今日はかなり暑かったです![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/namida.gif)
今年初めてTシャツ1枚で過ごしました。
そんな中、喫茶店で読んだのが「月魚」(著:三浦しをん)です。
-----内容-----
古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。
二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた。
瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。
しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変わっていき…。
透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。
月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。
-----感想-----
「古書店」と聞くと、お客さんから本を買い取り、それを売りさばく、そのくらいのイメージしかありませんでした。
でも本の買取というのが、想像以上に難しいようです。
本の値段の査定には様々な要素があり、優れた目利きになるにはかなりの修行が必要みたいです。
『せどり屋』とは、古本屋で売っている本の中から、少しでも価値のありそうなものを買い、その分野を専門で扱う別の古本屋に売り飛ばす人たちのことです。
また、廃棄場に忍び込み、まだ店頭に並べられる本を掘り起こし、何食わぬ顔をして古本屋に売りにいき、その微々たる上がりで生活する。
業界の人たちからは、ゴミを漁り、後ろ暗い経路で手に入れた本を売る輩と言われ、いい顔はされない。
こういった普段聞きなれない仕事を題材にした小説なので、どんな展開になるのか全く想像もつかず、すごく興味深く読み進めました。
そして意外と本の買取にはお金がかかることがわかりました。
郷土史や民俗学の全集には何十万もの値がつき、場合によっては何百万になることもある…。
この小説では、買取額130万というのがあり、古書なのにそれほどまでの値がつくのがすごいと思います。
世に出回っている部数の少ない本ほど、希少価値が高まり、その本を必要とする人たちは高値で買い取るのです。
「月魚」の物語では、ある幻の本を巡る因縁が話の中心になります。
その本はこの世に1冊しか存在しない「獄記」と呼ばれる本です。
取引額は1億円にもなりました。
しかしこの本が、瀬名垣と真志喜の運命を大きく変えてしまったのです。
瀬名垣のフルネームは瀬名垣太一。
真志喜のフルネームは本田真志喜。
瀬名垣は本田のことを「真志喜」と呼ぶのに対し、本田は瀬名垣のことを「瀬名垣」と苗字で呼ぶ。
かつては「瀬名垣」ではなく「太一」と呼んでいたのに、なぜよそよそしい呼び方になってしまったのか…。
その答えは「獄記」の因縁に隠されているのですが、さすがにそこは言えませんね![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
ミステリーの要素もあり、すごく面白かったです。
三浦しをんさん、やっぱりすごい作家です![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kirakira.gif)
機会を見てもう一度読み返してみたいと思います。
それではまた。
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/namida.gif)
今年初めてTシャツ1枚で過ごしました。
そんな中、喫茶店で読んだのが「月魚」(著:三浦しをん)です。
-----内容-----
古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。
二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた。
瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。
しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変わっていき…。
透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。
月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。
-----感想-----
「古書店」と聞くと、お客さんから本を買い取り、それを売りさばく、そのくらいのイメージしかありませんでした。
でも本の買取というのが、想像以上に難しいようです。
本の値段の査定には様々な要素があり、優れた目利きになるにはかなりの修行が必要みたいです。
『せどり屋』とは、古本屋で売っている本の中から、少しでも価値のありそうなものを買い、その分野を専門で扱う別の古本屋に売り飛ばす人たちのことです。
また、廃棄場に忍び込み、まだ店頭に並べられる本を掘り起こし、何食わぬ顔をして古本屋に売りにいき、その微々たる上がりで生活する。
業界の人たちからは、ゴミを漁り、後ろ暗い経路で手に入れた本を売る輩と言われ、いい顔はされない。
こういった普段聞きなれない仕事を題材にした小説なので、どんな展開になるのか全く想像もつかず、すごく興味深く読み進めました。
そして意外と本の買取にはお金がかかることがわかりました。
郷土史や民俗学の全集には何十万もの値がつき、場合によっては何百万になることもある…。
この小説では、買取額130万というのがあり、古書なのにそれほどまでの値がつくのがすごいと思います。
世に出回っている部数の少ない本ほど、希少価値が高まり、その本を必要とする人たちは高値で買い取るのです。
「月魚」の物語では、ある幻の本を巡る因縁が話の中心になります。
その本はこの世に1冊しか存在しない「獄記」と呼ばれる本です。
取引額は1億円にもなりました。
しかしこの本が、瀬名垣と真志喜の運命を大きく変えてしまったのです。
瀬名垣のフルネームは瀬名垣太一。
真志喜のフルネームは本田真志喜。
瀬名垣は本田のことを「真志喜」と呼ぶのに対し、本田は瀬名垣のことを「瀬名垣」と苗字で呼ぶ。
かつては「瀬名垣」ではなく「太一」と呼んでいたのに、なぜよそよそしい呼び方になってしまったのか…。
その答えは「獄記」の因縁に隠されているのですが、さすがにそこは言えませんね
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
ミステリーの要素もあり、すごく面白かったです。
三浦しをんさん、やっぱりすごい作家です
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kirakira.gif)
機会を見てもう一度読み返してみたいと思います。
それではまた。
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
1億円!
まあ、世界に1冊しか無ければ、もはや美術品レベルですからね。
機会があったら読んでみたいと思います(^^)
あらすじの「罪の意識」って何だろ???ミステリちっく~
と思いながら何度か書店で手にとっていましたが
やっぱりミステリ要素ありなんですね!?
タイトルも不思議とキレイで、素敵イメージ☆
ぜひぜひ三浦先生の本は→次はコレを読んでみます
これは読むべし!
本1冊に1億円なんて、普通は考えられないですからね。
ものの価値はわからないものです
「罪の意識」はすごく奥深い伏線があって、三浦しをんさんの執筆力はすごいと思いました。
オススメの一冊です
すごく面白かったです。
ぜひ読んでみてください!
2007年の日付ですねー。
もう5年も前というのが、凄いです。
というか、はまかぜさんも、ブログ歴が長いですね
これからも、ずっと長く続けてくださいね☆
で、この小説。
そうなんですよねー。
古本屋さんって、結構お金が必要なんだな・・・って私も思いました。
知らない世界を、面白く解りやすく見せてくれる、しをん節は、このころからだったんですね。
そうなんですよね、もう5年も前のことになります。
ブログはぜひ長く続けていきたいと思います。
latifaさんもぜひ続けていきましょう
しをん節はこの頃から発揮されていましたね。
そしてこの頃私は一冊ごとに全く違う作品世界を描く三浦しをんさんの凄さに衝撃を受けていました。
この後に読んだ「白い蛇眠る島」も全く違う世界観で興味深かったです。
三浦しをんさんの作品は本当に面白いなと思います