読書日和

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「6TEEN」石田衣良

2009-11-08 00:31:07 | 小説
今回ご紹介するのは「6TEEN」(著:石田衣良)です。

-----内容-----
あの『4TEEN』の四人が、高校生になって帰ってきた!
ぎこちない恋。初めての裏切り。
そして、少しだけリアルさを増してきた未来……。
超高層マンションを見上げる月島の路地で、ぼくたちはこの世界の仕組みを考える。
ダイ、ジュン、ナオト、テツロー、永遠の青春小説。

-----感想-----
この作品は、「4TEEN」という作品の続編となります。
今回は前作から二年後、16歳になった主人公たちの物語です。
内容的には前作を読んでいなくても十分楽しめると思います。

高校一年生になって、仲良し四人組はそれぞれ違った道に進んでいます。
中学のときはみんな同じ学校でしたが、高校では自分の進みたい道に進むからです。
それでも学校が終われば四人で集合し、中学の頃のように遊んでいました。

内容の欄に「少しだけリアルさを増してきた未来」とあるように、今回は「4TEEN」のときよりそれぞれの世界が広がっています。
社会とのつながりが出てきました。
四人組の一人・ダイは定時制の高校に通いながら築地の市場で働くという他の三人とは全く違った生活を送っています。
前作ではパワフルで大らかなイメージだったのですが、今作ではそれに加えて「働くお父さん」としてのイメージがあります。
ユウナさんという人と同棲していて、その人の子(ダイの子ではない)の面倒も見ています。

さらに、ナオトは早老症という他の人の数倍早く老化していってしまう病気を患っているのですが、二年前に比べて老化が進行していました。
40代になると生存率が極端に下がるなど、具体的な死の時期まで作品内で言及があり、この点も前作に比べてリアルです。

また、友達同士での「裏切り」というのもありました。
四人のうちのある一人に彼女が出来たのですが、いつの間にか残る三人のうちの一人とこの彼女が仲良くなってしまったのです
友達の彼女を奪うのはかなりドロドロした展開が予想されるな…と思ったのですが、事態は意外な展開を見せ、そう来るかと思いました。
人を印象だけで判断してはいけないなと思いました

ジュンは四人の中で最も優等生で、開城学院という東京で一番の進学校に通っています。
毎年東大に170人くらい合格するらしく、ジュンもそうなるのではないかと言われています。
開城学院というのはおそらく、現実世界にある開成高校をモデルにしているのではと思います。
こうして文字を書いてみると、「城」と「成」で字も似ていることに気付きました^^

テツローはこの作品の語りをしていて、四人の中では最も「普通」なイメージです。
しかし今作では結構テツローが活躍する場面がありました。
あまり派手ではないけれど、何かをする際には重要な役割を担う感じです。
みなさんの友達の中にもそういったまとめ役的な人がいたりするのではないでしょうか

というわけでこの作品は、仲良し四人組を中心とした見事な青春小説になっています
舞台は東京・晴海なのである程度街のイメージが湧く点も良いです♪
すぐ近くのお台場のフォトギャラリーが少し参考になると思うので、ご覧になる方はこちらをどうぞ。
子供でも大人でもない16歳の青春時代。。。この作品を読んでいると、自分はどうだったかなと思わされます。
私は専ら部活に明け暮れていました。
16歳は中学から高校に変わり、大人に一歩近付くときでもあります。
粋がったり大人ぶったりする人も出てきますしね^^
そんな青春時代を思い出したい人も、今まさに青春時代の人も、楽しめる作品ではないかと思います。
興味を持った方は読んでみてください


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