邦画ブラボー

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「讃歌」

2007年11月07日 | ★愛!の映画
新藤兼人による谷崎潤一郎解釈。

まず「乙羽さん」が出てくる。

二人の生活を間近で見ていた女中による回想を
新藤自身が聞き取る・・という構成だ。
う~んこれどっかで見たような誘導尋問。
新藤が聞きたいことを乙羽さんが喋る・・・
そうだ、「ある映画監督の生涯」だわ。と気づく。

春琴(渡辺督子)と佐助(河原崎次郎)の
常人からかけ離れた主従関係を盗み見る女中の目線は
いかにも下世話で野次馬的だったのだが・・
そしてカメラは春琴の閨やら
入浴やら厠での用足しまでも映し出す。
覗き見みたい。
もちろんいつでも何処でも佐助がお供するのであった。

春琴の性格描写もなかなかエグイものになっている。
少女のような体つきが美しい渡辺督子の女王様ぶりも良い。
最初は「なんて傲慢で高慢ちきな女だろう」と思ったのに
次第に
「もっとやれ」
などと思ってしまうのは
私がS気味なのであろうか??
河原崎次郎があまりにも佐助にはまっているからかも。

春琴に横恋慕する
ぼんぼん役の原田大二郎が、
ふざけながら三味線を弾くシーンで爆笑。
えげつない中でも笑える場面が散らされている
新藤バランス。

山本富士子と本郷功次郎の「お琴と佐助」は
衣笠監督のただただ美しい耽美映像が素晴らしかったが
こちらは徹底的にリアル・・と思うと
シュールだったりの巧みなバランス。

最も驚いたのは
春琴と佐助のS●Xシーンがはさまれていたことだ。
う~むここは
賛否が分かれるところであろうが
私はこれは無い方が良かったと思う。

春琴の父親役がただならぬ
風貌と思ったら、武智鉄二!

1972年
新藤兼人 監督作品
原作 谷崎潤一郎
脚本 新藤兼人
撮影 黒田清巳
音楽 林光
美術 渡辺竹三郎

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