読書日和

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「恋文の技術」森見登美彦

2011-10-20 01:44:53 | 小説
今回ご紹介するのは「恋文の技術」(著:森見登美彦)です。

-----内容-----
たよりがあるのはよいことだ。
京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。
無聊(ぶりょう)を慰めるべく、文通修行と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。
文中で友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れるが、本当に想いを届けたい相手への手紙は、いつまでも書けずにいるのだった。
ヘタレ大学院生の純情炸裂、森見節満載の傑作書簡体小説。

-----感想-----
というわけで、久しぶりに書簡体小説を読みました
以前読んだのは宮本輝さんの「錦繍」という作品で、手紙のやり取りを通じて昔恋人だった二人が色々な思い出に浸るという書簡体小説でした。
この作品はレビューを書いていないので、いずれ書きたいなと思います。

今回の「恋文の技術」は森見登美彦さんの作品だけあって、同じ書簡体小説でもかなり笑える感じになっています。
主人公は京都の大学院から能登半島の実験所に飛ばされた守田一郎という男で、一人京都の街に思いを馳せています。
やはりそちらの様子が気になるのか、大学院の仲間たちに次々と手紙を書いていくのですが、この手紙が一癖も二癖もあるのが笑えます^^
例によって森見さんらしい語り口の、偏屈で高慢ちきな感じになっています(笑)
時に上から目線であったり、時にへりくだったり、手紙の相手に合わせて文章は変幻自在、実に面白い手紙の数々です

その手紙の中で色々なエピソードが展開されていき、段々と守田一郎の人間模様が分かってきます。
重要になってくるのはやはり京都の大学院の研究室にいる面々。
一郎にとってトラブルメーカー的な先輩女性と手紙で激しい攻防を繰り広げたり、同級生の男の恋愛相談に乗ったりしていました。
中でもトラブルメーカー的な先輩女性との攻防は面白かったです。
森見節も全開で、独特な言い回しがたくさん出てきました。
何やら余裕たっぷりで勝ち誇ったような書き方をしていて、これはトラブルメーカー的な先輩女性に一泡吹かすことができるか!?と思いきや、あっという間に形勢逆転で大ピンチになったり
とてもユーモアのある、楽しい手紙のやりとりです。

そんな一郎も、密かに想いを寄せる伊吹さんという人には、なかなか手紙を書けずにいました。
書いてはボツの繰り返しで、その失敗した手紙の数はかなりのものです。
ほかの人相手なら雄弁に筆を走らせる一郎も、想いを寄せる人への恋文となると大苦戦となるようです。
果たして立派な恋文を書くことはできるのか、一郎の奮戦ぶりを楽しませてもらいました
とても面白かったのでまたいずれ読んでみたいと思います


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ビオラ)
2011-10-22 12:09:53
書簡体小説って、人の書いたお手紙を読んでいる感じでストーリーが進んで行くでしょうから、読みやすそうですね~。
難しい言い回しとかがさほどなくて、お手紙読んでいる感じでしょうから、文も理解しやすいというか。

私は中学時代、交換日記やお手紙交換を頻繁にやっていて、大量の思い出があります。
お手紙書いたり読んだり大好きです。

なので、私なんかには、合うタイプの小説かもね^^
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Unknown (はまかぜ)
2011-10-23 17:03:44
まさに人の書いたお手紙を読んでいる感じですよ^^
なかなか面白い手紙の数々です
交換日記やお手紙交換は私の学校でもやっている人が結構いました。
たしかに手紙好きな人には合うタイプの小説のような気がします
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