邦画ブラボー

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「悪名」

2005年03月01日 | ★ハードボイルドな映画
河内の暴れ者朝吉はめっぽう喧嘩が強かった。

今東光の人気新聞小説を映画化。依田義賢が脚色。
監督は「陸軍中野学校 竜三号指令」」の田中徳三。
撮影は宮川一夫。

義理と人情に厚い古いタイプの男、朝吉(勝新太郎)は河内八尾の一匹狼。
喧嘩が強くて女にめちゃめちゃもてる。

朝吉にこてんぱんにやられて以来弟分になるモートルの貞(田宮二郎)。
こちらはドライで現代的なおにいちゃんである。

二人がコンビを組み水が流れるような河内弁をあやつり、
あくどい浮世を渡っていく、痛快娯楽作。

このシリーズは大人気を博してなんと16作も作られ、
田中徳三監督はそのうち9作を手がけている。

なぜか黙っていても女に惚れられてしまう朝吉。
寅さんとは大違いである。

女性陣に、中田康子、
信じられないくらい純情そうな水谷良重(遊女・琴糸)、
同じく可憐なお絹に中村玉緒。

朝吉の評判を聞き、客人として迎え入れる親分に山茶花究、
シルクハットをかぶっていることから
「シルクハットの親分」(永田靖)と呼ばれる親分さんなど魅力的なキャラクターがからむ。

だが本作でなんといってもピカイチなのは
因島の女大親分麻生イト(浪花千栄子)であろう。

約束を破った朝吉に
「わしを裏切ったモンはどうなるか、わかってるやろうな!」と、
体をゆさゆさゆさぶりながら
帯の中に手をつっこんですごむ場面の迫力といったら!
「わしの後についてこい!ついてこんかい!」
一人称が「わし」ですから。

浪花千栄子と関西弁は切っても切れないもの。
風土と言葉と人格の合体を味わう楽しさ。

そう、「悪名」は関西弁、河内弁のニュアンスの面白さ、
豊かさ、痛快さを味わう映画でもある!

1961年 田中徳三監督作品 脚色 依田義賢  原作 今東光

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
hayaminさんへ (ブラボー)
2008-07-02 06:45:36
うわっ!懐かしい~~

浪花千栄子でございます~~♪
ですよね(笑)あの笑い顔がたまりません。
大好きな女優さんです。

ホーロー看板、今でもあるんですかね。

あの妖婆は最初誰だかわからなくて
浪花さんだと知ったときは
驚愕しました。すごいですよねえ。
返信する
Unknown (hayamin)
2008-07-01 23:37:59
遅レスですみません。

浪花千栄子の「オロナイン軟膏」のCM、
うろ覚えに覚えてます。
ホーロー看板といえば浪花千栄子か水原弘、松山容子
でしたね(笑)

「蜘蛛之巣城」の妖婆も怖かった。。。
返信する

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