鈴木すみよしブログ

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令和5年度南海トラフ地震に関する県民意識調査結果

2024年03月14日 | 議会活動
令和6年3月14日(木) 

 静岡県の「令和5年度南海トラフ地震に関する県民意識調査結果」が公表されました。
 この意識調査は、県民の大規模地震に対する防災意識や防災対策の実施状況、経年変化等を把握するため、毎年11月から1月にかけて、県民意識調査を実施しており、今回で23回目となりました。
 今年度は、調査期間中の元日に能登半島地震が発生し、その前後で県民の防災に対する意識が高揚したことが明らかとなったことから、この機を捉え、来年度以降、積極的に防災啓発事業を実施し、意識の高揚を維持させていくとしています。

 主な調査結果を見ると、「南海トラフ地震に関する関心について」では、「非常に関心がある」は、令和3年度63.0%、令和4年度64.1%、令和5年度は「能登半島地震前」は62.2%、地震後は81.7%となっています。

 「津波に対する行動について」では、前提条件として「突然、震度6以上の地震が起きた場合、どのような行動を取るか」について、「揺れを感じたら直ちに近所の高台や津波避難ビル、津波避難タワー、命山などに避難」は、令和3年度52.1%、令和4年度42.5%、令和5年度(能登半島地震前)46.8%、令和5年度(地震後)52.8%で、その他の設定条件を含め早期避難意識は、能登半島地震前の3年間が81%台だったのに対し、地震後は86.9%に上昇していました。

 「南海トラフ地震臨時情報の認知度」については、「知っている」について令和3年度26.4%、令和4年度24.4%、令和5年度(能登半島地震前)32.2%、令和5年度(地震後)37.0%となっています。

 「防災訓練・自主防災組織について」では、自主防災組織活動参加状況は、令和3年度38.8%、令和4年度47.0%、令和5年度(能登半島地震前)49.5%、令和5年度(地震後)59.3%となっています。

 調査結果を踏まえた県の分析に依れば、
  • 全体的に昨年度に比べ関心が高まる結果となったが、これは、元日に発生した能登半島地震の影響が大きく、災害を自分事として意識した結果と思われる。
  • 11月下旬から1月末までの調査期間のうち、地震発生前後で分けて回答を比較したところ、地震発生後の方が、全項目で関心や対策が高くなっていた。地震に対する心配事では、「地割れ、陥没」「火災の発生」「液状化現象」といった能登半島地震で被害があった事象が大きく増えるとともに、実施している防災対策として、「防災について家族で話し合っている」「防災アプリをダウンロードしている」などが増えた。
  • 南海トラフ地震に関する関心は、「非常に関心がある」が、昨年度の64.1%から地震発生前では62.2%と横ばいであったが、地震発生後は81.7%と、地震発生前と比較しても急上昇した。
  • 津波に対する行動については、「揺れを感じたら直ちに」「津波警報の発表を見聞きしてから」「周りの人が避難している姿を見て」避難の合計は、昨年度の81.5%から地震発生前では81.8%と横ばいであったが、地震発生後では86.9%まで上昇した。
  • 家庭内備蓄については、昨年度と比べて地震発生前ではほぼ横ばいであったが地震発生前より上昇し、さらに、内訳も目標とする7日分の割合が増えた。
  • 自主防災組織活動参加状況についても、コロナ禍の昨年度に比べて、地震発生前、発生後ともに上昇した。

 今後の取組では、
  • コロナ禍で地域防災力の低下が懸念されている中で、能登半島地震は防災への関心を高めるきっかけとなっている。
  • 自助の基本となる「わたしの避難計画」の作成のほか、防災訓練など自主防災組織の活動への参加意識が高まるよう、市町と連携して取組を強化していく。
  • 実災害により一時的に防災意識が高揚する一方で、関心を持続させるためには防災啓発を継続する必要があり、来年度からのサテライト地震防災センター事業などにより、地域に根ざした防災知識の普及活動を行っていく。

 県議会2月定例会では、本県が被災地に対応した支援状況が報告されていますが、能登半島地震を受けて本県の防災対策、特に南海トラフ地震に対しては、その教訓をどう生かすか、今回の県民の意識調査結果に基づき、県議会としても検証し、その結果を対策に活かすよう取り組んでいかねばなりません。
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