読書日和

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「シアター!」有川浩

2010-03-22 23:35:23 | 小説
今回ご紹介するのは「シアター!」(著:有川浩)です。

-----内容-----
小劇団「シアターフラッグ」―ファンも多いが、解散の危機が迫っていた……
そう、お金がないのだ!!
その負債額なんと300万円!
悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。
司は巧にお金を貸す代わりに「2年間で劇団の収益からこの300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」と厳しい条件を出した。
新星プロ声優・羽田千歳が加わり一癖も二癖もある劇団員は十名に。
そして鉄血宰相・春川司も迎え入れ、新たな「シアターフラッグ」は旗揚げされるのだが……!?

-----感想-----
というわけで、石田衣良さんの「下北サンデーズ以来となる演劇を舞台にした小説を読みました。
解散の危機にある小劇団「シアターフラッグ」を舞台に、芝居に励む者たちの青春物語が繰り広げられます。
この作品ではどうやって演劇で利益を上げるかで試行錯誤していました。
大手の劇団ならまだしも、シアターフラッグのような小劇団では赤字になることのほうが多いようです。
主宰の春川巧はそういった経営面のことは専ら苦手のようで、いつの間にか300万円の負債を抱える事態に…
この事態を打開すべく巧が頼ったのが会社員である兄の司なのですが、「鉄血宰相」の異名が示すとおり、司は厳しい条件を突き付けてきます。
果たしてシアターフラッグは解散の危機を乗り越えられるのか…先の展開を楽しみにしながら読んでいきました。

演劇の稽古や実際の舞台などの描写もありましたが、人物それぞれの感情も色々描かれていました。
新人の羽田千歳に嫉妬のような感情を抱く者、利益を出そうとする司のやり方に抵抗を示す者…
今までの「利益は出なくても好きなことをやっているのだからそれで良い」という考えから、「300万を返すために利益を上げないといけない」に変わったことで、劇団員の中にはそれを快く思わない人もいました。
そういったことと向き合いながら、巧はシアターフラッグの主宰として頑張っていきます。

全体的には軽めの内容でラブコメ要素もあり、なかなか読みやすいのではと思います
終わり方は何となく続編があっても良いのではと思いました。
今回は人物同士の恋愛事情が半端な状態で終わっていたので、そこに続編の可能性を感じたのですが、果たして…
やはり「三角関係」のような微妙な関係がそのまま放っておかれると気になるものです
個人的にはシアターフラッグの「その先」にも興味があるので、続編を期待したいと思います


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
文章が (viviandpiano)
2010-03-22 23:54:19
生き生きとしている感じですよね、有川先生。
今、うちの地元紙に連載してるんですよ。
これが、かなり面白くて☆

他の作品も、読んでみたいと思います♪
返信する
viviandpianoさんへ (はまかぜ)
2010-03-23 08:14:42
地元紙に連載しているのですか。
そういえば有川先生、四国出身でしたね(^-^)
ほんと、文章が生き生きしていて良いと思います。
他の作品も機会があれば読んでみてください♪
返信する
書店で見かけました♪ (あかね)
2010-03-24 18:10:51
この作品~
書店で見かけて面白そう!って思っていましたしかも続編を感じさせるような作品なのですね

演劇・劇団のことはわからないけど、裏側がちらっと覗けるようで、興味津々です

それに有川先生って面白そうな作品をたくさん書かれてらっしゃるから・・・色々読んでみたかったところ♪

しかし・・・プロ声優・・・羽田?千歳???芸名???(笑)
返信する
あかねさんへ (はまかぜ)
2010-03-25 00:17:18
あかねさんもご存知でしたか^^
読んでみたらなかなか面白かったですよ
有川先生はたしかに色々な作品を書かれていますよね。
いずれ直木賞なども受賞しそうな気がします。

羽田千歳は空港みたいな名前ですね(笑)
何だか有川先生らしい感じがしました
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