Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

世界中に「慰安婦像」は増え続けるだろう

2018-01-14 | Weblog
フィリピンを訪問した野田聖子総務相は9日、首都マニラでドゥテルテ大統領と会談し、昨年12月にマニラ湾沿いに旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する女性像が設置されたことについて「こうした像が唐突にできるのは残念だ」と伝え、政府間で対応を協議するよう求めたという。

「残念だ」って、そりゃどっちが言うせりふだ。
まず、日本がフィリピンに与えた加害について、正しい認識があるとは思われない。
日本が正当に行ってきたと考えているかもしれない「謝罪」がまったく信用されておらず、そのために像の設置が必要だと、あらためて、相手が考えているのだ。
そこがわかっていない。

AP通信によると、フィリピンの女性団体ガブリエルラは同日、ドゥテルテ大統領に日本の要請をすべて断るように求めると共に、「日本皇軍によって性奴隷として連れられてきたフィリピンの女性たちに対する日本の公式謝罪と補償を要求しなければならない」と強調したという。
フィリピン大統領官邸のロケ報道官は、11日に「ドゥテルテ大統領が議論されている慰安婦の銅像に対して何の措置もしないだろう」「この銅像を外交問題とは考えていない」と説明したという。

二年前、取材で、フィリピンのロラズハウス(LILA PILIPINA LOLAS CENTER)に行った。
第二次世界大戦中、日本軍の慰安婦とされた女性たちの支援センター・資料センターである。
思いがけず、かつて慰安婦とされた方々が、ご自分から「体験を話しましょう」と、語ってくださった。
その時のブログを読んでいただければ幸いである。

http://blog.goo.ne.jp/sakate2008/s/ロラズ


日本政府は、いったい何がしたいのか。
慰安婦像問題を受けての、韓国に対する河野外相の態度も、ひどい。

このままでは世界中に慰安婦像が増え続けるだろう。
既に、戦時の責任でなく、現在の日本外交の問題に、変容している。
日本という国が、過去の歴史を正しく認識せず、自らが行った行為による被害に向き合わない、と思われている。
相手への思いやりなどなく、政府間の外交問題で「けりがついた」として、開き直っている、と受け取られている。
そうした姿が傲慢であると、日本自らが世界じゅうに情報発信しているようなものだ。
それが多くの国の反発を呼び、あらためて非難を浴びることになり、そのために、像は増え続けている。それが現状だ。
少しも「唐突」などではない。
日本政府が自分で撒いた種である。

「一度政府間で話しあって解決した」から「それですんだ」、と言ってのけるような問題ではない。
誠意を持って過ちを繰り返さないという決意を示し、きちんと向き合い続けることが必要である。

昨年、筒井康隆氏のブログによる、韓国の慰安婦像に対する性的な侮辱の発言も、残念だった。
それを筒井氏自らが「炎上狙い」で自らTwitterにアップしたことにも、呆れた。(Twitterは現在は消されているという)
本当に残念である。
コメント (2)
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チェンマイの街頭販売

2018-01-14 | Weblog
このチェンマイの街頭販売(屋台ぽい)が、何を作っているかは、秘密である。

私も関わる演劇『リタイアメン』が、いかなる芝居かも、まだ秘密である。

というか、不明である。

我々は、改訂されたラストシーンを、まだ作っていないのだ。

明日が天王山。


しかし、疲れているという自覚がない私が、どうやら疲れている。

毎日午後からは稽古だ。

二日に一日は午前中、自分の創作と関係のない会議。いろんなところの。


で、昨日午前は劇作家協会戯曲セミナー研修課の、授業。

パンフ原稿、選評、書評、等の締切が、迫っている。

今度出版される『神々の国の首都』についてのノートも、まだ止まっている。

7月新作のためにもじわじわと仕事を始めねばならない。


はい。

働きます。


しかし、じつは、お仕事にならない事項の方が、山のようにあるのだ。


もろもろ。


そして、

はい。

「Me too」運動の件も、私のほうにまで波及してきている。

いろいろな相談が持ち込まれてくるのだ。

頼られた以上は、動かなければなるまい。



…………

アジア共同プロジェクト『リタイアメン』

作◯清水弥生 演出◯坂手洋二 ニコン・セタン

1/18 (木)~21(日)@森下スタジオ

退職後に東南アジアに移住する日本人ロングステイヤー「リタイアメン」の実態を追う青年。気楽で穏やかそうに見える、セカンドライフの裏にあるものとは? 彼らの受け入れに戸惑う人々。国境をまたぎ生活する海外移住労働者の厳しい現実。
私たちは、お互いの違いを認め、共に歩むことができるのだろうか。タイ・フィリピン・日本を舞台にユーモラスに描き出す、試行錯誤と共生の物語。

国内公演情報

http://rinkogun.com/RETIRE-MEN_Tokyo.html

海外ツアーの情報、英語版

http://rinkogun.com/RETIRE-MEN_Tour_Eng.html

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