唯識に学ぶ・誓喚の折々の記

私は、私の幸せを求めて、何故苦悩するのでしょうか。私の心の奥深くに潜む明と闇を読み解きたいと思っています。

第三能変 心所相応門 (11) 心所について

2012-11-17 22:13:26 | 心の構造について

100心所相応門・第三総結

 「諸の心所法は皆所縁の於に兼ねて別相を取る。」(『論』第五・二十左)

 (諸々の心所法は、すべて所縁に対して、総相と別相を認識するのである。)

「論。諸心所法至兼取別相 述曰。第三總結上類解頌此心所三字竟。自下第二別解遍行等義 問既言心所名義乃同。有何差別。(『述記』第五末・七十六右。対象43・422b)

 (「述して曰く、第三に総じて上を結ぶ。類して頌の此の心所と云う三字を解し竟んぬ。

 自下は、第二に別して遍行等の義を解す。問、既に心所と言う名義乃ち同なり。何の差別か有るや。」)

 自下、これからの所論は、遍行等の意味を個別に説明する。

 ① 総標(まとめて示す)
 ② 列位(六位それぞれの心所数を列記する)
 ③ 結数(六位の心所数の合計の数を示す)
 ④ 釈名(心所の名の由来について説明する)
 ⑤ 会文(他の文献を会通する)
 ⑥ 総結(まとめて結ぶ)

 「諸の心所は、名も義も異なること無しと雖も、而も六位の種類差別なること有り。」(『論』第五・二十左)

 (諸々の心所は、名も意味も異なることはない、けれども六位の種類の区別は有るのである。)

 六位の区別

 ① 遍行
 ② 別境
 ③ 善
 ④ 煩悩(根本煩悩)
 ⑤ 随煩悩
 ⑥ 不定

「論。雖諸心所至種類差別 述曰。下文有六。一總標。二列位。三結數。四釋名。五會文。六總結。此初也。心所3名義雖同。而體一一類各別故。(『述記』第五末・七十六右。大正43・422b)

 (「述して曰く、下の文に六有り。一に総標、二に位を列す、三に数を結ぶ、四に名を釈す、五に文を会す、六に総結。此は初なり。心所には名義同なりと雖も、而も体一一に類各別なるが故に。」)