邦画ブラボー

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「明治一代女」

2006年01月13日 | ★愛!の映画
「浮いた、浮いた~と・・」♪の歌でもおなじみ。

かつて「毒婦」という恐ろしい言葉があった。
幕末から明治にかけて三大毒婦と呼ばれた
うちのひとりがこの映画の主人公
柳橋の芸者花井梅。
(他のふたりは高橋お伝と夜嵐お絹)

いずれも色恋沙汰の挙句に
大事件を起こした女たちだが
この映画を見る限り、
そんな恐ろしいイメージはみじんも感じられない。

芸者お梅(木暮実千代)は花形役者沢村仙枝(北上弥太郎)と恋仲だった。
襲名披露を控えた仙枝のために
金を工面しようとするが、
莫大な金が入り用と知って呆然とする。

長年お梅に思いを寄せていた
箱屋の巳之吉(田崎潤)は、
金を用意する代わりに一緒になってくれとお梅に
懇願するのだったが・・・
(箱屋とは芸者の身の回りの世話をする職業)

典型的な三角関係というわけだ。

愛人を一人前の役者にしてあげたいという
芸者の意地は認めども、
ずるずると
一本気な男をひっぱったお梅は問題アリ。

切羽詰まったいちずな巳之吉は、ついに刃物を持ち出す。
雨上がりの、どろどろにぬかるんだ橋のたもとでの
二人のもみあいの場面が大迫力

ぎらぎらと光る包丁の怖さ、我を忘れた男の目の怖さ。

粋な
料亭女将、杉村春子の憎たらしいいびりも見もの。

華やかな柳橋の雰囲気、芝居小屋の雰囲気も楽しめるが
なんといっても、「触れなば落ちん」
木暮実千代の風情が一番の見ものだろう。

1955年 伊藤大輔監督作品 
脚本 伊藤大輔 成沢昌茂
原作 川口松太郎 撮影 鈴木博 音楽 伊福部昭 美術 松山崇

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パソコンがイマイチ調子悪くてやっと投稿しました。

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