鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

市内の戦没者慰霊祭に参加して

2023年09月28日 | 議会活動
令和5年9月28日(木)

 富士市元吉原地区の戦没者慰霊祭に来賓として招かれ参加させていただきました。国や県、市などが主催する戦没者慰霊祭は8月15日に開催されていますが、市内各地にある慰霊施設では、春と秋の彼岸の時期に戦没者慰霊祭が開催され、参加人数が限られていることから関係者との懇談なども可能でした。今年は戦後78年が経ち年々高齢化し減少する遺族会の状況は、この集まりの縮小化に拍車がかかっていることを実感させます。




(慰霊祭の様子)

 主催者の説明によると、この地域では戦没者が224柱、現在その遺族会員数は13名ということでした。今回の慰霊祭には8人が参加され、少し高台にある慰霊碑までは体調の関係から、中には階段に上がる手前で参加する方もいて、大切な家族や身内を亡くされたことに、身体が動くうちは参加したいという気持ちが伝わってきます。

 今、ロシアによるウクライナ侵攻を始め世界中で戦争や紛争が続いており、多くの市民が犠牲になっています。今年広島で開かれたG7においても、G7首脳全員が平和公園での慰霊の献花に臨むなど、また平和資料記念館を訪れ、初めて目にする原爆の悲惨さを実感するなど、平和に対する関心も高まりました。

 遺族会の皆さんは、実体験として戦争の悲惨さとその痛みを心に刻んできました。いわば、その体験を語り部として後世に語り継いでいくことができる生き証人でもありますが、長い時間を経てその限界も感じるようになっていることから、遺族会の継続のためにも世代交代が必要となり、少しずつではありますが前に進んでいる地域もあるようです。
 しかし、現実にはその歩は鈍く、このまま消えて行くことに大きな懸念を抱いています。この状況下において、各地にある慰霊施設を市内のどこかに一体化させて、後世に残していきたいという動きもあるようで、そのための行政の理解と支援を求めているという声を聴きました。この思いには賛同し、何か支援ができないか考えていかねばなりません。

 明るい話題もあるようです。元吉原地区では、地元の人が講師になって、地元の小学生を対象とした平和学習が昨年から始まったと聞いています。遺族会とは直接関係していないようですが、地域全体で平和を考える機会が増えることは素晴らしいことで、遺族会の衰退をこのような形で補っていくこともあり得ることと受け止めています。

 かつて、先人達が経験した戦争の悲惨さと平和の尊さを語り継ぎ、住民が平和な世界について考える機会を継続していくことが、犠牲となった方々への慰霊となることを信じて止みません。
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