天気が良い朝は家から白山がすっきり見える。今日は特別予定もない。
朝起きて鏡に向かって日焼け止めを塗っていた。もう、すでに気持ちは山行きなのだ。再び長靴登山。
ザックに熱い紅茶とバナナを入れて出かけた。道の雪はもうない。しかし、万が一のために便利軒にはメールをしておいた。いつでもスタンバっているとの返事。
登山口の駐車場はすでに満車で第二駐車場に停めた。そこで長靴に履き替えていると、年配の女性が第一駐車場はどうかと聞いてきたので、いっぱいで戻ってきたのだと答える。友達を待っている間、登山の準備をしているわたしに少しアドバイスしてくれた。もう何回も登っている様子。白山は年に3回くらいは登るという。わたしはお先にと言って登り始める。
10時27分西ノ谷登山口出発。舟見平10時57分到着。下山する人と3人すれ違う。挨拶しながら、雪道を譲り合う。
舟見平では少し汗ばんだので服を一枚脱いだ。快晴だ。絶好の日よりだと思うのはわたしだけではないのである。紅茶を飲んでいたら、先ほどのおばちゃんが「あーら追いついたね。」と、言ってきた。行者岩から登ると言っていたが、西ノ谷に変更したとのこと。
いよいよ頂上を目指す。西ノ谷コースは初心者向けで、道迷いもなく頂上へ行けることが分かったが、雪道なので油断はできない。
足を踏み外さないように。ロープとストックを使って黙々と登ること1時間ちょい。雪道って疲れるー。足が短いことを自覚させられるー。
ついに登頂。11時30分。さきのおばちゃんも到着。山仲間の知り合いのおじさんと方位板のところでおやつの物々交換をしていて、そこで紅茶を飲んでいるわたしにもお裾分けがきて、いろいろ話しているうちに山のベテラン仲間であることや、後で登ってきた人も仲間らしく、声をかけてきた。地元の人は顔見知りになるのだろうと思う。
紅茶のお供に干し柿を頂いた。干し柿のおっちゃんは年に80回以上は登っているそうだ。
頂上の人口密度は最大になった。昼食のためシートを広げる人たちでいっぱいになる。
何と言っても晴れた日のご褒美は、頂上からのこの白山である。
ベテランおばちゃんたちは、行者岩の方から下りるという。中ノ谷下山道をのぞいて「ここから下りれますか?」と、聞いたらおばちゃんたちは、「Hさんなら上手におろしてくれるよ。行ってみたら?急やけど。」と、言うので「お願いします。」と、言うことになって、ストックをザックにかたずけて、急斜面をロープや木の枝につたって下りた。雪もあるので、一歩一歩ゆっくり注意事項を聞きながら、また、登山道の整備や県体に出た話を聞きながら下りたら道中あっという間だった。
きっと、ひとりだとビビるだろう道だった。後で地図を確かめたら「中ノ谷散策路」と、「西ノ谷コース」の中間の急なコースだったことが分かった。
何はともあれ、プチ遭難や雪道にはまったりして、ついに登頂成功。娘にメールしたら「何でこの時期?」と、言われたが、山はこの時期汗もかかず、熱い日差しもなく丁度よいのだ。そして、白山がすっきり見えるのは冬に限ると思う。人気の鞍掛山であると思う。
下山後、便利軒に無事の報告をしたら「今度、案内してください。」と、言うので「まだ、修行の身の上であることと、山ははまるから怖い。人も車もはまります。」と、返事した。人も車もはまるのは重症である。