広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

入院でお世話になる人たち

2024-04-11 23:17:20 | 入院
入院シリーズ。前回の持ち物に続いて、今回は人について。※素人の観察によるものなので、間違いが少なくないと思われることを了解の上、ご覧ください。
約600床を有する秋田大学医学部附属病院。1日当たり平均としては、入院患者470名前後、外来患者1000名前後。
その職員数は1200人ほど。年度・資料によるバラツキや、非常勤・非正規、医学部本体所属者(病院を兼務)の関係もあるようで、正確な数はよく分からない。
ちなみに、弘前大学医学部附属病院も、病床数・職員数ともほぼ同じ。

1200人には、違う病棟や外来担当の職員、総務など患者と接しない事務職員もいるから、入院しても全員と顔を合わせるわけではない。一方で、職員数には含まれない委託先企業の人と関わることもある。ともかく、いろいろな人たちと関わって、お世話になるのが入院生活。
その人たちの顔や名前を覚えなくても、その都度、はいはいどうもと従っておけば済むことが多い。でも、少なくともどういう立場でどういう業務をしてくれる人かは、余裕があれば把握しておいたほうがスムーズに事が運ぶと思う。

●看護師
医師より先に挙げておく。秋大病院には600人以上いる。

話がそれるが、診療科や診療内容にもよるが、外来に通院する限りでは、看護師と接する場面は意外に少ない。呼び出しは「呼出受信機」という無線機器で行われるし、診察室の数(=その日診察する医師)よりも看護師の人数のほうが少ない。
そのほか、患者に接することはあるが治療行為はしないと思われる「地域患者支援センター」や資材を管理する「中央材料部」などバックアップ的部門にも看護師がいる。

入院患者がいちばん世話になるのは、もちろん、その病棟の看護師。
これまでクリニックの外来や健診施設の看護師、あとは身内に来る訪問看護師くらいしか働く姿を見たことがなかった。それらも、人の命に関わり、知識も技術も必要で大変なお仕事だとは思っていた。
だけど、入院病棟の看護師を見たら、さらに大変だと思った。年末年始にかかった入院だったが、当然、ほぼ通常体制だったし、残業する人も見かけた。業務内容が幅広くかつ多く、看護師資格と無関係な業務で時間を取られているようにも見受けられた。

僕は2つの病棟にいたが、体制はどちらもほぼ同じ。各病棟に看護師長以下数十人の看護師が配置され、2つの「チーム」に分かれている。
看護師長は、入院・転棟時に渡される案内に名前は記されているが、接する機会はなかった。知らずにすれ違ったことはあったかもしれないが。スタッフステーション(ナースステーション)とは別に部屋があるようだ。
なお、副看護師長が病棟に複数人いるが、患者に対しては明示されず、チーム内で他の看護師と同じように業務に当たっている。
看護師たちのノリというか、雰囲気みたいなのは、病棟ごとで少し違うようにも感じた。小児科とかなら分かるが、そうでないのに。社風ならぬ“病棟風”だろうか。

各患者は、いずれかのチームに割り当てられ、基本的にそのチーム所属の看護師のみから看護を受ける。さらに、そのチームの1人が「受け持ち看護師」として割り当てられ、主治医ととともにベッドサイドに名前が記される。

病棟の看護師は、日勤と夜勤の2交代制。そのそれぞれで、看護師ひとりひとりが、どの患者を担当するかが割り当てられる。患者の視点では、常に誰か1人の看護師に担当されている。受け持ち看護師は「入院中通しての担当」で、こちらは「今日の担当」ということ。【13日補足・今日の担当者が、休憩や他業務に当たっている時は、同じチームの他の看護師、場合よっては違うチームの看護師が対応。】
男性看護師も少なくないが、女性看護師よりは少ない。そんな事情があるのか、男性患者は男性看護師が担当すると決まっているわけではない。女性患者の場合は分からない。

受け持ち看護師制度は、病院側にはメリットがあるのかもしれないが、患者としてはあまり意味がないようにも感じた。
まず、勤務シフトの都合もあるだろうが、入院時の説明を受け持ち看護師がするとは限らない。どちらの病棟でも「私が受け持ちです」とあいさつを受ける機会もなかった。
また、受け持ち看護師が出勤している時でも、その人がその日の担当になるとは限らない。毎日の担当の割り当ては、患者の病状や介助の必要度合いなどを考慮して、業務内容を平準化していると思われるので仕方ないだろうし、誰が担当してくれても問題はなかったけれど。

そんなわけで、ある程度入院していると、担当チームの全看護師に1度は担当されることになり、(マスクをした)顔と名前はだいたい覚える。朝夕の勤務交代時には「今日の日勤/夜勤を担当します○○です。よろしくお願いします」とわざわざあいさつに来てくれるし。
対して、担当でないチームの看護師は、廊下ですれ違ったり、食事の配膳を受ける程度なので、ほぼ覚えられなかった。それでも、ナースコールして、担当チームの看護師が誰も対応できない場合は駆けつけてくれ、丁寧に対応してくれた。
さらに、病棟内で人繰りがつかないのか、病棟所属でない看護師が応援として来ることもあり、その人が担当してくれたこともあったが、同様に問題なかった。


そんな看護師の制服。外来も含めて男女問わず、白の上下。
上着は真っ白なものもあるが、同じ形で脇腹の部分に色が入っているものを着る人が多い感じ。色は青(紺)、赤紫(えんじ)、ピンクがあるようだ。色が入るのは両脇だったり片方(左?)だったりという違いもある。色で階級が違うとかではなく、好みで選べるのかも。

夜勤では、上着だけ紺色になる。
働き方改革の一環で、夜勤勤務者の制服の色を変える病院があると聞いていたが秋大病院もそうだった。日勤者と夜勤者を明確化し、本人も周りも意識して、残業を減らす効果がある。
しかし、夜勤用制服は義務でもないようで、夜勤なのに日勤用を来ている人も見かけ、病棟によって着用率が違う感じ。
さらに、夜勤用の制服は、後述の医師の服と色形が似ており、患者としては区別しづらかった。


●医師
300人以上いるようだ。
総合病院はどこもそんな感じなのだろうが、それぞれの診療科には何人もの医師が所属する。だから、主治医のほかにも、上司だったり、同じ診療科のほかの医師と接することは多い(一方で一度も接しない医師も少なくない)。夜間、休日など主治医が出勤していない時は、当番のほかの医師が対応することになるので、顔を覚えておくといい。
ほかに、検査や手術では放射線診断科や麻酔科など、対面や会話しないものも含めて、多くの医師に診てもらうことになる。
僕を直接診てくれた先生がたは、みなさん礼儀正しく丁寧だった。同室の父さんは、別の科の医師とケンカ寸前のやり取りをしていた場面もあったけれど…

大学病院ならではの特徴としては、若手の医師が多いことと、大学教員を兼ねる医師がいるということだろう。
若手医師は、かつてはタダ働き同然で過酷な労働環境だったと聞く。今の秋大がどうなのか知らないが。一般に「医局員」と呼ばれるようだが、秋大病院では「医員」という肩書き。

中堅以上の医師は、助教、講師、准教授、教授と、大学教員としての肩書きを持つ。
一般に大学教員は、学部本体所属の人と、附属施設所属の人がいて、さらに兼務する人もいるものだが、秋大病院の場合、教授は全員が医学部本体(医学系研究科)所属で病院を兼務するようだ。准教授以下は、兼務者と病院所属者がいるようだ。
僕がよくお世話になった(なっている)と思っている【12日補足・複数回診察するなどして、カルテの記載内容以上に、それなりに把握してくれているであろう】先生は、都合6人。内訳は教授1、准教授1、講師1、助教1、医員2。ちなみに男性4、女性2。
といっても、普通に入院・通院している分には、教員なのか医員なのかを意識することはないし、自分の主治医がどちらかを知らない患者も多いことだろう。病院や学部のホームページを見ない限り。ただし、教授の場合は「教授回診」があるので、入院患者には分かることになる。いずれまた。


医者の服といえば白衣だけど、秋大病院ではそうでもない。
Vネック前開き半袖(医療業界? 衣料業界? で「スクラブ」と呼ぶようだ)の、濃い青の服を来ている人が多い。これが看護師の夜勤の服と似ているのだ。
科によっても違いそうだが、医師全員が青い服ではない。冬場だったこともあるのか、その上に前開きの白衣をはおる人もいた。さらに、青いのを着ないで、かぶるタイプの白衣だったり、手術着っぽいのを着る人もいた。女性では、えんじ色のスクラブをいつも着ている人もわりといる【22日追記・男性でもいた】。各人の好みで選べるのか。【22日追記・ほかにグレーのスクラブや、ワコールのロゴの入ったのを着た医師も、少数ながら見かけた】

そんな中、大学病院のロゴマーク(?)が入った白衣を着ている人たちを時々見かける。その人たちが集団でいることも多い。
一見、いちばん医者らしい姿だが、その人たちは、まだ医師ではない実習中の医学部医学科の学生【12日追記・外来も含めて、患者同意の上、診察などに同席する場合がある。入院中は5年生の各診療科での実習時期だったようだ】。研修医もいるはずだが、どういう衣装なのかは不明。


●~師、~士など
今回の入院では、X線撮影で放射線技師、心電図で臨床検査技師にお世話になった程度。ちなみに、臨床検査技師は採血を行うこともできるそうで、外来の中央検査部では、看護師のほか臨床検査技師から採血される場合もある(入院患者は病棟の看護師が行う)。
あとは、助産師とかリハビリとか、さらに薬剤師、栄養士などもいる。
その人たちの服装もよく分からない。紺色とか茶色っぽいのとか赤紫色とか、やはりいろいろあるようで、服装では職種を判別できないのかもしれない。


●看護補助者(看護助手)
2024年1~3月に日テレで「となりのナースエイド」というドラマが放送されたそうだが、それ。
看護師資格が不要な、看護の補助的業務を行う人たちといえばいいだろうか。准看護師ではない。
秋大病院では、入院病棟(フロア)ごとに5人前後だろうか、配属されている。見た限りでは男性はおらず【22日追記・わずかながら男性もいるかも】、平均年齢は病棟の看護師よりも高い。職員間では「助手さん」と呼ぶようだ(かつて大学教員の職名で助手があった当時は、少々まぎらわしかったのでは)。
朝から夜まで出勤(2交代?)していて、消灯時間帯はいないようだ【22日追記・平日が主で、土日はごくわずかしか出勤していないかも】。身分としては非常勤が多いと思われる。

具体的には、自力で移動が難しい患者が、検査や外来病棟、売店へ行く時の付き添い、食事の配膳、採血などの検体や資材の運搬、ベッド周りの清掃(床などの掃除ではない)やごみ回収、スタッフステーションに看護師不在時のナースコール対応等々。
看護師も忙しいが、助手さんも忙しそうだった。人数としては看護師より少ないが、入院病棟内だけでなく、外来病棟近辺を行き来する姿もよく見かける。
患者としては、看護師とのような詳しい会話をする機会はなく、あいさつ程度の関わりだが、それでも年の功といえばいいのか、若手看護師ではできない気遣いをしていただいたことがあった。

服装は看護師と異なり、上がピンク色(下は白)、と入院時に説明を受けた。【22日追記・男性の看護補助者らしき人は、水色の上着】
しかし実際には、薄い緑色の上下を来た人たちもいて、一見、看護補助者と同じような業務をしている。この違いが分からない。


●病棟クラーク
実際には「事務」と呼ばれることが多い。各病棟に1人ずつ配置され、平日昼間にスタッフステーションで勤務。
外来の各診療科にいるクラークや、正面玄関の受付・会計窓口や受付にいる職員と同じ制服を着ていて、全員女性。

外来だと1回の通院で何人もの事務職員と関わるが、入院では多くない。高額療養費制度の説明、月をまたいで入院した時の翌月10日の請求書配布、診断書作成の手続きくらいか。


●掃除の人
大学や病院が雇っているのか、委託した企業所属なのか分からない。制服はあるようでないような。
入院病棟の病室内(トイレと床)や廊下は、おそらく日曜日を除く週6日、掃除をする。
フロアごとに1人が専任で配置されるが、週5日の出勤と思われ、1日はほかの病棟を担当している人が代わりで来るようだ。
ベッドの下や周りの床の掃除も行うので、カーテンの中へ入ってくる。余裕があれば、掃除しやすいように履物や荷物を片付けたり持ってたりするといいかも。

●寝具交換の人
週1回、病棟ごとに決まった曜日(の午前中?)に行う。ワタキューセイモア株式会社の従業員が、3人組くらいで来て、部屋ごとに作業する。
交換中は、ベッドから離れないといけない。部屋にいてもいいのかもしれないが、ホコリが舞いそうだから、僕はデイルームなどへ避難していた。

●レンタル用品補充の人
前回取り上げたように、病衣やタオルのレンタル契約をすれば、夏は週3回・冬は週2回、補充に来る。
こちらもワタキューセイモアの従業員だが、寝具交換とは別動で、制服も異なる【22日追記・レンタル補充スタッフは、水色ポロシャツ】。
ベッドの足元にぶら下げたバッグの中の残りを見て補充して行くので、カーテン内に入ってくる。

●食事運搬の人
病院食は、日清医療食品株式会社に委託。ワタキューセイモアの子会社で、日清食品など、ほかの日清○○とは一切関係がないとのこと。
厨房棟で調理されたものがワゴンで各病棟廊下へ運ばれ、各病室の各患者へ配膳されるわけだが、配膳は看護師や看護補助者が行うのが原則。廊下でワゴンを動かすのが、日清医療食品の従業員なので、患者は直接接しない。
ただ、人によっては、ワゴンを動かす人が配膳まですることもあった。看護師・看護補助者が足りなくて、見るに見かねてやってあげたということなのだろうか。
食事の内容についてはいずれまた。

そのほかにも、土日に入退院する時などは警備員とか、ローソンやスターバックスや理容室の店員と接することもある。
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

入院時の持ち物

2024-03-06 20:03:27 | 入院
入院シリーズ、前回は昭和の入院風景との比較。今回は、他院も含めて誰かの役に立つかもしれない、持ち物について。
※2023年末~2024年始の秋田大学医学部附属病院入院における、個人の体験談です。最新の公式な情報も確認して、各自で判断してください。

病院ホームページにも掲載されている「入院のご案内」に、持ち物がリストアップされている。実際には、有料レンタル(後述)できる物、必要になったら売店(ローソン。年中無休・夜間は閉まる)で買える物もある一方、リストに出ていないがあったほうがいい物、さらに持ちこんでいいのかどうかよく分からない物(尋ねるべきですが)もあった。
各病院のホームページを見てみたら、病院によって要不要が異なる物もあるので、以前他院に入院した時に要らなかったから…と思いこまず、必ず確認したほうが良さそう。

●案内に出ている物(すべては取り上げません)
・寝巻(パジャマ)
廊下を歩く入院患者たちをお見かけする限り、95%以上はレンタルの服を着ている【14日補足・部屋から出歩けない状態の患者も含めると、また違う割合になるかもしれない】。正式には「病衣」と呼ぶようで、考えてみればなんだかすごい名前だ。実際には、病院関係者が患者に対しては、寝巻やパジャマと呼んでいた。
病衣は、甚平タイプというようだが、上は、左右を合わせて紐で結ぶ前開き、袖は少々短めか。下はウエストゴムのズボン。生地は薄めで、水色ベースの薄いチェック柄。
ちなみに、襟などに細い線が入っていて、サイズによってその色が違う。レンタル業者や看護師は、その色だけでサイズを判別でき、替えを用意できるという仕掛け。レンタルについては後述。

薄く、首元がV字に開くレンタル病衣は、この季節は寒いと感じる患者もいた。下着や上にはおって調節。
僕は、病室内はむしろ暑いくらいで、そのまま1枚で着用。温度計付きの時計を持ちこんでいたので、それによれば26℃前後、28℃なんて時もあった。売店もある外来棟、特に正面玄関付近は外気が入って寒かった。

病衣にはポケットがなく、不満を口にする患者もいた。たしかに、部屋を離れる時に財布など入れたい。
これは、X線撮影など検査時と、洗濯時の便宜を図ったのだと思う。しょうがない。
【22日追記・病衣は袖が太く、大きく開いているので、(看護師が)点滴を付けたまま脱ぎ着させやすいというメリットもありそう。】

病衣を着ていない患者は、一般的なパジャマを中心に、トレーナーやTシャツなどを着ていた。
短期入院などでレンタルするほどでもないという人か。パジャマの人は皆さん厚手だったので、寒いからという人もいただろう。
真夏はどうなんだろう。半袖Tシャツを着る人が多いだろうか。

ところで、弘前大学医学部附属病院では「病院内の歩行時には、病衣の上にガウンまたは羽織るものを着用するようお願いいたします。」としている。真夏でもそうしないといけないのだろうか。室外浴衣禁止のホテルじゃあるまいし、病院内を病人が病人の格好で歩くのが悪いのか。
秋大ではそのような規制はありません。

・室内履き
秋田赤十字病院のホームページでは、入院患者に「かかとを覆う履物」を指定し、「スリッパ・サンダル禁止」としている。
秋大では制限なく、レンタルセットに含まれるのは「スリッパ」だし(転倒防止シューズも選べる)、売店でもサンダルを売っている。

室内履きというか、病院内はどこでも履いて歩いて構わない。正確には「院内履き」だ。
反対に、外履き・土足で病室内を歩いても、別に構わない(はず。基本的には)。廊下は外履きで歩いている人もたまにいて、運動のために歩いている人のようだった。
僕はサンダルを持参したが、やはり運動で歩きたい時は、家から履いてきたウォーキングシューズ(雪がなかったので夏用)で歩き回った。運動でなくても、病棟~売店・正面玄関付近までだと、それなりの距離になるので、安全や歩きやすさの点でもサンダル・スリッパでないほうがいいかもしれない。

・ティッシュペーパー
近年、値上がりが著しい。再生紙とか、紙箱でなくビニールに入った、手頃な価格【20日追記・サイズはちょっと小さかったりする】のボックスティッシュがほしいところ。
院内のローソンでは、病院ならではの品揃えもあるが、ティッシュに関しては市中店舗と大差ない。お高いボックスティッシュとポケットティッシュしかなかった。
裏の医学部の大学生協とか、隣のイオンスタイル広面(旧・マックスバリュ広面店)へ行けばあるのに、外出はできないので、自宅から持ってきてもらった。

・箸、スプーン
昨今で言う「カトラリー」。病院によって、提供されるところとされないところがあるのだった。
秋田日赤では提供、中通や市立秋田もたぶん提供。
秋田厚生医療センターや弘前大学病院、そして秋大病院では、各自が用意。
スプーンは、刻み食の場合は必須だと思われるが、通常食の場合、なければなくてもいいかも。ゼリーとかフルーチェがわりと出るけれど、なんとかなる。【食事については後日また】

・コップ
歯磨き用、服薬用、飲み物用(お茶について後述)。兼用か分けるかはお好みで。できれば割れない材質がいいでしょう。


●要らない物(病棟や人によっては、やっぱりあったほうがいい場合もあるかも)
弘大病院では、「必要ないもの」として、ドライヤー、ゴミ箱、刃物を明示しているが、秋大では示していない(後述の通り、電気ポットはひっそりと禁止)。
・ドライヤー
シャワーを浴びる時、看護師に「ドライヤーはお持ちじゃないですよね」と確認された上で、病棟の備品のドライヤーを貸してくれた。ということは、持ちこみたければ持ちこんでもいいのだろう。
各ベッド横の患者用コンセントは300Wまでしか使えないし、鏡もないので、シャワー室もしくは各病室の洗面台のコンセントで使用することになる。

・ごみ箱
各病棟(フロア)の廊下にごみ箱(ごみ置き場)があり、分別して各自捨てるよう、入院時に看護師から説明があった。
ところが、その後、看護助手(今ドラマをやっているらしいが)が来て、ベッド周りでごみを捨てられるようにしてくれた。2つの病棟のうち、1つでは小さなごみ箱を持ってきてくれ、もう1つではベッドの柵にビニール袋をテープで留めてくれた。どちらも毎日回収までしてくれた(けど申し訳ないので途中から自分で捨てに行った)。

日赤ではゴミ箱又はゴミ袋を各自用意するよう求めている。

・イヤホン
備え付けのテレビ(有料)、あるいは持ちこんでラジオを聴く時は、音が出ないように求められている。こだわりがなければ、イヤホンは用意しなくていい。各ベッドごとに、イヤホンが付いているので。3メートルもコードがある「いつものテレビイヤホン」というやつで、キャンドゥで売っているようだ。テレビはステレオ対応だが、このイヤホンはモノラルなので、それで良ければ。
なお、後述のようにBluetoothイヤホンを使う時は、医療機器に影響を与えないか、念のため確認したほうが良いと思う。

・印鑑
弘大では持ってこさせているが、秋大では使わなかった。


●あったほうがいい物、持っていって良かった物、ほんとは持ちこんでいいか確認したほうが良さそうな物
・最低限の現金【25日追記】+院内ATMで出金可能な金融機関のキャッシュカード
言うまでもなく。僕はキャッシュレス派を貫いたため、使ったのは限定的だった。
現金でないといけないのは、
1.テレビ・冷蔵庫用のプリペイドカード販売機。千円札限定。
2.コインランドリー(洗濯機、乾燥機)。100円玉限定。【13日補足・全自動洗濯機は200円/回で洗剤は各自用意、乾燥機は100円/50分。】
3.飲料自動販売機。各病棟の自販機(サントリー)は現金のみ。外来棟へ行けば各社自販機があるが、キャッシュレス対応は1階に1台【7日補足・各種電子マネー利用可。大塚、アサヒ、伊藤園を中心とした商品を扱う機械】しかなさそう。
4.公衆電話/テレホンカード自動販売機
販売機は、玄関側から見て1階のローソンの先、第1病棟方面と第2病棟方面の分岐付近にあり、千円札で105度数カードが買える。ローソンでも扱っているかも。
未確認なのは、1階にある理容室(病棟看護師を通す予約制)と、平日に外来棟1階にやって来るヤクルトレディ(全国的にはコード決済対応が始まっているらしい)。

ATMは、玄関に秋田銀行と北都銀行(いずれも土曜は稼働、日祝は休止)、売店内にローソン銀行。以前はゆうちょ銀行もあったらしい。【11日追記・秋田銀行2台、北都銀行1台。1台分が空いていて、そこにゆうちょは2023年1月末で廃止された旨、掲示があった。】
ちなみに、入院費の支払いはクレジットカード決済可。退院時に全額を払ってから退院することになっている。

・売店(ローソン)で使えるキャッシュレス決済手段
・ローソンで使えるポイントカードまたはアプリ
少しでも得に使わないと。16時以降は200円に付き2ポイント付く。
スターバックスコーヒーを使う人も、同様に。

※電気製品について
各ベッドに、引き出し、クローゼット、テレビ、冷蔵庫が一体化した、木目調の「床頭台(しょうとうだい)」が備えられていて、コンセント2口も付いている。
以前はテレビ・冷蔵庫と同様に有料だったらしいが、今は自由に使える。300Wまでというラベルが控えめに貼ってあった。壁のコンセントは使用禁止(床頭台もそこにつながっているのだけど)。
したがって、300Wを越えず、音などが迷惑にならず、治療行為や医療機器への影響がなければ、常識の範囲で持ちこんでいいのだろう。紛失や盗難のおそれもあるので、自己責任で。

国立病院機構 弘前総合医療センターでは「院内のコンセントは使用禁止」「携帯電話の充電は、乾電池式充電器などを購入願います。」「電気製品の使用については、看護師にご相談ください。」としていて、厳しい。

・スマートフォン
暇つぶしと連絡手段として必需品。懐中電灯にもなる。充電器を忘れずに。
「病室内で携帯電話のご使用は、他の患者さんのご迷惑になりますのでご遠慮ください。」といった記述が見られるが、これは「通話」を指している。医師や看護師の前でも、みんなスマホを操作し、何も言われなかった(ちなみに眼科外来では検査や診察に影響が出るため、待っている間にスマホを使わないようにという掲示があった)。【20日追記・入院時にスマホの充電器も忘れないでくださいと忠告してくれた看護師がいたので、使用は認められていることになる。】
ソフトバンク系では5Gより4Gの電波を拾うことが多かった。

「無料Wi-Fiは、売店、コーヒーショップ、院内レストランで接続が可能です。」とある。
売店、コーヒーショップとは、ローソン、スターバックスコーヒーのそれぞれのWi-Fi。どちらもそばにベンチがあるが、本来は外来患者待合用。平日昼間【8日補足・主に朝から午後早く】はジャマになってしまいそうだが、それ以外の時間なら座っても問題ないでしょう。
僕はローソンのWi-Fiにお世話になった。お仲間もちらほらいたけど多くなかった。存在を知らないのか、あるいは今は大容量プランがあり、Wi-Fiを頼りにする人は減っているのか。
「外来・病棟では原則として、Wi-Fi設備はございません。」とも。原則でないのは、個室。申請すればWi-Fiが使えるらしい。

弘前大学病院では、今年から全病棟でWi-Fiが提供されている。

(参考)パソコン、タブレット
「テレビ・パソコンのご使用は午前6時~午後9時までです。」とあるので、パソコンは使っていいことになる。スマホとパソコンが良くて、タブレットはダメということもないでしょう。
床頭台には鍵付きの引き出しがあるが、サイズからしてノートパソコンは収まらない。タブレットもどうか。管理には注意。

・スマホ用キーボード
スマホでの文字入力は苦手な者にとってはストレス。Bluetooth接続のキーボードを用意してみたところ、とても便利。
日本語版ではないものの、日本の電波法に基づく「技適マーク」認証を得た商品(日本語環境では、刻印と実際の入力が異なる記号があるなど多少難あり)を、1000円程度で購入できた。もっと安いのもあるが、技適マークがないものが多いようで、使うと法律違反の可能性あり。

今にして思えば、認証を受けているといっても、病院の了解を得て使うべきだったかもしれない。医療機器への影響がないとは言えなさそうなので。イヤホンなど他のBluetooth機器も同様。

・スマホのパソコンとの同期
インターネットブラウザのブックマークや履歴、パスワードの記憶(セキュリティ上は良くないけれど)を共通化していたので、入院で環境が変わっても、容易にいつものホームページにアクセスすることができた。
ワープロなどのファイルを、クラウドに上げておいても便利。

・小さい袋(手提げや巾着など)
上記の通り、病衣にポケットがないので、院内移動時の物入れとして。マイバックとしても。

・洗濯バサミまたは目玉クリップやダブルクリップ
薬袋をまとめたり、食べかけのお菓子の袋を閉じたり、書類をまとめたり、かなり役立った。
・クリアケース、クリアホルダー、大きい封筒
けっこう書類が溜まるので、整理しておくと分かりやすい。

・ボールペン
日赤では持ってこさせている。
各種書類に署名する場面は必ずある。また、毎日の体温などを記録させられる【25日追記・通常食(=成分の制限や刻み食でない食事)では一部メニューが選択制になっていて、その回答用紙記入にも使う】。貸してくれるが、手元にいつもあったほうがいい。
・ノート
記録しておいたほうがいいこと、思いついて忘れてはいけないことなど。バラける紙よりもノートのほうが便利。

・爪切り
刃物禁止の病院ではどうなのか。
病棟で貸してくれそうだが、使い慣れたものがあったほうがいいかも。

・手元に置く鏡
・爪楊枝
・綿棒

・ヒゲソリ
刃物持ちこみを禁ずる病院では、安全カミソリもダメということになるだろう。禁じていない日赤では「電気シェーバーを使用するようお願いします」としている。
秋大ではあいまいだが、自分でそれない状態の患者に対して、看護師がそろうとした際、その患者がカミソリしか持っていなかったようで、おっかなびっくりする場面に遭遇した(結局どうしたか不明)。
ということは、カミソリを持ちこんで、患者自身がそる分には問題ないのかもしれない。蒸しタオルはどうするのか知らないけれど。
電気シェーバーは充電器を忘れずに。

・ハンドクリーム
院内は乾燥しているようで、手が荒れた。症状や薬との相性もあるだろうから、人によっては要確認。

・目覚まし時計など置き時計
病室に時計はないから時間の経過が分からなくなる。スマホよりも、ぱっと見て時間が分かる時計があったほうがいい。
鉄筋コンクリート造だけに、電波時計の電波が届かない場所が多い。

・粉末のお茶
持ち物のページには記載がないが、食事のところに「患者さんの安全管理上の観点から給湯器は設置しておらず、電気ポットの持ち込みも禁止しております。また、お茶の提供も行っておりません。」とある。したがって、飲み物は、差し入れてもらうか、売店か自動販売機で買うか、水道水かということになる。
日赤では、給茶機で自由に飲めるそうで、病院によってずいぶん違うと感じさせる1つ。

病院内で手に入るいちばん安いお茶が、ローソンの108円/600mlと185円/2L。飲み残すと冷蔵庫代もかかるから安くない。
ネット通販で、1杯分ずつ個包装された静岡産粉末茶が安く手に入った。飲み残しを気にせず、起きて1杯、食後に1杯とおいしいお茶を楽しめた。
温かいお茶がほしければ、洗面台からそこそこのお湯が出ることは出る。

ローソンでも置いてほしいところだが、お~いお茶のティーバッグしか置いてなかった。というか、入院患者はティーバッグを買っても水出しするしかないのでは。病院職員や外来者向けなのか。
※このローソンでは(カップ麺用の)お湯の提供はやっていない。

・お菓子
ローソンでは売っていないものが、無性に食べたくなることもある。ブルボン「アルフォート」とか、たけやの葬式まんじゅうとか。治療への影響がなければ、お好みで。

【13日項目追加】・洗濯用洗剤
上記の通り、各病棟(フロア)ごとにコインランドリーがあるが、洗剤は別途用意。院内では売店で買うしかない。スーパー等で買うか、自宅の買い置きを持ってきたほうが安く上がりそう。
(以上追記)


●レンタル
たいていの総合病院で、希望する入院患者は病衣や日用品をレンタルでき、特定の1社を指定して契約させている。
秋大では、大手のワタキューセイモア株式会社。寝具の交換(入院費に含まれ費用は取られない。週1回交換)も同社が手がけ、さらに給食も系列企業が担当している【食事については後日また】。

レンタル料金は、入院日・退院日も含む日額。月末締めで翌月10日頃に、振込用紙が契約者(入院患者本人でなくてもよい)宛に郵送される。2週間以内に振り込むようにと書かれているが、一方で納付期限日はさらに翌月末の日付が印字されている。
この振込用紙は、よくある赤枠の紙だけど、金融機関(郵便局も銀行も)では扱えない、コンビニ専用というちょっと変わったもの。
ファミリーマートのポイント兼コード決済アプリ「ファミペイ」では、店に行かなくてもアプリで読み取って支払いできる機能があるが、それも非対応だった。店舗に紙を持っていって、ファミペイ残高から支払うことは可能で、10円分のボーナスポイントも付いた。

レンタルはおむつは別として、3つのプランがあり、レンタル(または使い切り・使い捨て用品の使い放題の提供)できるアイテムが異なる。3区分しかないので、特定の1品だけ借りたいということはできない。
Cプランでは病衣、タオル、バスタオル。Bプランでは加えて石鹸類、割り箸、BOXティッシュ等が、Aプランではさらに歯ブラシ、ヘアブラシ、履物、入れ歯用品等が提供される。
税込み日額は、Cプラン319円、Bプラン374円、Aプラン473円。
病衣だけのレンタルはない。ケチな僕はもちろんC。年配の男性患者はBを契約している人が多そうだった。

サブスクの1種とも受け取れる。毎日、新しいタオルが使えるのはぜいたく。病衣も…と言いたいところだが、そうではなかった。
病衣が黙っていても支給されるのは、冬場は週2回・夏場は週3回、上下1セット【7日補足・脱いだ病衣は、廊下の回収箱に入れればよいので、着替えは好きなタイミングでできる】【22日補足・タオルは日数分、バスタオルは2枚支給されるはず】。申し出れば、それ以外にももらえるのだが、毎日くださいとは言いにくい。
契約者には、手提げバッグが与えられ、それを各ベッドにぶら下げておく。病室入口の名札には、契約を識別できるシールが貼られている。病棟ごとに決まった曜日に、ワタキューの人がやってきて、病衣1セットと、次の回までの日数分のタオルを、バッグに補充していく仕組み。
補充日以外にほしい時は、病棟の看護師に申し出る。補充日当日でも、シャワー後に「新しいの持ってきますか?」と尋ねてくれたこともあったので、遠慮しなくてもいいのだろうけど。
その他のA、Bセット分も、看護師に申し出るとくれる。割り箸は毎食ごとでなく、まとめて渡される模様。

【7日追記・この記事では、比較のために秋田赤十字病院の状況をいくつか挙げさせてもらった。歴史ある全国組織のためか、持ち物についても、その説明についても、患者の立場を考えていて丁寧に感じられた。前回の通り、昭和末にうちのじいさんが日赤に入院したのだが、その当時はどうだったろう。記憶にない。】【8日追記・八戸赤十字病院では、はしを持ってこさせているように、全国一律でもないようだ。】
以上持ち物について。次はお世話になる人たちについて
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昭和の入院・令和の入院

2024-03-03 20:54:45 | 入院
入院の話。今回から可能な範囲で具体的に。とりとめもなく書き綴り、思いついたら追記していくことになるでしょう。
入院先は、秋田大学医学部附属病院。初入院が大学病院になるとは。
以前から外来に通っていたのではなく、市中のクリニックを受診してからの紹介。ちなみに、紹介状なしで直接大学病院を受診すると、割増料金を取られる。
※以下・次回以降の内容は、2023年末~2024年始時点で個人が把握したり感じたりしたものです。詳細や正確な内容は、公式な情報で確認してください。
※大学病院に対してネガティブに受け取れる記述があるかもしれませんが、それは批判する意図ではないことを申し添えます。
※院内は写真撮影禁止なので、写真はありません。

検査の結果等を踏まえて、入院期間の途中で、所属する診療科が変わった(「転科」と呼ぶのかな)。それに伴い、病棟(階)も移動した(「転棟―てんとう―」と呼ぶようだ)。
最初の診療科にも引き続きお世話になり、退院後も2つの科をかけ持ちで受診している。どちらの科でも、基本的にいつも同じ医師が診てくれるが、「主治医」と呼ぶのはメインで所属する科の医師だけらしい。サブの科の先生は何と呼べばいいのか分からないが、担当医といったところか。


初めての病室暮らし。個室に入る余裕などない(あってもケチだから入らないだろうけど)ので大部屋。
前回触れたように、記憶付けられて印象にある「病室」は、小学校5年生・1987(昭和62)年のクリスマスイブにじいさんが入院した、旧・秋田赤十字病院。1968年築だったようで、当時としても古い病院に見えたものだった【3日追記・でも大学病院の古いほうの病棟や、移転後の日赤病院は2024年時点で築20年以上経っているのに古くは感じない。リニューアルしたことや建築技術の発達のおかげだろう】。記憶にあることは、
・大部屋は6人部屋。トイレは廊下。
・昼間は、基本的にベッド間のカーテンが開け放たれていた(症状悪化とか裸になる処置をする時などだけ閉める)。6人が常に顔を合わせて何をしているのかが分かる状態であった。
・見舞い客の面会は時間帯が定められていたものの形骸化。昼間ならノーチェックでベッドサイドまで出入り自由。
・テレビを見たければ、各自持ちこみ(病院経由でレンタルもあったかもしれないが不明)。【4日補足・壁にアンテナ端子がなく「室内アンテナ(懐かしい言葉。地デジ用も現存するようだが、昔のとは形が違う)」も持ちこんでいたかな。】
・完全看護につき付き添いは不要という建前であったが、家族が常時付き添うことは黙認なのかそれなりに行われ、夜はベッド脇の床で寝ていた。うちのばあさんも最初のうちは泊まりこんでいて、同室の患者の付き添いどうしで仲良くなっていた。
・ナースは「看護婦」で(知る限り)全員女性。白衣はスカート。ナースキャップもかぶっていたか? 勤務は8時、17時、0時で交代する3交代制(日勤、準夜勤、夜勤)。

病院による違いもあったとは思うが、おおむね当時はそれが普通だったのだろう。
その後、2000年代に別の身内が別の総合病院に入院した時は、カーテンは常時閉めておくようになっていた。現在の日赤では、ホームページで「ベッド周囲のカーテンの開閉は、患者さんの裁量でお願いします。」としている。

近年では、新型コロナウイルスなど感染症対策のため、面会はかなり厳しく制限されていると聞いていた。
ほかにも、病棟の建て替えでプライバシーを重視した構造の病室になった(1998年に移転した秋田日赤は、ベッド配置が扇形の4人部屋)とか、「患者中心の医療」で「患者さま」と呼ぶ病院があるとか、電子カルテなどICT化、個人情報保護、働き方改革等々により、平成を越えた入院病棟の風景も様変わりしているのだろうと思っていた。

たしかに変化も多かったが、一方で昔ながらのまま点もけっこうあった。以下の通り。
※秋大病院は建設時期が違う病棟が2棟あり、さらにフロアによる多少の違いもあるかもしれません。
・大部屋は4人部屋。各室ごとにトイレ(車椅子対応、洋式便器、ウォシュレット・音姫付き【4日追記・便座消毒液ディスペンサーも】【8日追記・暖房便座も】)と洗面台付き。廊下にもトイレがあるが、コロナ対策のため一部は職員専用として運用。
ベッド配置は日赤のような扇形などでなく、一般的なもの。昔の日赤の廊下側2つのベッドの代わりに、トイレと洗面台がある作り。
6人部屋だと、両隣に他の患者がいるベッドが2床存在するが、4人部屋だと全員が片側は壁(窓)ということになり、心理的負担は軽減されると思う。室内にトイレがあるのは便利だが、就寝中にドア開閉や水音で目が覚めることはあった。

各ベッドは、パラマウント製の電動ベッド。パイプベッドではないのが豪華に感じた。サイズは一般的なものだし、寝てしまえばどうってことないけれど。ちなみに、秋田日赤のホームページでは、個室のみ電動ベッドとされている。

・面会はコロナ対策で、時間帯以外にも規制あり。
原則として、親、子、きょうだい、配偶者に限り、1患者に付き1週間に1回、15分間。1階の窓口または守衛室で手続きして、許可証シールを服に貼って病棟へ。デイルームかエレベーター前で面会し、病室内へは立ち入り不可(動けない患者は、ベッドごとエレベーター前まで運んで面会させることもあったようだ)。なお、看護師を介した荷物の受け渡しは、回数制限なく可能。
ただ、特に外来患者でごったがえす平日は、1階は実質出入り自由であることを利用した“ヤミ面会”が、一部で横行していたようだ。病院側も把握していて、やめましょうという掲示が出ていたが、目立たず枚数が少ない。
ちなみに、他の総合病院の面会規制状況(オンライン面会をしているところもあるがここでは触れない。また親族以外の面会も認める病院もある)。秋田日赤は大学病院と似た感じで、病棟を分けた曜日指定あり。
市立秋田と中通総合は、事前予約制。ただ、市立は患者1人に付き1日1回とむしろ緩い。中通は1病棟当たり1日5組までの狭き門。僕の入院中に、別の親族が中通へ入院していたのだが、実際、面会するのに苦労した。さらに、秋田厚生医療センターは1月9日以降、全面禁止中。
弘前大学医学部附属病院は、2月から面会方法が変わって、面会申込書を提出すれば、3名・15分以外の制限がないので、緩和されたということか。
いずにれしても、病人の立場からすれば、面会に来る人には感染予防に配慮していただきたい。

・各ベッドごとにテレビ(地上デジタルとBS無料放送を受信)と冷蔵庫。いずれも有料。【後日また】

・ナースはもちろん「看護師」。制服は動きやすい上着にズボン、帽子なし。男性も珍しくない。2交代制で日勤が8:15~17:00、夜勤が16:15~翌9:15。【後日また】
【3日追記・各病棟の看護師がいる部屋は「ナースステーション」と称するのが、今も一般的だと思うし、昭和の日赤でもそうだったはず。現在の秋大では「スタッフステーション」が正式名称。看護師だけでなく医師もいることが多いように見受けられたので、その名なのかもしれない。だけど、看護師の会話のほとんどや一部の掲示では「ナースステーション」が使われていた。】

ほかには、ナースコールがちょっと進化。
昭和の日赤では、押しボタンが1つで、押すと天井のスピーカー/マイクで通話ができた。
令和の秋大では、ケアコム製だったか、壁掛けで外して手で持てるテレビのリモコンサイズの「ハンド形子機」と、昔と同じく手元に置いておく「握り押ボタン」の2つを配置。どちらも「呼出」ボタンのほか「点滴」と「WC」のボタンもあり、消灯時にはかすかに光る(ハンド形の呼び出し音は鳴らなくなる)。
受信側では、スタッフステーション(ナースステーション)だけでなく、当日担当の看護師が携帯するPHSに着信して通話することも可能。
ハンド形子機で双方向通話ができるようだが、同室の他の患者も含めて、コール時に患者側が話す場面には遭遇しなかった。コールすると会話なし、または「伺います。お待ちください」などと一方的に話すかして、駆けつけてくれた。話を聞くより、患者を直接見て対応するという方針なのかもしれない。

あとは、入院時にICチップ・バーコード付きのリストバンドを左腕に取り付けられる。入浴時などでも取り外すことはできない。取り違え防止のため、採血時などにリストバンドを読み取られ、あわせて氏名と生年月日を言わされる。


「患者様」について。
秋大では、ホームページや印刷物なども含め「患者さん」で統一。ホームページのごく一部に「患者様」がまぎれているけれど。
日赤、厚生医療センター、弘大も「患者さん」、市立、中通は「患者様」。
【3日追記・2022年に弘前市立病院を実質吸収合併した、国立病院機構弘前総合医療センターのホームページでは、「患者さん」232件、「患者様」382件、「患者さま」102件と混在。】
患者の名を呼ぶ時も「○○様」とする病院があるらしいが、秋大では接した限り、医師、看護師その他すべて「さん」で呼ばれた。部屋の表示、書類、薬袋などは「様」表記。

廊下の各病室のドア横に、その部屋にいる患者の氏名の表示をやめた病院もあると聞き、それはプライバシー保護の点ではそういう時代なんだろうなと思っていた。
秋大は表示している。昔は手書きだったのが、パソコンやラベルライター印字になって。他の診療科の医師が診察に来たり、給食の配膳をしたりする時には、どこに誰がいるのか容易に分かり、間違いを防ぐ意味で役に立つのではないだろうか。あと、ナースコールを押した時、名札の横のLEDが光るので、廊下を通りかかった看護師が直ちに対応できるという利点もあるようだ。

ベッドサイドの壁の表示(主治医、担当看護師名も)もあるが、カーテンを閉めているわけで、あまり意味がない。ただ、現在は、電子化してさまざまな情報を表示できる名札もあるそうだが、未導入だった。
日赤は「プライバシー保護のため病室にお名前を表示しておりません。希望する場合はお申し出ください。」とある(廊下なのかベッドサイドなのか不明)。希望する場合というのは、自分の病室が分からなくなる人とかかな。僕も1度、ほかの病室に入りかけたことがありました(名札があるのに)。

プライバシーといえば、大部屋では、同室の患者の医師や看護師との会話が筒抜け。どういう病気で入院しているのか分かってしまう。
僕の場合は、最初のほうで説明してくれた先生が「場所変えますか?」と聞いてくださったので、別にいいですと答えた。
他の患者たちもそうだったのかもしれない。そして、病人どうしお互いさまで、聞いて聞かぬふりをしてくれたのだと思うし、僕もそうした。けど、気にする人は気にするだろう。個室に入りたくても、空きがない、費用がないで入れない人もいるし。【3日補足・家族同席の説明や、重要な告知は、カルテに接続できるパソコンを備えた専用の別室で行うのだと思われる。】
カーテンが閉まっていて、同室でも顔を合わせる機会は少ない人どうしでも、ある種の連帯感はあったかと思う。

持ち物について続く
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

入院していました

2024-02-26 19:47:53 | 入院
ブログ更新を休止している間(の一部期間)、病気で入院していました。
病状の詳細は記しませんが、全快ではないもののとりあえず退院でき、ブログ更新を始めそれなりの日常生活を再び送ることができるようになりました。

2022年以降、定期健康診断で要受診項目が複数でき(今回の入院とは無関係)、およそ15年ぶりに医者にかかるようになり年齢を実感していた矢先。入院も総合病院にかかるのも生まれて初めて。処方薬を飲むのはおよそ15年ぶり。
入院病棟にじっくりと足を踏み入れるのも、実質、1987(昭和62)年末にじいさんが入院(エリアなかいちの場所にあった、移転前の日赤)して以来。平成を飛び越えて、医学の進歩、ICT化などで時代が変わったと感じることもあれば、意外に前時代的なことをやっているんだと思ったことも。詳細はいずれ。

総括すれば、漠然と思い描いていた入院生活と比べて、ずっと快適だった。これは、激しい痛みや苦しい治療がなく、身動きできないとか食べ物が制限されることがなく、もともと酒もタバコもやらない者だったことが幸いしたこともあるし、病室でスマートフォン、インターネット、テレビが使えたおかげもある。詳細はいずれ。

話には聞いていた医療従事者のご苦労を垣間見ることができ、感謝するとともに、普通の体で普通の生活ができることのありがたみが身にしみて分かるなど、いろいろと貴重な経験ができました。
自分自身の記録と、入院案内には載っていない情報などが誰かの役に立つかもしれないので、「入院」カテゴリーを新設し、他カテゴリーと並行して少しずつ記事をアップしていくことにします。続きはこちら
コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする