邦画ブラボー

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「バーバー吉野」

2008年03月06日 | ★人生色々な映画
どこかにいそうで何処にもいない床屋のおばちゃんを演じる
もたいまさこの存在が強烈だ!

「子供は子供らしく」
「子供を守るため」

崇高な使命感を持って
男の子を有無を言わせず前髪を切りそろえた
「吉野ガリ」にしていくおばちゃんは
まるでモンスターのようだが
実は心はあったかい。

広々と広がる花畑や田んぼや川。
カメラが映し出す自然が美しい。
この世の理想境のようなのどかな街が舞台だけど
子供たちが喋る言葉は標準語。
バーバー吉野が店を開けているのは
架空の街なのである。

東京から来た転校生によって喚起された
性の目覚め、大人への反発、自由への憧れ・・
少年達の成長が暖かくユーモラスに語られていく。

荻上監督の作品では「舞台」が重要な鍵を握っていると思う。
それはどこだかわからないけど、
どこかにある
誰もが憧れる魅力がいっぱいにつまった場所だ。

登場人物に悪人はいない。
ことさらに大きな事件が起きるわけではないが、
観終わって
ひたひたと湧き上がる幸福感に包まれる。

何度も言うようだが
もたいまさこが強力だ。

「ハレルヤ」や
プッチーニのオペラが挿入された空間で
無邪気に遊ぶ子供達を見ていたら
人生とは幸福とはなんぞや?などと柄にも無く考えてしまった。

こけしのようでもあり
修道士のようでもあるユニークな
ヘアスタイル、
吉野ガリは「坊主刈り」のパロディなのだろうか?
いずれにしても男の子は割りを食ってるね!
_______________________

日本映画専門チャンネルでは
荻上直子監督作「バーバー吉野」と監督インタビューを放送。

「映画は自分の意思とは関係なく一生残ってしまうものだから、
何十年後とかに自分で妥協したことが残ってしまう。
だからこそ・・・
あなたはなぜ映画をつくるのか?続きは公式サイト
2003年
監督・脚本=荻上直子
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日本映画専門チャンネル 
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんな時期もありました、、。 (sada)
2008-03-06 16:45:05
姐さん、ご無沙汰しております。
私もこの映画のように、田舎育ちで義務教育のほとんどの間は丸刈りでした。
一軒しかない理髪店のオバちゃんのギャグ(整髪料を毛生え薬って言うとこ、、)は、映画の中でも生きてんのやな~って感慨深かったです。
家庭の事情でやって来た転校生もあんな風でした。
エロも喧嘩もそいつから教わったようなものです。両親の不仲のせいで田舎から離れてしまってからは、もうどうしているのか分かりません。
先日家人と「メゾン・ド・ヒミコ」観た時に、オダギリジョーや田中泯よりも井上博一に注視してしまったのは、アイツのせいかもしれません、、(笑)
返信する
sadaさんへ (ブラボー)
2008-03-06 17:30:06
男の子は丸刈りで
女の子はおかっぱでしたかしらね(笑)

そういえば「吉野刈り」ほど
過激でない、「坊ちゃん刈り」っていうのも
ありましたね。

sadaさんはリアルバーバー吉野少年だったのですね。

映画を見ると色々思い出しますね。「メゾン・ド・ヒミコ」まだ見ていないので井上博一に注目して
観たいと思います。
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