読書日和

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「魔天楼」田中芳樹

2007-05-14 18:39:06 | 小説
今回ご紹介するのは「魔天楼」(著:田中芳樹)です。
本作は「薬師寺涼子の怪奇事件簿」シリーズの第一巻であり、警察官が主人公のホラーミステリーです。

-----内容-----
父親は元警視庁幹部、東大・法卒、27歳の超美人&ナイスバディ警視・薬師寺涼子。唯一の欠点は「ドラキュラもよけて通る」性格の悪さ。通称「ドラよけお涼」とは彼女のことだ!そして、世にも奇怪な事件が、東京・湾岸副都心の巨大な複合ビルで連続する…。

-----感想-----
なんと言っても、薬師寺涼子の傍若無人ぶりがすごいです。
キャリアの警察官僚という設定なので、出世主義の嫌味なやつを想像したのですが、薬師寺涼子は違った…。
出世主義者は回りの官僚達で、薬師寺涼子はそういう人たちにとって強烈な存在。
警察史上最強のトラブルメーカーなのだ(笑)
でも彼らは薬師寺涼子に手出しすることができません。
彼女はトラブルメーカーであると同時に、非常に有能でもあるのです。
警察の上層部も彼女には手を焼いているが、有能なのでクビにはできないというわけです。
この小説は薬師寺涼子を通して官僚の実態を知ることができます。
警察庁長官、警視総監、警務部長など、色々な人が出てきます。
そしてこの方々は、派閥作りと天下りのことばかり考えています(笑)

ベイシティプラザという大型複合ビルで事件が起きるのですが、その際も責任のなすりつけあいになってました。
現実の警察官僚たちも同じようなことをしているので、読んでいて可笑しくなりました。

また、「怪奇事件簿」なので、普通の事件とはちょっと違います。
ベイシティプラザに1万人もの人々を閉じ込め、殺戮を繰り広げた犯人は…ネタバレになるので言えませんが(笑)
代わりに、警察組織のわかりやすい説明があったので、それを紹介してみます。

警視庁は単なる「東京都警察本部」ではない。「国家警察実践司令部」ともいうべき強大な存在である。警察庁はあくまでも行政事務をつかさどるので、いるのは官僚だけ。刑事も機動隊員もいない。刑事や機動隊員を、質量ともにもっとも保有しているのが警視庁なのだ。当然、警視庁のボスである警視総監の実力は、長官を上まわるといってよいほどだ。

どうやら警視総監はものすごい権力者のようです。
「踊る大捜査線」でも上層部が傲慢な態度を見せることがありましたしね。
ただし、この小説では上層部の人間は涼子にボコボコに言われてますが(笑)

次はシリーズの第二巻「東京ナイトメア」を読んでみようと思います♪
携帯だと臨場感を伝えるのが難しいですね。
仕事の影響でしばらくは携帯からの投稿が中心になりそうです。
それではまた。

※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おおお♪ (あかね)
2007-05-15 12:39:56
ミステリですか♪
田中芳樹先生の作品は読んだ事がないのですが
この作品は涼子のキャラクタもすごそうだし
面白そうですね!
ホラーミステリかぁ
これからの季節にピッタリかもしれませんね♪
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あかねさんへ (読書日和)
2007-05-15 18:21:24
警察を舞台にしているだけに、普段わからないことを知れるので楽しいですよ。

ホラーあり、ミステリーあり、ギャグありな内容で、テンポ良く読めます。

涼子の行動は常に回りを巻き込むので(笑)、警察のお偉方も我が身を心配しているというわけです。

これからの季節には良いかも知れません♪
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