今回ご紹介するのは「想い出あずかります」(著:吉野万理子)です。
-----内容-----
海辺に住む不思議な女性と女子高生の、切なくも幸せな出会い―。
嬉しいのに涙が出て、傷ついても信じてみたい。
自分にそんな感情があることを、初めて知ったあの日。
こんなに大事な想い出も、人は忘れてしまうもの?
毎日が特別だったあの頃が、記憶の海からよみがえる。
-----感想-----
鯨崎町という海辺の町の崖の下に魔法使いが住んでいます。
魔法使いは「おもいで質屋」と言う店をやっていて、想い出を話すとその想い出を預り、想い出の価値に見合ったお金を貸してくれます。
20歳になるまでにお金を返すと思い出も返ってきますが、お金を返さなかった場合その想い出は流れてしまい二度と帰ってきません。
また、20歳になると質の想い出が流れると同時に、想い出質屋に通った記憶も消えてしまいます。
冒頭、芋川大和と遥斗の兄弟がおもいで質屋にやってきます。
小学五年生の兄、大和は既に何度か想い出を質入れしていますが、小学一年生の弟、遥斗はこの日初めて想い出を質入れしに来ていました。
魔法使いはローズピンクのマントにバンダナのような帽子、銀色の髪をくるくると縦ロールにした風貌です。
魔法使いに想い出を預けると、「想い出質屋に預けた」という記憶だけは残りますが、その想い出がどんなものだったかは頭の中から消えてしまいます。
そして魔法使いによると大抵の子が20歳になるまでに思い出を取りに来ないとのことです。
魔法使いから人生最初の想い出には一律で8880円払うと聞いた遥斗は覚えている限り最初の思い出を差し出します。
それは初めて幼稚園に行った日の母の三津子に関する想い出で、何かにつけて「遥斗ったらあの時~」と蒸し返してくる母に遥斗はムカついていました。
なのでそんな想い出なら預けたまま質に流れても良いくらいの気持ちで預けていました。
遥斗はその後その思い出を取り戻そうと思うのか、またそうなった時に取り戻せるのか気になりました。
二年が経ち、遥斗は想い出質屋の常連になっていました。
もっぱら母にムカついた想い出を次々と質に入れています。
ある日、遥斗が想い出質屋にいると、鯨崎中学二年の永澤里華がやってきます。
里華はこの秋から新聞部部長になっていて、「おもいで質屋の魔法使いに直撃インタビューをし、鯨崎中学新聞で記事にする」と意気込んでやってきていました。
里華は魔法使いが想い出質屋をやっているのが気に入らないようで、「お金を貸す代わりに想い出を取ってしまうなんて酷い」と言っていました。
魔法使いは冷静に「20歳になるまでにお金を戻しに来れば想い出は流さずにちゃんと返すと説明している」と言っていて、何とかして魔法使いに「想い出質屋がやっていることは酷い」と認めさせるんだという意気込みが言葉の端々に表れていた里華ですが最後には言い負かされてしまいました。
私的にはお金目的で想い出を質入れしに来ている時点で、その想い出はその人にとって自分の胸の内に留めておくほどの価値がないということなので、酷いのは質入れをしに来るほうなのではないかと思います。
里華は新聞記事を書くのですが、顧問の先生は当然そんなものは信じないです。
ならば他の部員に聞いてみろと言う里華に対し、おもいで質屋のことを知っているはずの他の二年生女子部員三人がなぜか「そんなものは聞いたことがない」と言い、里華は顧問の先生から空想癖の強い人扱いされて憤慨します。
やがてあさ美、美乃里、佐奈江の三人がなぜ「そんなものは聞いたことがない」と言ったのか、依頼を受けた里華のクラスメイトの相沢雪成が里華に伝えに来ます。
雪成に頼んだ理由が「揉めた時、女同士だと感情的になってうまく言えないから」なのは、たしかにその傾向はあるかもと思いました。
ただ男同士でも感情的になっていることがあり、これは男女問わず感情型の人と感情型の人が揉めた時にその展開になるということで、さらに女性には比較的感情型の人が多い傾向があることから、「女同士だと感情的になってうまく言えない」になるのだと思います。
雪成のおばあさんは交通事故に遭って入院しています。
何となく仲良くなった里華と雪成がおばあさんのお見舞いに行った時、雪成が「おばたあさんは事故ではなくひき逃げかも知れない」と言っていました。
事故にしては不自然な点があったのです。
しかしおばあさんは認知症になっていて事故当時のことも忘れてしまっていて話すことができません。
雪成は魔法使いに頼んで忘れてはいても脳には残っているはずのおばあさんの記憶を出してもらおうと考えます。
それは魔法使いがやっている「おもいで質屋」の仕事とは違うのですが、雪成は里華に案内してもらい魔法使いのところに行き交渉しようとします。
雪成の態度はとても人にものを頼む態度ではなく傲慢そのもので、まだ中学生なのを差し引いても酷い男だなと思いました。
何とかして魔法使いを説得しようとする雪成に里華が良いことを言います。
「想い出は、その人だけのものだよ。他の人が、勝手に開けたり取り出したりしちゃいけないんだと思う」
雪成は「おまえには聞いてない」などと言っていましたが、これは里華の言うとおりだと思います。
本人の意思に関係なく勝手に取り出すのは明らかに間違いです。
「いきなり押し掛けてきたオレを嫌いになったのか?」という雪成に対し、「魔法使いには、好きとか嫌いとか、そういう感情がもともとないの」と言っていました。
さらに雪成が帰った後は里華に「わたしの基準は『面白い』か、『つまらない』か、それだけだから」と言っていました。
この辺りは人間とはだいぶ違うようです。
里華は清川高校の一年生になります。
雪成も清川高校に入っていました。
小学五年生になった遥斗は相変わらず母への不平、不満を質に入れ続けています。
里華のほうは一度たりとも想い出を質に入れていなくて、遥斗と里華は対照的です。
いつか里華も想い出を質入れする時が来るのか気になりました。
ある日、魔法使いから「あなたの学校にいじめはある。現に、うちに毎日夕方来る子がいるの」と驚くべきことを聞いた里華。
その子は毎日いじめの記憶を質入れしているとのことです。
里華は誰がいじめられているのか1年2組のクラス内を探していきます。
それは白土(しらと)芽依という里華が心の中で「自由美人」と呼んでいる超越的な人でした。
とにかく行動が自由で、遅刻が多く、授業中も携帯をこっそりいじっていたり、三時間目はいたのに四時間目は消えていたりするとのことです。
芽依は同じ清川高校の違うクラスの一年生女子4人に因縁を付けられていました。
この女子4人は性格の醜悪さが滲み出ていました。
一部始終を見てしまった里華は芽依を助けるために奮戦することになります。
遥斗は小学六年生、里華は高校二年生になります。
里華と芽依は友達になっていて二人揃ってよく「おもいで質屋」に行っています。
遥斗は生意気な口を利くようになっていて、二人を「おばさん」呼ばわりし、ふざけた口調で色々言っています。
お母さんのことが嫌いだと言い、さらに「おばさんたちは嫌いじゃないの?」という遥斗に対し、里華は「好きとか、嫌いとか、考えたことない」と言っていました。
そして次のように言っていました。
「だって、もし赤の他人だったら、好きならもっとそばにいればいいし、嫌いなら離れればいい。でも、親って、どうやっても縁は切れないんだよ。そばにいたって、遠くにいたって、一生会わなくたって、親だっていう事実は変わらないんだよ。だったら、好きかどうかなんていちいち考えない方が楽ちんじゃない?」
さらに芽依は想い出について次のように言っていました。
「あたしは、里華に教えてもらったの。想い出の大切さ。自分の想い出は、他の誰でもない自分だけのもの。他人には譲れない。遥斗くんも、そろそろそういうこと、考えてもいいんじゃないの?」
お母さんのことが嫌いだと言い、お母さんの想い出を次々と質入れしている遥斗ですが、そろそろその行為について考える時が近いことが予感されました。
芽依をいじめていた四人組はしぶとく暗躍していました。
里華に事実とは違うことを吹き込んで芽依への不信感を持たせようとしていて、この四人組は本当に酷いなと思います。
ただ里華は里華で肝心なところで芽依を信じ切れずに不信を抱いてしまいます。
それと雪成はとことん最低だなと思いました。
そしてついに、里華が想い出を預けることを決意する場面がありました。
ちなみに雪成は自分が彼女に対し傍若無人に振る舞ったり邪険にしたりするのは良いが、その反対に彼女から「こんな人どうでもいいや」と扱われるのは我慢ならないらしく、どうしようもない人だなと思いました。
やがてついに、遥斗もお母さんの想い出を次々と質入れしていた行為、そして自分の心と向き合う時が来ます。
正直あんな形で向き合う時が来ることになるとは思わなかったので驚きました。
その原因は完全に遥斗にあり、取り乱しぶりが哀れでした。
最後、里華は大学二年生になっていました。
東京の大学に行っている里華は芽依に会うためと実家に帰省するために地元に帰ってきました。
20歳の誕生日を2日後に控えた里華は記憶が消えないうちに、最後に魔法使いに会おうとします。
お別れが予感される会話は言葉にも雰囲気が乗り、読んでいて寂しい気持ちになります。
ファンタジー小説ですが扱っているものが「想い出」なだけに人の感情や心について描かれていて、色々な人間ドラマがありました。
里華が「きっともう会うことはないのだ」とお別れを受け止めて、寂しさの中に夏の晴れた日に見える水色の空のような綺麗な心境を見出していたのが凄く良かったです。
想い出質屋を経て里華も、そして辛い経験をした遥斗も、この先良い想い出をたくさん作っていってほしいと思いました。
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-----内容-----
海辺に住む不思議な女性と女子高生の、切なくも幸せな出会い―。
嬉しいのに涙が出て、傷ついても信じてみたい。
自分にそんな感情があることを、初めて知ったあの日。
こんなに大事な想い出も、人は忘れてしまうもの?
毎日が特別だったあの頃が、記憶の海からよみがえる。
-----感想-----
鯨崎町という海辺の町の崖の下に魔法使いが住んでいます。
魔法使いは「おもいで質屋」と言う店をやっていて、想い出を話すとその想い出を預り、想い出の価値に見合ったお金を貸してくれます。
20歳になるまでにお金を返すと思い出も返ってきますが、お金を返さなかった場合その想い出は流れてしまい二度と帰ってきません。
また、20歳になると質の想い出が流れると同時に、想い出質屋に通った記憶も消えてしまいます。
冒頭、芋川大和と遥斗の兄弟がおもいで質屋にやってきます。
小学五年生の兄、大和は既に何度か想い出を質入れしていますが、小学一年生の弟、遥斗はこの日初めて想い出を質入れしに来ていました。
魔法使いはローズピンクのマントにバンダナのような帽子、銀色の髪をくるくると縦ロールにした風貌です。
魔法使いに想い出を預けると、「想い出質屋に預けた」という記憶だけは残りますが、その想い出がどんなものだったかは頭の中から消えてしまいます。
そして魔法使いによると大抵の子が20歳になるまでに思い出を取りに来ないとのことです。
魔法使いから人生最初の想い出には一律で8880円払うと聞いた遥斗は覚えている限り最初の思い出を差し出します。
それは初めて幼稚園に行った日の母の三津子に関する想い出で、何かにつけて「遥斗ったらあの時~」と蒸し返してくる母に遥斗はムカついていました。
なのでそんな想い出なら預けたまま質に流れても良いくらいの気持ちで預けていました。
遥斗はその後その思い出を取り戻そうと思うのか、またそうなった時に取り戻せるのか気になりました。
二年が経ち、遥斗は想い出質屋の常連になっていました。
もっぱら母にムカついた想い出を次々と質に入れています。
ある日、遥斗が想い出質屋にいると、鯨崎中学二年の永澤里華がやってきます。
里華はこの秋から新聞部部長になっていて、「おもいで質屋の魔法使いに直撃インタビューをし、鯨崎中学新聞で記事にする」と意気込んでやってきていました。
里華は魔法使いが想い出質屋をやっているのが気に入らないようで、「お金を貸す代わりに想い出を取ってしまうなんて酷い」と言っていました。
魔法使いは冷静に「20歳になるまでにお金を戻しに来れば想い出は流さずにちゃんと返すと説明している」と言っていて、何とかして魔法使いに「想い出質屋がやっていることは酷い」と認めさせるんだという意気込みが言葉の端々に表れていた里華ですが最後には言い負かされてしまいました。
私的にはお金目的で想い出を質入れしに来ている時点で、その想い出はその人にとって自分の胸の内に留めておくほどの価値がないということなので、酷いのは質入れをしに来るほうなのではないかと思います。
里華は新聞記事を書くのですが、顧問の先生は当然そんなものは信じないです。
ならば他の部員に聞いてみろと言う里華に対し、おもいで質屋のことを知っているはずの他の二年生女子部員三人がなぜか「そんなものは聞いたことがない」と言い、里華は顧問の先生から空想癖の強い人扱いされて憤慨します。
やがてあさ美、美乃里、佐奈江の三人がなぜ「そんなものは聞いたことがない」と言ったのか、依頼を受けた里華のクラスメイトの相沢雪成が里華に伝えに来ます。
雪成に頼んだ理由が「揉めた時、女同士だと感情的になってうまく言えないから」なのは、たしかにその傾向はあるかもと思いました。
ただ男同士でも感情的になっていることがあり、これは男女問わず感情型の人と感情型の人が揉めた時にその展開になるということで、さらに女性には比較的感情型の人が多い傾向があることから、「女同士だと感情的になってうまく言えない」になるのだと思います。
雪成のおばあさんは交通事故に遭って入院しています。
何となく仲良くなった里華と雪成がおばあさんのお見舞いに行った時、雪成が「おばたあさんは事故ではなくひき逃げかも知れない」と言っていました。
事故にしては不自然な点があったのです。
しかしおばあさんは認知症になっていて事故当時のことも忘れてしまっていて話すことができません。
雪成は魔法使いに頼んで忘れてはいても脳には残っているはずのおばあさんの記憶を出してもらおうと考えます。
それは魔法使いがやっている「おもいで質屋」の仕事とは違うのですが、雪成は里華に案内してもらい魔法使いのところに行き交渉しようとします。
雪成の態度はとても人にものを頼む態度ではなく傲慢そのもので、まだ中学生なのを差し引いても酷い男だなと思いました。
何とかして魔法使いを説得しようとする雪成に里華が良いことを言います。
「想い出は、その人だけのものだよ。他の人が、勝手に開けたり取り出したりしちゃいけないんだと思う」
雪成は「おまえには聞いてない」などと言っていましたが、これは里華の言うとおりだと思います。
本人の意思に関係なく勝手に取り出すのは明らかに間違いです。
「いきなり押し掛けてきたオレを嫌いになったのか?」という雪成に対し、「魔法使いには、好きとか嫌いとか、そういう感情がもともとないの」と言っていました。
さらに雪成が帰った後は里華に「わたしの基準は『面白い』か、『つまらない』か、それだけだから」と言っていました。
この辺りは人間とはだいぶ違うようです。
里華は清川高校の一年生になります。
雪成も清川高校に入っていました。
小学五年生になった遥斗は相変わらず母への不平、不満を質に入れ続けています。
里華のほうは一度たりとも想い出を質に入れていなくて、遥斗と里華は対照的です。
いつか里華も想い出を質入れする時が来るのか気になりました。
ある日、魔法使いから「あなたの学校にいじめはある。現に、うちに毎日夕方来る子がいるの」と驚くべきことを聞いた里華。
その子は毎日いじめの記憶を質入れしているとのことです。
里華は誰がいじめられているのか1年2組のクラス内を探していきます。
それは白土(しらと)芽依という里華が心の中で「自由美人」と呼んでいる超越的な人でした。
とにかく行動が自由で、遅刻が多く、授業中も携帯をこっそりいじっていたり、三時間目はいたのに四時間目は消えていたりするとのことです。
芽依は同じ清川高校の違うクラスの一年生女子4人に因縁を付けられていました。
この女子4人は性格の醜悪さが滲み出ていました。
一部始終を見てしまった里華は芽依を助けるために奮戦することになります。
遥斗は小学六年生、里華は高校二年生になります。
里華と芽依は友達になっていて二人揃ってよく「おもいで質屋」に行っています。
遥斗は生意気な口を利くようになっていて、二人を「おばさん」呼ばわりし、ふざけた口調で色々言っています。
お母さんのことが嫌いだと言い、さらに「おばさんたちは嫌いじゃないの?」という遥斗に対し、里華は「好きとか、嫌いとか、考えたことない」と言っていました。
そして次のように言っていました。
「だって、もし赤の他人だったら、好きならもっとそばにいればいいし、嫌いなら離れればいい。でも、親って、どうやっても縁は切れないんだよ。そばにいたって、遠くにいたって、一生会わなくたって、親だっていう事実は変わらないんだよ。だったら、好きかどうかなんていちいち考えない方が楽ちんじゃない?」
さらに芽依は想い出について次のように言っていました。
「あたしは、里華に教えてもらったの。想い出の大切さ。自分の想い出は、他の誰でもない自分だけのもの。他人には譲れない。遥斗くんも、そろそろそういうこと、考えてもいいんじゃないの?」
お母さんのことが嫌いだと言い、お母さんの想い出を次々と質入れしている遥斗ですが、そろそろその行為について考える時が近いことが予感されました。
芽依をいじめていた四人組はしぶとく暗躍していました。
里華に事実とは違うことを吹き込んで芽依への不信感を持たせようとしていて、この四人組は本当に酷いなと思います。
ただ里華は里華で肝心なところで芽依を信じ切れずに不信を抱いてしまいます。
それと雪成はとことん最低だなと思いました。
そしてついに、里華が想い出を預けることを決意する場面がありました。
ちなみに雪成は自分が彼女に対し傍若無人に振る舞ったり邪険にしたりするのは良いが、その反対に彼女から「こんな人どうでもいいや」と扱われるのは我慢ならないらしく、どうしようもない人だなと思いました。
やがてついに、遥斗もお母さんの想い出を次々と質入れしていた行為、そして自分の心と向き合う時が来ます。
正直あんな形で向き合う時が来ることになるとは思わなかったので驚きました。
その原因は完全に遥斗にあり、取り乱しぶりが哀れでした。
最後、里華は大学二年生になっていました。
東京の大学に行っている里華は芽依に会うためと実家に帰省するために地元に帰ってきました。
20歳の誕生日を2日後に控えた里華は記憶が消えないうちに、最後に魔法使いに会おうとします。
お別れが予感される会話は言葉にも雰囲気が乗り、読んでいて寂しい気持ちになります。
ファンタジー小説ですが扱っているものが「想い出」なだけに人の感情や心について描かれていて、色々な人間ドラマがありました。
里華が「きっともう会うことはないのだ」とお別れを受け止めて、寂しさの中に夏の晴れた日に見える水色の空のような綺麗な心境を見出していたのが凄く良かったです。
想い出質屋を経て里華も、そして辛い経験をした遥斗も、この先良い想い出をたくさん作っていってほしいと思いました。
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