鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

2013.10月取材旅行「ふたたび押切と桐生」 その5

2013-11-26 05:05:04 | Weblog
熊谷在住のBさんは、崋山の三ヶ尻調査の内容を知るためには、『訪瓺録』とともに『客坐録』を併せ読むべきである、と教えてくれました。『客坐録』は備忘録とでも言えるもので、記録しておきたい情報や文物の絵などが収められたもの。三ヶ尻関係や足利関係、つまり『毛武游記』の旅関係の記事や絵等は、その「天保二年八月」の中に収められています。記事中には、「三尻村黒田氏」、「上野國山田郡薗田庄桐生村」、「三尻村清水井戸」、「運派塚 三尻村」、「黒川茸 方言ボクリツカケ」、「三尻八幡」、「前小屋天神」、「高島村伊丹新左衛門 号水郷 弟唯右衛門 号溪斎」、「黒田平蔵」、「下押切持田宗右衛門」、「観音山」、「三尻村隣村 舞臺村」、「東楊寺 押切村」、「大麻生村」、「深谷」、「槐市古澤喜兵衛 大麻生村名主 子吉之介」、「桐生風流」、「岡田隆助 トウウ」、「烏洲」、福田ソウテイ」などといった、すでに今まで触れてきたことのある地名や人名などが多数出て来ます。出てくる順序は、必ずしも時系列とは言えず、それぞれの場において紙にサラサラとメモをしたり描いたものを、あとで無造作に(しかし丁寧に)まとめたもののように思われます。崋山が旅の途次、何に興味関心を持ったのかを知る上で、大変貴重な資料です。 . . . 本文を読む