邦画ブラボー

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「浮雲」雑感

2005年07月11日 | ★愛!の映画
「浮雲」後遺症に罹っています。

二日酔いの
ずきずきするような頭のような
それでいてまだ酩酊が残っているような
ようするに平常ではない脳の状態である。

血液の中に
なにかが注入され、体をかけめぐっているようでもある。

なぜこんなにあの映画に捕らわれてしまったのか。

どうどう巡りを繰り返しながら
頼りなく
矛盾に満ちて
どこまでも流れていく二人の物語に。

男と逢うといつも
過ぎた日の思い出を語り、
なじり、
甘えるゆき子の声が
エキゾチックなメロディとともに
頭をめぐる。

富岡の背中を丸めた姿、
ずるさやごまかしがあらわに
出た表情や目線も
フラッシュバックのようによみがえる。
薄情な言葉もまた。
そしてラストシーンの後ろ姿は網膜に焼きついて
離れない!!

あの二人の名優
森雅之・高峰秀子によって
林芙美子が書いたこの物語は
はるかな高みにまで引き上げられたのだと思う。

恐るべき、
「麻薬」のような映画である。

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20 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
トラバありがとうございます (サブカル雑食手帖)
2005-08-14 12:29:07
映画「浮雲」についての感想、全く同感であります。ゆき子と富岡のひねくれた言葉のやり取りも絶妙な味わいがありますね。敗戦後の退廃的な世相の中で「生きよ、堕ちよ」と叫んだ安吾の言葉が、このドラマとオーバーラップして響いてくるような気がします。
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こんにちは (spok23)
2005-08-14 13:16:29
こちらこそTBありがとうございました。



この映画は

脳髄に沁みこむと申しましょうか、

一度見たら忘れられなくなる

悪魔のような映画ですね。(笑)



「堕落論」のこと、なるほど~と感じ入りました。

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コメントありがとうございました。 (ph7aut)
2006-01-27 07:52:23
「魔王」におもわず笑ってしまいました。確かに(笑)

堕ちていく女に薄情な男…だけどそれだけじゃないところが魅力ですね。

私はこの映画を観て以来、屋久島のイメージがひたすら雨です。
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こんにちは! (spok23)
2006-01-27 16:48:04
恐るべき富岡!(笑)ですよね。



眼帯してみたり。



ちょっとした目線や顔のそむけ方なども

見逃せませんね。

最後のシーンは・・・

衝撃でしたね。



屋久島の雨もあの音楽も頭を離れません。
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浮雲に嵌った ()
2006-08-01 00:16:20
 googleで「浮雲 堕落論」でここにたどり着きました。先日フィルムで見て以来、こころのどこかを掴まえられてしまったような感じ。



 ここの主様がどこのどんな人か存じませんが、もし良かったら、「天国と地獄」もご覧になってみてください。かつて私が、浮雲と同様に心の一部を差し出さざるを得なかった作品です。黒澤明監督作品。

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はまりますね~ (ブラボー)
2006-08-01 07:33:04
こんにちは!



「浮雲」嵌る人はとことんはまりますね。

私も心を持っていかれました~~

細かく見れば見るほどいいんですね。



初見でそうでもなかった人も

年月を置いて見ると

激しく嵌ってしまう可能性を持った作品だと

思います。



「天国と地獄」!!

見ました。これまた偉大な映画ですね。

ピンクの煙ですよね。

記事を書いていませんでした。

こんどアップしようと思います!



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コメントありがとうございました (オタクイーン)
2006-08-21 22:50:20
何年か前に一度見たきり、なぜか再会に二の足を踏んでいた「浮雲」。

悲しいと言うより「哀しい」。人生と言うより「塵生」とでも表現したくなるような、うらぶれた空気が支配する124分は、これも愛情の形として再び私の中に深く刻みこまれました。

こういう映画に触れる度、若輩の私などは人生勉強の足りなさを痛感するのです。



またお邪魔いたします。よろしくお願いいたします。

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浮雲病 (ブラボー)
2006-08-21 23:11:57
こんばんは、オタクィーンさん!



この映画に罹患するとやっかいなようです。(笑)

わたしはやられてしまいました。



「屋久島」と聞くだけでもダメです。

「露天風呂」もダメです。



これからも遊びにいらしてくださいね。
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森雅之って・・・・ (マル季)
2006-08-23 02:17:16
森雅之って、太宰に似てますね。この映画だけなのかな?外見もそうだし、キャラクターも。お父さんも有名な作家らしいですが。



脚本の水木洋子さんは有名な人らしいですね。

「氷点」は見ました。「ここに泉あり」というのも是非とも観たい!
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なるほど~ (ブラボー)
2006-08-23 07:08:45
お父様は

かの「有島武郎」様です。



太宰に似ているとは

なるほど~です。



ちなみに私の祖父は太宰似です。



で、その息子である父は、

なぜか橋本龍太郎似なのです。(笑)

でも二人とも森雅之には似てません。(大笑)



水木洋子さんはものすごい脚本家だと

思います!

水木さんが書いているというだけで

見たくなります。
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