水汲み場でおなじみの那波家の分家だそうで、元はお茶や砂糖を販売(場所が茶町だから)。後に和紙に商売替えして「那波紙店」と呼ばれ、今は事務用品・機器なども扱っているのだろう。
30年ほど昔、秋田放送テレビでは土曜日17時台に「世界まるごとHOWマッチ」などを遅れて放送していた。その枠のスポンサーの1つが那波紙店(伊四郎商店名義ではなかったはず)で、和紙の製造工程を説明するCMが流れていた。「楮(こうぞ)、三叉、雁皮(がんぴ)」と原料になる植物名がナレーションされていて、それで知識として覚えることができた。

配送センターの斜め向かいが店舗で、明治時代に土崎にあった舟宿を移築したもの。
Googleストリートビューより那波紙店店舗

那波伊四郎商店ホームページでは、配送センターの建物は「那波伊四郎商店倉庫」と記載されている。
「昭和10年頃の建築。ガンダムに似てませんか?」とあるから、1本隣の通りにあって解体されてしまった秋田銀行秋田支店と同時期。どことなく共通する雰囲気。


木で隠れるけれど、中央のいちばん高い所に那波家の家紋


さて、倉庫前の針葉樹。
今までの写真では、やや背が低い気はするが、普通に見えたはず。ところが、角度を変えると、
 曲がってる!

根元からまっすぐ伸びた幹が、途中のちょうど枝葉が出ている付近からわずかに横方向に方向を変え、そこからまた上に伸びているのだった。

強風などで折れるか、人為的に切られるなどした後、脇芽が出るように新たな幹が出て大きくなったのだろうか。それとも、昔は障害物があって、それに沿って曲がったのか。
以前紹介した倒れたまま生長する木と似た木(葉の出方は異なるので、別種だと考えられる)だけど、こちらもなかなか健気な木。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2016ダイヤ改正

2016-02-07 21:05:30 | 秋田のいろいろ
3月26日・土曜日に、恒例のJRグループのダイヤ改正が実施される。
今回は、北海道新幹線(新青森-新函館北斗)の開業がメイン。
20年ほど前だろうか、「函館の新幹線開業は平成30年を予定」というニュースを見て、平成13年じゃなくて30年なのか。まだだいぶ先だな…と思ったものだが、今にしてみればもう開通してしまう。
北海道新幹線の話題は、もしかしたら後日アップするとして、ここでは、それ以外の秋田地区を中心とした、気になるものをピックアップする。
※以下、12月の公式発表に基づくもの。利用の際は、公式な情報で各自ご確認ください。

●特急「つがる」減便
現在5往復運行されている、奥羽本線 秋田-青森を結ぶ特急「つがる」のうち2往復が廃止されて、3往復になる。(1往復は代替の快速を増発。後述)

現在の「つがる」は、2010年12月の東北新幹線 新青森開業時に、それまでの「かもしか」3往復と「いなほ」1往復を統合して登場。(いなほは、新潟-秋田に短縮)
さらに2014年3月の改正で、寝台特急「あけぼの」が廃止された代替として、同時間帯の秋田-青森に「つがる」が増発(臨時列車扱いながら毎日運転)されて、計5往復になっていた。

今回廃止されるのは、下りは秋田発7時05分の1号と17時32分の7号。上りは青森発5時43分の2号と18時46分の10号。1号と10号は「あけぼの」、2号は「いなほ」の流れを汲むダイヤである。
さらにさかのぼれば、青森まで来ていた「いなほ」は、2001年3月で廃止された青森-大阪の長距離特急「白鳥」の流れを汲んでいる。
さらにさらにさかのぼれば、その白鳥は、青函連絡船の深夜便からの接続を受ける列車だった。連絡船があった当時は青森発が4時50分(関連記事)、連絡船廃止後は6時11分辺りに設定されていた。

12月19日の陸奥新報サイトによれば、廃止されるのは「乗車率が非常に低い時間帯の便」「この4本の乗車率は1~2割ほどという。」。


個人的には、減便の大きな理由は「車両が足りない」ことだと思う。
つがるには、E751系電車が使用されているが、3本しか編成がなく、それで5往復をやり繰りしていた。
E751系だけでは予備がなく、定期検査や突発的な故障に対応できなかった。そのため、古い485系電車(を改造した3000番台)が代走するのが常態化していた。

昨年、北海道新幹線開業により、青森の485系が引退するとの報道が一部であった。それを踏まえれば、つがる減便は想定できた。
「つがる代走用には485系を残す」とか「E751系を増備する」「どっかで余っている、さほど古くない車両を転属させる」「いなほのE653系と運用を共通化する」といったことで、5往復を維持することもできそうではあったけど、それらはかなわなかった。
(再掲)485系3000番台「つがる」も見納め?
3往復を3編成ならば、かつての「かもしか」と同じで、E751系だけで1本の予備が確保できる。弘前さくらまつり期間中には、その予備を使った臨時特急の運行も決まっている。


利用が少ないということだけど、その4本がそんなに少ないだろうか。
上り最終の10号はたしかに多くはなさそう。
秋田駅で何度か、2号と7号を見たことがあるけど、「1~2割ほど」よりは多かった気がする。
昔の話だけど、2号に相当する20年前の「白鳥」では、弘前で3両の自由席がほぼ埋まるくらい乗車していた記憶がある。その救済なのか、大館始発で白鳥の20分ほど後を追いかける秋田経由盛岡行き特急「たざわ」も設定されていた。昔の話だから、今との比較にはなりませんが。

下り最終の秋田発19時27分の9号(改正後は32分発5号)が残るのが意外。かつてのいなほ相当のダイヤだが、そんなに乗っていなさそう。
この点でも、車両運用の都合がありそう。


これにより、奥羽北線を走る特急は「つがる」だけ、わずか3往復という寂しいことになってしまう。【8日追記】青森-新青森の1駅だけ乗り入れていた「スーパー白鳥」8往復と「白鳥」2往復も、北海道新幹線開業で廃止されるし。
あと、テレビ東京の特急乗り継ぎ旅で、待ち時間にセリオンに行ったら渋滞にあって、予定していた「つがる7号」に乗り遅れてしまい、居酒屋で時間をつぶして後続の「つがる9号」で青森に向かった。というのも、もうできなくなる。


●秋田-弘前快速新設
つがる減便の代替として、秋田-弘前に快速が1往復新設される。(弘前で青森行き/発の普通列車に接続)
車両は一部ボックスシートの701系電車2両編成。停車駅は土崎、追分、大久保、井川さくら、早口が新たに加わる。
ダイヤは、
つがる7号 秋田17時32分→弘前19時36分の代替 秋田17時30分→弘前19時39分
つがる2号 弘前6時16分→秋田8時22分の代替 弘前6時29分→秋田8時40分。

秋田・青森県境の矢立峠を越える快速が運行されるのは、初めてではないだろうか。(かつて「しらかみ」→「しらゆき」などは通っていたが、この区間では各駅停車だった)

秋田地区の701系電車には、車内の座席のごく一部を4人掛けのボックスシートに改造した編成があり、秋田-新庄間に限定して運用されている。(申し訳程度のボックスシートであり、着席定員はロングシートと変わらない)
運用をやり繰りして、その車両が弘前へ来て1泊して秋田へ戻るようになるのだろう。もうちょっといい(快適な)車両を使ってもいいような気もしますが。

それにしても、俊足の韋駄天。
停車駅が増えているにも関わらず、「つがる」より5分余計にかかるだけ。停車時間も含む平均速度「表定速度」は、69km/hほど。
701系導入当初の秋田-大館の「しらかみ」→「しらゆき」並み(停車駅は特急と同じで少なかった)の豪快な走りになりそう。その点でも乗り心地が…

もし、僕が弘前にいた頃にこんな列車があったら、安くて速いので好んで乗っていたかもしれない。
でも、2両で朝夕のラッシュ時間帯だから、曜日や区間によっては混雑するかも。

※この後、2019年春のダイヤ改正では、この下り快速の後の時間帯の「つがる」が繰り上げられた。そのため、この弘前行きの快速を大館→弘前間各駅停車に変更(所要時間は10分強の増加)。そして、その後の大館行き快速と、大館以北の各駅停車を統合して、青森まで通しで快速運転する列車となった。



●既存快速の変更
奥羽北線では、上記、秋田-弘前の快速の登場により、近接した時間帯の大館8時06分→秋田9時40分の快速が、大館8時05分→秋田9時52分の各駅停車に。これは、かつての急行「よねしろ」→無名快速の流れを汲んでいたダイヤだった。
夕方の秋田発大館行きの快速は、秋田発が20分ほど遅くなって残るので、17時台と18時台に1本ずつ快速が走ることになる。

また、従来、特急と同じ駅+井川さくらにだけ停車していた、大館発6時21分の秋田行き快速の停車駅を追加。上記、秋田-弘前の快速と統一される。


ほかに、奥羽南線の朝の湯沢→秋田の快速で、飯詰、和田、四ツ小屋への停車、羽越線の朝の羽後本荘→秋田の快速で新屋、羽後牛島への停車と普通列車との運行順入れ替えが行われる。
青森では、朝7時台の青森→弘前の快速が各駅停車化され、同区間の上り快速は昼前の1本だけになる。


●その他普通列車
これも弘前行き快速の影響もありそうだが、秋田発17~19時台の奥羽北線(下り)方面で30分程度の時刻の移動が多数。

羽越本線上りでは、秋田22時26分発羽後本荘行きが最終列車だった。この度、23時20分発新屋行きが新設され、終電が1時間遅くなる。
秋田市内の2駅だけだけど、路線バスよりも遅い時間だから、飲み会帰りの足に重宝されそう。
※列車はワンマン運転。羽後牛島、新屋は駅業務を終了している時間なので、前のドアから降りることになる。

田沢湖線でも時刻移動あり。

北上線では、横手-北上を通していた夕方の1往復が、ほっとゆだ-北上に短縮。横手発着の北上線は下り8本、上り6本となる。
特に上りは、横手発18時33分発が廃止されるので、17時17分の次は20時11分までなくなる。横手からの帰宅の足は不便じゃないだろうか。

五能線。能代市街地は奥羽本線・東能代駅とは離れており、五能線で1駅の能代駅が近い。
そのため、五能線では、東能代-能代の1駅だけを1両編成で行ったり来たりする列車が多数運行されている。下り15本、上り13本。
このうち、早朝と昼の下り2本、上り1本が廃止される。


以下、秋田以外。
●3社直通特急消滅
長野と名古屋を結ぶ、JR東海のL特急「しなの」。うち1往復は名古屋から東海道本線に入って、JR西日本エリアの大阪まで行っていたのが、名古屋発着に短縮される。JR3社にまたがって運行されている特急は、これでなくなるとのこと。

東日本エリアの感覚からすれば、1往復とはいえ、新幹線と並行する在来線の長い距離を特急が走っていたのが、驚き。(東京-熱海の場合は、新/在で運行会社が完全に違うからまた別の話)
JR東海にとっては、名古屋-大阪を新幹線に乗ってもらえば全部自社の収入になるのに、在来線では一部が西日本に取られてしまうのに、よくぞ走っていたものだ。
新幹線なら「こだま」でも1時間で着く名古屋-新大阪を、「しなの」は2時間かかっていた。そんな効率の悪いものは、もう必要とされなくなったのか。

なお、名古屋-高山の特急「ひだ」にも、大阪発着が1往復あり、こちらは改正後も存続する。



●万座・鹿沢口と長野原草津口
群馬県にJR東日本の吾妻(あがつま)線がある。沿線には草津温泉や嬬恋村など観光地があり、上野から特急「草津」が運行されている。

吾妻線の終点は大前という駅だが、「草津」はその1つ手前の万座・鹿沢口(まんざ・かざわぐち)駅止まり。
今改正からは、利用率が低いとして、4つ手前(特急では1駅)の長野原草津口(ながのはらくさつぐち)駅発着に短縮される。(臨時列車は改正後も一部、万座・鹿沢口まで行くようだ)

僕は行ったことはないけれど、「万座・鹿沢口」「長野原草津口」の駅名は記憶にあった。
子どもの頃読んだ、「特急ものしり百科」などで、長くてどちらも「口」で終わる駅名が、近くに2つあったのが印象に残っていた。
「万座・鹿沢口」は2つの駅名かのように「・(中黒)」が入っている。JRの駅名で中黒が入るのは唯一。「長野原草津口」は、長野県かと思わせる。
2013年撮影。現在は使われていない185系による「草津 万座・鹿沢口」表示
185系のローマ字表記では、「MANZA」と「KAZAWAGUCHI」の間に区切りがない。


ダイヤ改正の度に感じてしまうが、大都市圏や新幹線は便利になる一方で、地方部では徐々に不便になっていく。
関連記事
コメント (8)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

駅前ビル着工 他

2016-02-04 20:17:39 | 秋田の季節・風景
秋田駅周辺の以前の続報。
●やっと撤去
クリスマスが終わっても飾られ続けていた、フォンテAKITA2階出入り口前のクリスマスツリー。
1月30日にはあったが、今日2月4日にはなくなっていた。

今日が立春だったから、かろうじて暦の上で「冬」のうちに撤去されたことになる。(といっても、常識的に考えてかなり遅いですが…)


●フルカラーで更新
秋田駅の発車標が更新されつつあった。コメントでも情報をいただき、ありがとうございます。
改札内の通路やホームは、他の駅でも見かける新しいタイプの3色LED式が既に設置され、稼働しているものが多い。(場所によっては新旧が共存していたり、未更新のものもある)

カバーが取れただけで古いものが稼働していた、中央改札口上の4台の発車標のうち、左側の1台(枚)が、2月2日の営業終了後(2月3日早朝)に新型に更新された。
なるほど。1晩に1台ずつ交換するのねと思っていたら、今朝には、2台がいっきょに更新された。これで在来線用3台がすべて新しくなり、右の新幹線用1台だけが古い状態。

その新しい発車標は、
フルカラー!
白色をメインとしたゴシック体で表示されている。
JR東日本の新幹線や首都圏の在来線では、フルカラー発車標(もっとでっかいの)が主流になったが、地方の在来線でフルカラーって、珍しいのではないだろうか。

秋田新幹線側は今晩交換されるのか? 撤去されてふさがれたままの時計はどうなるか? 臨時列車はどんな表示になるか? など、いずれまた。
※状況を把握するのにNTTのライブカメラが役立っていたが、今日は見られない。元から接続が重かったり、モノクロになったり、プリセットされていないアングルである真下の床が映ったり、あまり調子が良くないライブカメラだ。

【5日追記】翌5日朝までに、新幹線側の発車標も交換された。引き続き時計は未設置、カバーはない状態。
※臨時列車の表示の一例はこの記事最後。
続きはこの記事後半


●閉店後
1月17日で閉店した、秋田駅ビルのミスタードーナツ 秋田トピコショップ
閉店直後には、外の窓にロールカーテンが下ろされて目隠しされ、告知の文書が掲出されたものの、窓ガラスにはミスドのロゴが残っていた。
今は、
ガラスのロゴが消え、告知だけが残る
【2月27日追記】2月27日付秋田魁新報総合面によれば、トピコショップをフランチャイズで運営していたKAMADAスマイルコーポレーションが破産した。18日破産開始決定、負債総額約5億7千万円。
これが閉店の大きな理由だったのだろう。

【5月24日追記】ミスド跡はしばらくカーテンが下りたままの状態で変化なし。
そして、5月12日から25日まで、隣のロッテリアが「店内改装のため」休業した。おそらく、ミスド跡も含めてロッテリアになるようだ。【5月26日訂正】と思ったら、ロッテリアはリニューアル後も従来のスペースのまま。ミスド跡は引き続きカーテンが下りている。

【9月17日追記】9月時点でもそのままだが、9月17日付秋田魁新報 経済面によれば、跡に牛丼チェーンの吉野家が入ることになった。11月上旬営業開始予定。営業時間は7時から22時。



●いつの間にか着工
区画整理事業のために解体された、フォーラスの西隣の「秋田駅前ビル」。
道路にならないスペースに、新たな駅前ビルが建設されるという話だったが、なかなか着工の気配がなかった。

昨年秋に工事が始まったけれど、それは下水道工事だった。
ひょっとしてビル再建は計画倒れかと思っていた。
ところが、ぽぽろーどから何気なく見ると、
いつの間に!!
鉄骨が組み上がっていた。
5階分あるので、当初の計画通り。形としてはほぼこのまま完成だろう。

正面から
かつての駅前ビルは、赤点灯の2台の歩行者信号機の左側、クレーンが立っている付近まで間口があった。高さは写真の上辺付近まで。
(再掲)

西側から

(再掲)リボン会館と駅前ビルがあった頃

先代ビルよりも間口が狭く、不正形なのは、拡幅後の道路形状のため。
ほかに、以前は軒先(?)がフォーラスと同じ位置に揃っていたのが、新しいものはやや引っ込んでいる。道路の影響か、デザイン上の都合か。

いつの間にか着工し、こんなに進んでいたとは…
少なくとも10日ほど前には、何もなかったはず。それ以後も、何度か通っているのに…
新ビルは、以前より狭く・引っ込んでいるため、NHK秋田放送局のリモコンカメラでは、フォーラスの影に隠れてまったく映らない。バスの車窓からも、同じように目立たない位置で、後方を振り返らないと気づかない。
続きはこの記事中ほど

秋田市もそれなりに変化があって、それなりに目が離せません。
コメント (11)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人参シフォン・萩原シュー

2016-02-03 19:59:44 | ランチパック
秋田で売られている、青森関係のお手軽スイーツ2つ。

岩手のシライシパン(白石食品工業)が、毎年冬(?)に発売する、6県の素材を使った菓子パン・惣菜パン「東北っていいなぁ。」シリーズ。
今年は1月から発売中。その青森版。
ふかうら雪人参シフォンケーキ 223kcal
青森県深浦町で冬に収穫されるニンジンのペーストが、生地に練りこまれている。
パッケージのキャラクターは青森県産品PRイメージキャラクター「決め手くん」。
 
中央にホイップクリームがけっこうたっぷり。白い粉は「ホワイトチョコパウダー」で粉砂糖ではない。たしかにホワイトチョコっぽい味がした。
肝心のニンジンの味はよく分からなかったけれど、この値段でこれなら、上出来。

※後年、深浦のニンジンを使ったこのような食品も発売。


もう1つはローソンのスイーツ。
もらいものであり、公式ホームページにも紹介がないので、詳細は不明。表示がないから、「ウチカフェスイーツ」シリーズではないのでしょう。
萩原牛乳使用チョコホイップクリーム 皮まで美味しいチョコシュークリーム 222kcal
青森の乳業メーカー「萩原乳業」の牛乳をクリームに使ったシュークリーム。
 
皮の上部はゴツゴツしたいがぐり頭のような、栗まんじゅうのような「ビターなチョコマカロン生地」。
クリームはびっしりたっぷり

製造者は同じく青森の工藤パン。(バーコードも工藤パンの企業番号を使っている)
青森ならではの商品なわけだが、「萩原牛乳」が何者なのかの説明もないし、ローソンの「ロ」の字もないから、知らない人にはちょっと変わったシュークリームが、なぜかローソンで売られてると思うだけだろう。
せっかく青森県外で発売するのだから、もうちょっと工夫してはどうでしょう。

セブン-イレブンのなど、最近はクリームがとろっと流れ出すようなシュークリームも多い。これはそれと対極的だけど、こっちのほうが好き。
「皮まで美味しい」かはよく分からないけど、全体的においしいシュークリーム。

なお、2015年9月8日には「皮まで美味しいシュークリーム 萩原牛乳使用ホイップクリーム」が発売されたらしく、そのバレンタインデーにちなんだ第2弾ということだろうか。



最後に少々イギリストースト。
工藤パンのロングセラー「イギリストースト」の包装に、1月から「50th」と書かれた小さなマークが付いている。イギリストーストは1966年発売開始だそうで、今年で50周年。アニバーサリーイヤーの記念商品に期待できる?!(笑点、トヨタカローラ、明星チャルメラなどと同い年だ)
一方、秋田のたけや製パンの「アベックトースト」は、正確な発売開始年は分からないようです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする