Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「やみつきになる」という褒め言葉

2019-07-31 | Weblog

いっぺん読み出すとやみつきになる。

翻訳者の小川彩さんがそう言ってくれた、『8分間』。

実は日本語よりも先に英訳出版されています。https://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/72d8beb6f214978d3b90eb9101af4a82

 

彩流社さんによる「坂手洋二戯曲集」第5回配本。

戯曲集『8分間  / ゴンドララドンゴ 』(彩流社)。

 
『8分間 』はほぼ同じだが微妙に違う8分間が繰り返されるという劇だ。
 
読んだ方からやはり「やみつきになる」と言われ、「どうやって上演したんだ?!」という声もあり。
 
なるほど、芝居を見ていないとそういう想像する楽しさがあるんだな。
 
 

初めての「SF戯曲集」。

上演中の下北沢ザ・スズナリ『熱海殺人事件 VS 売春捜査官』ロビーでも販売しています。

 

四六判 / 440ページ / 並製  定価:2,400円 + 税 

ISBN978-4-7791-2422-8 C0074

http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-2422-8.html

 
 
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本日7/31(水) トークゲストは 加藤和夫(東映ビデオ常務取締役 エグゼクティブ・プロデューサー)さん。つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』。

2019-07-31 | Weblog

つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』。

トークゲストは 加藤和夫(東映ビデオ常務取締役 エグゼクティブ・プロデューサー)さん。

加藤和夫さんは東映ビデオ常務取締役だが、とにかく「東映Vシネマ」を始めた人である。いろいろなところで名前を見るし、かなり多岐にわたって仕事をしているようだ。

私は一年間だけ在籍した慶應義塾大学演劇研究会でご一緒した。私が十九歳のときの初演出の芝居にも出てくれている。そりゃこの世代だから、当時はみんなつかこうへい作品を観て、読んで、その背中を見ていたはずである。

 

終演後、本公演の前売券をお持ちの方、ご予約の方は、ご入場頂けます。明日以降のゲストは、以下の皆さんです。

8/1(木)  マキノノゾミ脚本家・演出家・俳優) 

8/2(金)  松岡錠司(映画監督)

8/3(土)  渡辺弘(彩の国さいたま芸術劇場 事業部長)


写真は、舞台より。全出演者が写っている! 何のシーンかは、御覧になってのお楽しみ。(撮影・古元道広

 

戦後演劇の金字塔『熱海殺人事件』、 その発展形『売春捜査官』。

二人の「くわえ煙草伝兵衛」が、激突します。

http://rinkogun.com/Atami_vs_Baisyun.html

 
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つゆ→なつ

2019-07-30 | Weblog

ということになってしまったようだ。

暑いのは嫌だ。

写真は、某ラーメン居酒屋。長期休みに入ったらしい。

 

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本日は昼夜2ステージ。夜のトークゲストは横内謙介さん。つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』。

2019-07-30 | Weblog

つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』。

本日は昼夜2ステージ。14時と19時開演。

夜のトークゲストは横内謙介さん。

 

横内謙介さん、マキノノゾミさんという、同世代の演劇人たちは、つか作品、とくに『熱海殺人事件』に影響を受けている。凡百の「演劇教育」よりも一本の『熱海殺人事件』が多くの演劇人を育てたのだと私は思っているのだが、いのうえひでのり氏と並んで、まさにそのど真ん中にいるお二人。観てもらうのはなんだか緊張するのである。


終演後、本公演の前売券をお持ちの方、ご予約の方は、ご入場頂けます。明日以降のゲストは、以下の皆さんです。

 

7/31(水)  加藤和夫(東映ビデオ常務取締役 エグゼクティブ・プロデューサー

8/1(木)  マキノノゾミ脚本家・演出家・俳優) 

8/2(金)  松岡錠司(映画監督)

8/3(土)  渡辺弘(彩の国さいたま芸術劇場 事業部長)


写真は、円城寺あや、木下智恵。(撮影・古元道広)

 

戦後演劇の金字塔『熱海殺人事件』、 その発展形『売春捜査官』。

二人の「くわえ煙草伝兵衛」が、激突します。

http://rinkogun.com/Atami_vs_Baisyun.html

 
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ロシアの演劇人教育、教科書的出版物などについて、ヒアリング

2019-07-29 | Weblog

【会場変更のお知らせ】

明日8月2日(金)の教育出版部会の集まりですが、ご参加者が多数のため会場を当初予定してしておりました芸能花伝舎3Fの事務局前フリースペースから、芸能花伝舎1Fの「 A2 」部屋に変更させていただきます。

ご確認のうえ、直接1F A2室にお越しください。

なお、施設の開場時間も10:00~のため、それまではご入場いただけません。

当初開始予定は10:00でしたが、解錠と机イスの配置等の時間を考慮して、10:10開始ということでご了承願います。

どうぞよろしくお願いいたします。

山崎てつし拝 ted803@gmail.com 090-3212-6907

 

 

これは限定情報として出させて頂きます。6月にロシアでお世話になった、当時ロシア・シチェープキン演劇大学院にいらした横尾圭亮さんにお話を聞く会を催します。

日本演出者協会の教育出版部会(準備会)の企画です。会場の問題がありますので、協会外の方はとくに事前に一番下の山崎さんのアドレスにご一報いただけますと幸いです。


【告知】~演劇の教科書をつくる~ 今回のはスペシャル会としてゲストに横尾圭亮さん(ロシア・シチェープキン演劇大学院)をお招きして、ロシアの演劇人教育、教科書的出版物などについて、ヒアリングをさせていただく機会にしたいと思います。

8月2日(金)午前10:00~11:40頃 新宿・芸能花伝舎

現在、日本演出者協会・教育出版部で進めている「演劇の教科書」(的なもの)作りや、ロシア演劇事情にご興味のある方は、どなた様でも是非ご参加いただければと思います。(協会員以外の方も若干名ですが可能です)

現在、日本での演劇の「啓蒙と普及」を目的に、教育出版部準備会で検討している「教科書」(的なスタンダードなもの=通称)の出版物について、進行状況などをお知らせする機会にもしたいと考えています。 そして協会員のみなさん、部会の新メンバーも募集しています! 直前のお知らせではありますが、ご検討どうぞよろしくおねがいいたします。 (尚、ご参加ご希望の方は、こちらにご一報いただけますと幸いです) → 山崎哲史 ted803@gmail.com

写真はサンクトペテルブルグのボリショイ劇場。

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本日のトークゲストは岡本麗さん。つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』。

2019-07-29 | Weblog

つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』。

今週夜の回は、ゲストと坂手洋二によるアフタートークを予定しています。

本日 7/29(月) は、岡本麗さんです。

岡本麗さんは、つかこうへい事務所の中心俳優の一人で、主演した『寝取られ宗介』初演の印象は強烈だ。『熱海』ではハナ子を演じたことがある。

彼女の一人芝居『たたかう女』(写真)を作・演出させていただいた(1995〜)。ラジオのスタジオに閉じ込められたキャスターの女性が、自分の担当するなつかしのB級SF映画の紹介番組の内容として、一九五〇年代のB級SF映画「地球最終放送」(原題「たたかう女」)をノンストップトークしている。たばこを取りにスタジオの外に出ようとするが、スタジオがオンボロで扉が開かない。ふと不安になり、片っ端から放送を聞いてみるが、他に放送している局はみつからない。知り合いに電話をかけまくるが通じない。「地球最終放送」の内容がほんとうになったのだろうか......。という、内容である。他に、二本の映画の内容を演じきる。映画の内容と併行して、彼女の実際の人生が浮き彫りになってゆく。脚本は初演年の「テアトロ」誌に掲載されている。

舞台上に昔の公園によくあった、グローブ・ジャングルが鎮座しているという設定が、楽しかった。

トム・プロジェクト制作の演劇の第二弾でもあった。麗さん出演のクロレッツのCMが大ヒットしていた頃だ。三年くらい全国ツアーをしたはずである。これも素敵だった。初演の打ち上げで夜明けに「海に行こう!」と言い出して、私たちは本当に朝、海に行ってしまった。

 

終演後、本公演の前売券をお持ちの方、ご予約の方は、ご入場頂けます。明日以降のゲストは、以下の皆さんです。

 

7/30(火)  横内謙介(劇作家・演出家・扉座主宰)

7/31(水)  加藤和夫(東映ビデオ常務取締役 エグゼクティブ・プロデューサー

8/1(木)  マキノノゾミ脚本家・演出家・俳優) 

8/2(金)  松岡錠司(映画監督)

8/3(土)  渡辺弘(彩の国さいたま芸術劇場 事業部長)

 

戦後演劇の金字塔『熱海殺人事件』、 その発展形『売春捜査官』。

二人の「くわえ煙草伝兵衛」が、激突します。

http://rinkogun.com/Atami_vs_Baisyun.html

 
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『東京裁判』トークショーに出演します

2019-07-28 | Weblog

いよいよ今週末リバイバル公開の映画『東京裁判』、アフタートークに出演します。

【トークショー】渋谷ユーロスペース 8月4日(日) 11:00の回上映後。

 

 

アメリカ国防総省が撮影していた50万フィートに及ぶ膨大な裁判記録のフィルムをもとに、小林正樹監督が5年の歳月をかけて編集、制作した映画『東京裁判』。
83年初公開から、今夏、36年ぶりにリバイバル。4時間37分。
 
公式Webにコメント書きました。
先月、初のロシア滞在中に書いたので、歴史と世界の推移を思い、なんだか不思議な感覚だった。
 
 

『東京裁判』は二度観るべし。

封切りの年、二番館の三軒茶屋中央で、観た。もう一度観ることができて、よかった。今この時代に、重く響く。

「戦争犯罪人」とは、何か。それを思うだけで、眩暈がする。「歴史の一ページ」ではない。そこには、具体的な、各々の価値観を生きた人間たちがいる。戦争という形で他者を蹂躙することを、当然のこととして、選択した者たちがいる。

「人間宣言」をした昭和天皇が免罪されたという経緯の胡散臭さ。天皇の責任を追究する判事ウエッブに、もうひと頑張りしてもらいたかったと思う。

様々な「都合」によって、戦時も、戦後も、当事者にとっては極めて重大なことが、いとも軽々と、決定されていく。「法廷の椅子が二十八しかないために罪を免れた者もいる」というナレーションには、戦慄する。

被告どうしの「なすりあい」の醜さ。そして、「これは日本軍隊の組織の中に育まれた非人間性の表れであった」というナレーション。私たちは、その「非人間性」が現在の日本に温存されているという事実を、認めざるを得ない。

それにしても、この国が、歴史に学ばない国であるということを、あらためて、とことん思い知らされる。

 

http://tokyosaiban2019.com/index.php?id=topsecond

 

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初めての「SF戯曲集」、『8分間 / ゴンドララドンゴ 』出ました

2019-07-28 | Weblog

戯曲集『8分間  / ゴンドララドンゴ 』(彩流社)、出ました。

彩流社さんによる「坂手洋二戯曲集」第5回配本。

このシリーズでは書き下ろすことになっている、解説、作品ノートは抑えめにしたが、それでも440ページである。

こんなに分厚い本になるとは思わなかった。『8分間 』はほぼ同じだが微妙に違う8分間が繰り返されるという劇だから、とにかく分量は多いのだ。

 

編集担当は、林田こずえさん。

彼女が選んでくれた、帯に引用されたせりふは、以下の通り。

「どっちみち死んじゃうのだから、愛しあわなければならない」(『8分間』)

「自分の命と引換えに世界中の人が救われるとしたら」(『ゴンドララドンゴ』)

そして、

「もう一人の自分」と対峙することで世界を捉え直す、「坂手SF」

と、まとめてくれている。

初めての「SF戯曲集」ということになるのだ。

 

このシリーズ、まだまだ続きます。

 

上演中の下北沢ザ・スズナリ『熱海殺人事件 VS 売春捜査官』ロビーでも販売しています。

 

四六判 / 440ページ / 並製  定価:2,400円 + 税 

ISBN978-4-7791-2422-8 C0074

http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-2422-8.html

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福島第一原発のあまりにも悲惨な現状

2019-07-27 | Weblog

福島第一原発のあまりにも悲惨な現状。

ブログに新聞記事をそのままシェアすることはしない主義だったが、貼り付けます。

東日本大震災のその後の福島をずっと追いかけてきた、東京新聞の片山夏子さんと、小川慎一さんの記事。

 

福島第一原発は来月から排気筒解体工事が行われるが、どう考えてもこれは難工事である。猛暑・台風の中、凡ミスが続き着工が遅れ、最悪のタイミングで行われる。

「二年前に東電のトップが代わり、福島第一への熱意が感じられなくなった。人と金を出し渋っているのではないか」と、経産省の担当者が発言しているのである。

 

 

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つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』、本日開幕

2019-07-27 | Weblog
つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』、ついに初日。
 
 
昨日はプレビュー。「百度以上『熱海殺人事件』を観てきた」という方がいらっしゃって、興奮のメッセージをいただきました。「つかさんは褒めてくれるでしょう」というお言葉もいただきました。
 
 
戦後演劇の金字塔『熱海殺人事件』、 その発展形『売春捜査官』。  二人の「くわえ煙草伝兵衛」が、激突します。
 
これは「事件」だ、という声の中、本日開幕です。
 
 
写真は、木下智恵。つかさん自身の指導で演じた女部長刑事を、九年ぶりに演じます。(撮影・姫田蘭)
 
 
当日パンフレットに記載した拙文をこちらにも掲載します。
 
 
つかこうへい氏は、演劇雑誌〈新劇〉の連載「熱海殺人事件必勝法」第一回で、こう記している。(一九八〇年七月号)

 

そろそろ地方の真面目な演劇青年たちのために言っておこうと思う。

先日も、土佐の高知に行ったのだが、相変わらず「熱海」であり、「新宿」であり「六本木」である。

高知なんてのは由緒ある桂浜があり、坊さんがかんざしを買ったという播磨屋橋があるというのに、第一、客がかわいそうである。

六本木でどうしたとか、新宿でこうしたなんて見知らぬ地名を出されても、臨場感など湧くはずはなかろう。

はっきり言っておくが、一字一句間違えずにせりふを言われたって、作者は何も嬉しくはない。

最低、高知だったら高知で、『熱海殺人事件』を『桂浜殺人事件』と変えて上演する作者への礼儀をもってほしいということなのだ。

秋田だったら『八郎潟殺人事件』、北海道なら『登別殺人事件』ができる。

 

地方から出てきたばかりで演劇青年ともいえなかった当時の私は、これを読んでいる。その時には自分が将来『熱海殺人事件』を上演する日が来るとは夢にも思っていなかった。

あれから三十九年。東京在住ではあるが、「ここに生きている」とも言えぬようにゆらゆらと漂ってきたような気がしている私が、『熱海殺人事件』に取り組むさい、つか氏の言われるように、「いま自分自身がどこにいるのか」を真摯に考え、『熱海殺人事件』を『××殺人事件』と変えて上演しなければ、「作者への礼儀を尽くせない」ことになってしまうと考えた。

ただ、私は、可能な限り新たに書き加えることはせず、できるだけつかさんのせりふだけで上演したいと思った。なので前半は、構成し直しているところはあるが、私が書き加えたところは、まったく、ない。

後半はつかさんが「『熱海殺人事件』必勝法」で提示された理論に従い、場面設定を変更させていただいた。『売春捜査官』が中心になるのだが、なぜこの部長刑事が「売春捜査官」でなければならなかったのか、その点を中心に、現在という時間にアップデートする形で、プロットを再構築させていただいた。明らかな舞台設定の違いゆえに変化したり付け加わったところも幾ばくかはあるが、「売春捜査官」である部長刑事と、その周囲の人々のせりふは、ほぼつかさんが書かれたものばかりである。これはもう意地になっているくらいに、設定のために変更された固有名詞以外はつかさんのせりふ中心で繋いでみたところが多い。意味がずれて使われたりしている箇所も幾つかあるが、そこは許容範囲と思っていただきたい。

『売春捜査官』の「李大全」にまつわるエピソードは、つか氏ご自身が演出される場合はともかく、私には手強すぎた。ここも、なぜ彼女が「売春捜査官」なのか、という本筋をよりすっきりさせる形で、設定を変えて上演させていただいた。といっても、『熱海殺人事件』が「モンテカルロ・イリュージョン」になるほどの改変ではない、と思うのだが。

この冒険を許して下さったつかこうへい事務所さんに感謝すると共に、勝手な理屈かもしれないが、この仕事を通して、つかこうへい氏と共同作業をさせていただいているような、不思議な充実感を得させていただいていることを、とてもありがたく思っている。

 

http://rinkogun.com/Atami_vs_Baisyun.html

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清中愛子さんが、永瀬清子現代詩賞を受賞

2019-07-27 | Weblog

 

清中愛子さんの「撫子の偽り」が、第四回永瀬清子現代詩賞に決まりました。

清中愛子さんは8年前、第18回三田文学新人賞の選考会で、彼女の「宇宙みそ汁」をめぐって審査員の吉増剛造氏と私が衝突し、詩部門の受賞作本選には選ばれなかったものの、なんと審査員会の判断で「坂手洋二奨励賞」という賞をこの年に限り新設して、「宇宙みそ汁」がその受賞作となった経緯がある。

https://www.keio.ac.jp/ja/news/2011/kr7a43000007y0xe.html


「宇宙みそ汁」は、その翌年、演劇として上演した。

http://rinkogun.com/2011-/entori/2012/7/2_Uchu_Miso_Shiru.html


こんかいの清中さんの受賞作「撫子の偽り」と29編の優れた作品を編んで作る詩誌「いつかだれかにわたしの思いを」が、11月、表彰式に合わせて発刊されるそうです。

おめでとうございます。

清中作品の魅力が、より多くの人に知られることになりそうです。

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つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』、初日前日

2019-07-25 | Weblog
つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』、初日前日。
26日(金)、プレビュー。
27日(土)、初日です。
ちょっと早いですが、当日パンフレットに記載した拙文をこちらにも掲載します。
 
 
つかこうへい氏は、演劇雑誌〈新劇〉の連載「熱海殺人事件必勝法」第一回で、こう記している。(一九八〇年七月号)

 

そろそろ地方の真面目な演劇青年たちのために言っておこうと思う。

先日も、土佐の高知に行ったのだが、相変わらず「熱海」であり、「新宿」であり「六本木」である。

高知なんてのは由緒ある桂浜があり、坊さんがかんざしを買ったという播磨屋橋があるというのに、第一、客がかわいそうである。

六本木でどうしたとか、新宿でこうしたなんて見知らぬ地名を出されても、臨場感など湧くはずはなかろう。

はっきり言っておくが、一字一句間違えずにせりふを言われたって、作者は何も嬉しくはない。

最低、高知だったら高知で、『熱海殺人事件』を『桂浜殺人事件』と変えて上演する作者への礼儀をもってほしいということなのだ。

秋田だったら『八郎潟殺人事件』、北海道なら『登別殺人事件』ができる。

 

地方から出てきたばかりで演劇青年ともいえなかった当時の私は、これを読んでいる。その時には自分が将来『熱海殺人事件』を上演する日が来るとは夢にも思っていなかった。

あれから三十九年。東京在住ではあるが、「ここに生きている」とも言えぬようにゆらゆらと漂ってきたような気がしている私が、『熱海殺人事件』に取り組むさい、つか氏の言われるように、「いま自分自身がどこにいるのか」を真摯に考え、『熱海殺人事件』を『××殺人事件』と変えて上演しなければ、「作者への礼儀を尽くせない」ことになってしまうと考えた。

ただ、私は、可能な限り新たに書き加えることはせず、できるだけつかさんのせりふだけで上演したいと思った。なので前半は、構成し直しているところはあるが、私が書き加えたところは、まったく、ない。

後半はつかさんが「『熱海殺人事件』必勝法」で提示された理論に従い、場面設定を変更させていただいた。『売春捜査官』が中心になるのだが、なぜこの部長刑事が「売春捜査官」でなければならなかったのか、その点を中心に、現在という時間にアップデートする形で、プロットを再構築させていただいた。明らかな舞台設定の違いゆえに変化したり付け加わったところも幾ばくかはあるが、「売春捜査官」である部長刑事と、その周囲の人々のせりふは、ほぼつかさんが書かれたものばかりである。これはもう意地になっているくらいに、設定のために変更された固有名詞以外はつかさんのせりふ中心で繋いでみたところが多い。意味がずれて使われたりしている箇所も幾つかあるが、そこは許容範囲と思っていただきたい。

『売春捜査官』の「李大全」にまつわるエピソードは、つか氏ご自身が演出される場合はともかく、私には手強すぎた。ここも、なぜ彼女が「売春捜査官」なのか、という本筋をよりすっきりさせる形で、設定を変えて上演させていただいた。といっても、『熱海殺人事件』が「モンテカルロ・イリュージョン」になるほどの改変ではない、と思うのだが。

この冒険を許して下さったつかこうへい事務所さんに感謝すると共に、勝手な理屈かもしれないが、この仕事を通して、つかこうへい氏と共同作業をさせていただいているような、不思議な充実感を得させていただいていることを、とてもありがたく思っている。

 

写真:斎藤スタジオ
©つかこうへい事務所

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つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』、まもなく激突。

2019-07-25 | Weblog

つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』、劇場入りしています。

昨日は、場当たり。

小林巨和さんの衣裳は、完璧。劇世界をみごとに立ち上がらせてくれています。

 

写真は、木下智恵、猪熊恒和。

 

つかこうへい氏オリジナルの『売春捜査官』に主演している木下智恵ですが、今回も部長刑事を演じます。

彼女の新しい代表作になると信じます。

 

そして、猪熊恒和にこの役を、というのは、最初から決めていました。

一緒に芝居をして三十五年になりますが、今回もこの男でなければできないことをやってくれます。

 

戦後演劇の金字塔『熱海殺人事件』、 その発展形『売春捜査官』。

二人の「くわえ煙草伝兵衛」が、激突します。

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『熱海殺人事件』トークゲストのご紹介

2019-07-22 | Weblog

金曜日にプレビュー開催、土曜日に初日が幕を明ける、つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』。

坂手洋二とゲストによるアフタートークを予定しています。

終演後、本公演の前売券をお持ちの方、ご予約の方は、ご入場頂けます。

 

7/29(月)  岡本麗女優

7/30(火)  横内謙介(劇作家・演出家・扉座主宰)

7/31(水)  加藤和夫(東映ビデオ常務取締役 エグゼクティブ・プロデューサー

8/1(木)  マキノノゾミ脚本家・演出家・俳優) 

8/2(金)  松岡錠司(映画監督)

8/3(土)  渡辺弘(彩の国さいたま芸術劇場 事業部長)


岡本麗さんは、つかこうへい事務所の中心俳優の一人で、主演した『寝取られ宗介』初演の印象は強烈だ。『熱海』ではハナ子を演じたことがある。彼女の一人芝居『たたかう女』を作・演出させていただいた(1995〜)。三年くらい全国ツアーをしたはずである。これも素敵だった。打ち上げで夜明けに「海に行こう!」と言い出して、私たちは本当に朝、海に行ってしまった。

横内謙介さん、マキノノゾミさんという、同世代の演劇人たちは、つか作品、とくに『熱海殺人事件』に影響を受けている。凡百の「演劇教育」よりも一本の『熱海殺人事件』が多くの演劇人を育てたのだと私は思っているのだが、いのうえひでのり氏と並んで、まさにそのど真ん中にいるお二人。観てもらうのはなんだか緊張するのである。

加藤和夫さんは東映ビデオ常務取締役だが、とにかく「東映Vシネマ」を始めた人である。私は一年間だけ在籍した慶應義塾大学演劇研究会でご一緒した。私の十九歳の初演出の芝居にも出てくれている。そりゃこの世代だから、当時はみんなつかこうへい作品を観て、読んで、その背中を見ていたはずである。

映画監督の松岡錠司さんも同世代である。「ぴあ」のフィルムフェスティバルから始まり、『バタ足金魚』、そして『深夜食堂』へ。時代と向き合う姿には、いつも励まされている。昔から時々遭遇するのだが、お互いシャイなので、ちゃんと話したのは最近なのである。

渡辺弘さんは、現在は彩の国さいたま芸術劇場が中心だが、いろいろな劇場で重要な作品を送り出してこられている。この四十年、演劇界の変遷に立ち会ってきた人である。松本市民芸術館や蜷川幸雄氏との仕事でもお世話になった。パラしてしまうと、若き日、燐光群の川中健次郎と七十年代に一緒に舞台に立ったこともある方なのだ!

 

戦後演劇の金字塔『熱海殺人事件』、 その発展形『売春捜査官』。

二人の「くわえ煙草伝兵衛」が、激突します。

http://rinkogun.com/Atami_vs_Baisyun.html

 




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つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』、いよいよ今週末、開幕。

2019-07-22 | Weblog

つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』、いよいよ今週末、開幕。

私たちにとっては極めて異例な、つかこうへい作品への挑戦に、戸惑いながら、困難を乗り越える過程を楽しむ日々。

私たちなりに、つか作品の魅力を、あますことなく引きだすために。

 

写真は、大西孝洋。立ち稽古初期の写真。
 
彼だけが、つか作品オリジナルにないせりふを多く喋る。後半のある部分の設定変更のため必要なのである。そしてそれは、つかこうへい氏自身が1980年から雑誌「新劇」で連載された「『熱海殺人事件』必勝法」第一回で示した方法に基づいている。もちろん大西はつか作品のせりふそのままの部分も喋る。他の役は、設定変更のため余儀なくされている場合以外は、ほとんどつか作品のせりふ通りである。とくに前半一時間は、構成し直しているところはあるが、私が書き加えたところは、まったく、ない。後半は状況が変わっている場合があるということだ。どういうことか。見ていただければわかる。
 
 
7/27(土)14時・7/29(月)19時・7/30(火)19時の回は、補助席・ベンチシートになる可能性があります(客席追加しているのでまだ売り切れではないです)。比較的見やすい他の回をお勧め致します。ぜひご予約ください。
 
 

戦後演劇の金字塔『熱海殺人事件』、 その発展形『売春捜査官』。

二人の「くわえ煙草伝兵衛」が、激突します。

http://rinkogun.com/Atami_vs_Baisyun.html

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