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「クライマーズ・ハイ」前編感想

2006年10月01日 | ★人生色々な映画
「登山中に興奮状態が極限にまで達し、
恐怖感が麻痺すること」

その言葉と物語はどういう風にリンクしていくのだろうか。
早くも後編が見たくてたまらない。

1985年8月12日。
地方新聞社の遊軍記者悠木(佐藤浩市)は
友人の安西(赤井英和)と登山に向かうはずだった。
退社直前、大きな事件の一報が入ってくる。

日航ジャンボがレーダーから消えた!?
同時に安西がくも膜下で病院に運ばれたことも知らされる。

時間を何時何分・・・と表示することによって
ドキュメンタリーを見るように画面に釘付けにされてしまう。
管轄地域で大きな事件が起こった場合の現場の混乱が
臨場感たっぷりに描かれる。

特に上司(岸辺一徳)との
やりとりは喧嘩そのもので息が詰るほど。

杉浦直樹の傲慢なワンマン社長、
他にも一癖ある同僚たちが生き生きと登場し、
まるで戦場のようだ。

原作に忠実といわれる脚本は
社内での微妙なかけひき、上司との軋轢、命がけのスクープ、
締め切り間際の混乱、地方新聞記者としての誇りや
中央へのライバル意識までも
細やかに書き込み、
一分一秒を争う現場を浮き彫りにする。

御巣鷹山の映像は当時のものを使っており
未曾有の惨劇の恐ろしい記憶がまざまざと蘇った。

物語は単線ではない。

謎の女の電話は一体何か?
また、主人公とその友人の、
父親としての苦悩
身につまされる人も多いのではないでしょうか。

この場面で人間臭い
弱気な佐藤浩市を見たのは新鮮だった!
いつもは
”強気ふてぶて強気ナマイキ”な役が多いじゃないですか。

山に登る」とはいったい
どういうことなのだろうか?

岸辺一徳と佐藤浩市が焼肉屋で鉢合わせし
やりあっている場面で
修羅場だろうがなんだろうが、
しら~っと女給が
タン塩でえ~す
と肉を差し出してくるなど妙に可笑しくて
演出が行き届いているなと感じた。

こんな大人のドラマがもっと見たい!!

ドラマ特選コーナーに入れました。

【原作】横山秀夫
【脚本】大森寿美男
【音楽】大友良英
【演出】 清水一彦(前編担当)

【出演】佐藤浩市 大森南朋 新井浩文 高橋一生 岸部一徳

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