読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

「希望の国のエクソダス」村上龍

2007-04-05 14:21:27 | 小説
希望の国のエクソダス著:村上龍)を読みました。
この小説は2004年の今頃に一度読んだことがあります。
ふと読み返したくなって読んでみました。

-----内容-----
2002年秋、80万人の中学生が学校を捨てた。
経済の大停滞が続くなか彼らはネットビジネスを開始、情報戦略を駆使して日本の政界、経済界に衝撃を与える一大勢力に成長していく。
その後、全世界の注目する中で、彼らのエクソダス(脱出)が始まった―。
壮大な規模で現代日本の絶望と希望を描く傑作長編。


というわけで、希望の国のエクソダス、これは壮大な物語です
小説の冒頭、パキスタンである事件が発生します。
それが契機となり、パキスタンに行こうとする中学生たちが出現するが止められてしまいます。
しかしその後、各地の中学校で異変が起こり始める…。
中学生の集団不登校が始まったのです。
その後、小説の中心人物「ぽんちゃん」こと楠田譲一と中村君を中心とする「ブルーギャング」が学校を制圧。
彼らは学校を拒否し、この日から学校を去る。
そして彼らは「ASUNARO」というネットワーク会社を作り、日本最大勢力へと成長していく。


政治、経済のことがたくさん出てきます。
ヘッジファンド、国際金融資本、円へのアタック、投機筋、国会中継、参考人質問…。
一見すると難しそうですが、この小説なら自然に読める感じです


そして何より、中学生たちの言葉が印象的です。
「大部分の老人たちは、働かず、勉強もせず、病気がちで、威張っていて、説教が好きで、演歌とか盆栽とかテレビの時代劇とかすでに滅びてしまったもの、国際競争力のないもの、外貨を生まないもの、暗いものを好み、悪いことは全部他人のせいにして、昔はよかったという口癖をしょっちゅう繰り返し、努力をせず、そのくせまったく楽しそうには見えません。」
「許せないのは、意気消沈して、昔を懐かしがって、愚痴を言うことです。」
「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」


希望がない…。今の10代、20代の人は共感するのではと思います。
この小説の舞台は2000年~2008年、そしてその中でも中心になるのが2001、2002年です。
この時期はものすごく景気が悪かったのを覚えているでしょうか?
たしか平均株価も8000円くらいまで下がっていたと思います。
当時私は高校生で、どうすることも出来ませんでした。
高校の先生たちも「厳しい状況だ」を繰り返していました。
私は浜崎あゆみの歌を心の支えにしていましたね。
「SEAZONS」とか「A SONG for ××」とか「Trauma」から希望をもらっていました
浜崎あゆみの歌には心を癒してくれるような響きを感じていました。
ああいう時代を乗り切ったから、今こうしてブログを書いている、そう考えると良いかも知れませんね。

※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« テニスの王子様 越前リョー... | トップ | 久しぶりに無線工学の勉強 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (山崎ぱちこ)
2007-04-14 20:47:01
WAGONの山崎ぱちこです。コメント・トラバありがとうございました(´▽`=●*)
希望の国のエクソダスはほんとうに深く広いはなしですよね。
実際にこんなことになったら・・・って思うと
怖くもあるけど、少しわくわくもします。
学校の先生の理不尽さにはある程度頭にきてる高校生なので!
趣味にしか走っていないブログですが、お暇でしたらまた遊びにきてください。私も通わせていただきます♪”
返信する
山崎ぱちこさんへ (読書日和)
2007-04-15 20:17:44
最近のニュースを見ていると、教師の不祥事が目立ちますね。
ぱちこさんは高校生のようですし、教師と向き合うことが多いと思います。
理不尽なことを言ってくる先生がどの学校にも1人はいると思うので(笑)、あまり気にせず気楽に過ごしてくださいね
返信する

コメントを投稿