邦画ブラボー

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「白と黒」

2006年05月27日 | ★人生色々な映画
「あんたなんて、男妾じゃないの!」
こんな言葉を吐きかけられた男は
女に飛びかかっていく。
寝室で仲代達矢が淡島千景の首を絞める衝撃の幕開け。

な~んだ、犯人がわかっているのだなと思わせといて・・凝った構成。
なんといっても脚本が橋本忍ですから、すんなりといくわけがありません。
目をそむけたくなるような衝撃の冒頭シーンから始まり、
一転、二転、三転する内容に翻弄される。

白か黒か。有罪か無罪か。
線の細い青年弁護士を演じる仲代の渾身の演技も見ものなら、
事件を追いかける検事(小林桂樹)の熱気にも圧倒される。

登場人物の心の奥まであぶりだしていくサスペンスタッチの作品。
メインの二人に加えて
井川比佐志の世を拗ねた悪党ぶりがよかった。

大宅壮一、松本清張が出演するなどのおまけもついています。

死刑廃止論、冤罪についても
考えさせられるが、やはり興味は謎解きに集中してしまう。

他に千田是也 三島雅夫 東野英治郎
山茶花究 大空真弓 乙羽信子 岩崎加根子 など。

冒頭に強烈なシーンを持ってくる手法が面白い。
写真は大詰め、小林に追い詰められた仲代の目が
こぼれ落ちそうになる迫真の場面!

1963年  堀川弘通
脚本 橋本忍 撮影 村井博 音楽   武満徹 美術 水谷浩

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
新劇滅んで日本映画残る。 (さすらい日乗)
2006-05-28 08:54:43
この時期の日本映画を見ると俳優座(主に東宝)、民芸(日活と正式に提携)、文学座(大映など各社)の役者が多数出ている。

昭和30年代の日本映画の興隆を支えたのは、新劇の役者たちだったことがよく分かる。



今や、井上ひさしの作を除き、新劇はほぼ滅び、一部の高齢者のための芝居になってしまったが、かっての輝きと成果は、皮肉にも本業ではなかったはずの映画の中でよく見られるのだ。
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ほんとうに (ブラボー)
2006-05-28 10:29:47
さすらい日乗さんの

おっしゃるとおりだと思います。



新劇の役者さんたちは

やっぱり演技が上手くて

どんな役もこなしてしまいますね。



先日も民藝総出演:滝沢修主演の「夜明け前」などを観て驚いたばかりです。

文学座もすごいですねえ~~。



ここにきてまた何か、

新しいものが芽生えて欲しいですね。

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