Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

東京はソウルより寒くない

2012-01-31 | Weblog
帰国。帰り際にソン・ジェンチェク氏からいただいた自身が代表を務める国立劇団の分厚い写真記録集を渡される。手応えあるお土産。……疲労度もあって迷ったが森下スタジオでトリスタ・ボールドウィンと羊屋白玉による国際共同製作プロジェクト『雌鹿DOE』を観る。これまで〈指輪ホテル〉が試行してきたことを、アメリカ現代戯曲の実践者との出会いで対象化し、ある意味では強度を獲得したといえる作業。前半楽しく観ていたが、肝腎の牝鹿を轢いてからの展開が、いささかベタではないだろうか。ジェーン役のシャイアン・ケースビアーはとても美人。一郎役・解体社の熊本賢治郎が身体を張って支える。わんこそばの場面は96年の劇作家大会盛岡大会を思い出す。客席にいた燐光群の鈴木陽介は何度か〈指輪ホテル〉を観ているというが、97年に〈指輪ホテル〉が梅ヶ丘BOXで新作三本連続公演を行ったことを知らなかったということに、こっちが驚く。二十代の者にしてみれば昔の話なのだなあ。
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オンドル劇場でのリーディング終了

2012-01-30 | Weblog
朝早くから大学路近くの市場で『荷』のための衣裳を探す。翻訳の石川樹里さんがつきあってくださる。明洞まで川沿いを歩いて行くが、寒い。……〈日韓演劇交流センター〉〈韓日演劇交流協議会〉の合同事務局会議。いろいろ大事なことが決まる。今回、私は自作に関するイベントはまったくないが、センター副会長として真面目に仕事しているんである。……畑澤聖悟『親の顔がみたい』リーディング(木村典子&イ・ソンゴン翻訳/キム・ガンボ演出)、アフタートークの司会はチャン・ソンヒ。韓国でも最近「いじめ」が問題になっていて先週もまた子供の自殺があったということもあって、ビビッドな反応。戯曲が持っている、具体的なことだけを語りながらキャラクターもシュチュエーションも明確に示していく力で、俳優陣も韓国らしい直情と巧みな抑制がそれぞれ個性よく現れ、通常のリーディングとは違う緊迫感。『十二人の怒れる男』を彷彿とさせるが、親たち夫婦の関係が描かれていくところが『十二人』にはないところ。終了後、超満員の観客席からは、何度も「豪華なキャスティング」という感想。ここ二、三年の演技賞受賞者がずらり並んでいることもあるらしい。『荷』に出るウ・ミファ、チャン・スンギル以外も、ト書き読み以外十三人のうち九人が私の劇に出たことがある。木村典子&キム・ガンボを窓口に韓国演劇とふれあってきた私だが、この人たちの人脈が凄いのか、彼ら周辺がほんとうに実力をつけて韓国演劇界の中心となってきたのか、いずれにせよ素晴らしい。畑澤聖悟シンデレラボーイ(?!)はさっそくサイン攻めに遭っていたが、『親の顔がみたい』は同じ翻訳・演出で夏に他の劇場で正式上演されることがもう決まっている。他の二作にもオファーが来ているようだ。今回のリーディングは真に意義深い。……ところで、明洞芸術劇場は妙に足下が暖かいと思ったら、客席一つ一つの下に、暖房の吹き出し口がある。つまり足下重視の、いってみればオンドル劇場。市の省エネ条例(これもエラい)のために室温が十九度を超えると停止するというが、基本的に頭は涼しく身体は温かい理想的な観劇環境であった。
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久しぶりの大学路

2012-01-29 | Weblog
午前中、韓国は初めてという前川知大君を案内しがてら、ソン・ミヘンさんも一緒に大学路を散策。午後、大笹吉雄さん著『日本現代演劇史』韓国語版の出版記念会。リーディングは前川君の『プランクトンの踊り場』(石川樹里翻訳/ホン・ヨンウン演出)。アフタートークの司会はパク・ヘソン。終えて、シンポジウム「2000年代以降の韓日演劇界の新たな傾向と展望」。前川作品、日本でのオリジナル出演者である〈イキウメ〉の劇団員たちが日本から来ており、ソウルでのリーディング出演者たちと顔合わせ、楽しそうである。
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冬のソウルはオンドル

2012-01-29 | Weblog
「2012年 日本現代戯曲リーディングVol.6」のためソウルへ。日本の〈日韓演劇交流センター〉、韓国の〈韓日演劇交流協議会〉が隔年で交互に戯曲をリーディングしている枠である。今回は蓬莱竜太、前川知大、畑澤聖悟3氏の作品がリーティングされる。開催場所の規模がぐっと大きくなり、明洞芸術劇場での開催。既に全日満席であることがわかっている。今までにない盛況。初日の今日は蓬莱竜太『罪』(イ・へジョン翻訳/アン・ギョンモ演出)、アフタートークの司会はアルコ劇場芸術監督時代に〈坂手洋二フェスティバル〉をやってくれたチェ・ヨンフン。夕方に食べたサンゲタンが効いたかんじ、おそろしく身体にいい気がする。終演後、久しぶりに韓国焼酎。蓬莱君はしっかりしていて大人だ。『エビ大王』の作者ホン・ウォンギもやってきて、飲む。考えてみればこういう季節に来たことがなかったのか、当地の伝統的床暖房オンドルの効果に感心。
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稽古場とは、人が集まる場所

2012-01-27 | Weblog
机に向かって椅子に寝るのを今日を最後にしたくてぎりぎりまで粘る。……緒方さん、ちか坊、美邦どん、大友さんと、スタッフが大勢で一瞬パンクしそうな密度の稽古場。もう少しで諸々の方針が固まるだろう。まだ慌てない。
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刻々と

2012-01-26 | Weblog
このところ、机に向かって椅子に寝てばかりである。それだけの作業量があるのだから仕方がない。……フェイスブックで大学時代の知り合いからの連絡に驚く。いや、驚きゃしないが、あの頃から実質三十年経っているのだ。……午前中、座高円寺で会議。劇作家協会からはマキノノゾミ、渡辺えりのプログラム委員、勢藤事務局長と私。佐藤信さんたちと話すが、ここにもう斎藤憐さんはいないのだ。……午後から稽古、夕方に大友良英さんが楽器をいっぱい持って現われる。あれこれ試す。なんとも楽しい。稽古しているブレヒトの芝居小屋にもいろいろと備品的に鳴り物があり、あれこれ試したりしているうちに時が経つ。……日本の貿易収支赤字。あんまり世間が動揺していないことに、あらためてこの国の「麻痺」を感じる。
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この国も「あばく」べき

2012-01-25 | Weblog
午前中、デヴィッド・ヘアーのドキュメンタリー戯曲の勉強というか研究をしている俳優N君が来訪。『パーマネントウェイ』資料等を見せる。震災についての話も。取材されているわけでも、レクチャーしているというのでも、ないのだが。……午後、稽古。まず方言。前半を集団で動いてみるうち、あっという間に夕方。稽古後、衣裳打合せの準備で、衣裳を倉庫から出して選び出すことを「あばく」と皆さん言っている。衣裳に限らず「倉庫をあばく」などと言うこともあるらしい。漢字で書けばやはり「暴く」のようだが、まあ、整理して必要なものを選び出すわけである。「あばきの名人」もいそうだが、なんだか頼りになりそうな、こわい人のような、である。まあ、今のこの国にも、「あばいて」もらいたいことが山のようにある。……帰宅後は仕事三昧。ようやく我が家も無線ラン環境に。今までの遅い繋がり方は、いったい何だったのだ。
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脱原発への第一歩、電気を選んで買う

2012-01-24 | Weblog
世田谷区は4月以降に公共施設で使用する電力について、現在、東京電力一社である購入先を、50キロワット以上の電気を使うビルや学校、店舗などが電力会社や民間の電気事業者から電気を買う相手先を自由に選ぶことができる電力自由化に伴って参入が進む事業者も含め、入札で決めることに。111の公共施設についても参入が進んでいるPPS=「特定規模電気事業者」も含め入札で決定。合理化、「脱東京電力」は、反原発の第一歩であろう。……稽古。未決定の配役も確定。……夜は太陽族『異郷の涙』。韓国・ロシアから来た俳優たちのエネルギー。大阪演劇人の兄貴・小堀純さんも初日に立ち会う。真夜中の雪。
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下北沢のあたらしい風景

2012-01-23 | Weblog
稽古。大湊出身、青森の村元督さんの方言指導の映像付き音声がブルーレイで届く。皆で確認。ようやく台詞をあたる。……夜、下北沢タウンホールで「風景づくりフェスタ」。小田急線地下化に伴う上部利用計画の案を国内外の学生や団体が提出。グリーンラインを造成するプロジェクトが、電鉄会社を説得し、都の圧力に屈せず、実現なるか? ……司会の小林正美教授は「中津留章仁の恩師である」とのこと。保坂展人区長と久しぶりにお話しする。建築・エコロジー関係等の面白い人達と知り合いになれた。
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冬の雨

2012-01-22 | Weblog
どうにも身体が冷える冬の雨。台本の全体像を皆で探る試行、続く。ちょっと風邪など心配。ニンニクを食べる。
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初雪

2012-01-21 | Weblog
雪の日。午前中は劇作家協会運営委員会。稽古はムーブメントの確認と、台本の全体像を皆で探る試行。夜は梅ヶ丘BOXで非戦を選ぶ演劇人の会の会議。初参加の人たちも加わり賑やか。
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『奇妙旅行』

2012-01-21 | Weblog
美術打合せ。矢内原美邦さん稽古に初登場でただただひたすら身体を動かす俳優陣。大泉学園で立ち食いそば、と思ったら小さいスツールがあった。あうるすぽっとで『奇妙旅行』観劇。韓国で新人演出家賞受賞作というが落ちついたストイックな劇。ウ・ミファも根っこのある存在感。
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高江に防衛局が来た

2012-01-21 | Weblog
アングルが固定されていているけれど雰囲気はわかります。米軍ヘリが防衛局を応援するように訓練という名の威嚇に来ているのもよくわかります。1日居るだけで消耗させられるのも理解できるはずです 昨年同様あるいはそれ以上の実力行使も有り得ます。2月いっぱい攻防が続く可能性があります 行ける方はぜひ応援に行って下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=uBWcSOYbB2U

http://www.qab.co.jp/news/2012011733221.html
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武蔵関から池袋へ

2012-01-18 | Weblog
午前中は梅ヶ丘事務所で劇団・会社の会計について確認。……午後から稽古。台本をまったくさわらず動きだけ。いろいろなことを身体で感じ始める瞬間は、演劇ならでは。明後日の美邦さん登場でまた大きく変わっていくだろう。……夜は「日韓演劇フェスティバル」オープニング。稽古からぞろぞろ移動し『荷』メンバーと出席。彼らと街を歩いていると奇妙な気がするのは武蔵関に籠もって稽古していて外で顔を合わせたことがないからだろう。……韓国版『屋根裏』と『裏屋根裏』出演のジュウオンはフェスティバル参加の『奇妙旅行』のスタッフで日本に来ている。一瞬、立ち話。……ものすごく久しぶりにラーメン屋に入って台湾ラーメンを選択。辛いはうまい。私はさいきんラーメンを食事ではなく嗜好品と思っていて、よほどのことがなければ店に入らなくなっていたのだ。……なんにしても武蔵関から池袋への移動はこれから何回かありそうだ。……私も何度か出演したNHK「週刊ブックレビュー」が、3月で放送終了という。残念。……そういえばNHK深夜のデーモン小暮司会の番組でジョシュ・フォックスによるドキュメンタリー「GASLAND」が紹介されていたようだ。『天皇と接吻』から十二年を経て、彼もいろいろに活躍しているのだなあとあらためて思う。天然ガス開発で汚染された水道について取材している内容。蛇口をひねって出てくる水に火がついたら、そりゃ驚く。フェイスブックには「GASLAND」専用ページがある。
http://www.facebook.com/gaslandmovie?ref=ts
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逃げも隠れもできません

2012-01-17 | Weblog
その前夜に椅子で寝てしまったので、なんとかちゃんと蒲団で寝て目覚める。今かかっている仕事の全貌は、もう一山越えないと見えてこない。……義弟がつくった沖縄人参が送られてきて、これがうまい。ほうれん草も。……稽古場への行きがけにバスの中で川村毅夫妻と遭遇。この辺に住んでいることは知っていたし伊藤克さんらと彼の話をしたばかりだった。お互いが学生の頃から知っているわけだが、ずいぶん時が過ぎたものだ。……一時間前倒しで正午から稽古。矢内原さん抜きだがムーブメントの仮のベースを作る。……閉店間際のスーパーの鮮魚コーナーががらがらなのは日曜夜のNHKスペシャル「知られざる放射能汚染~海からの緊急報告」をみんなが見たからか? 東京湾の河口地域に原発から20㎞圏内と変わらないホットスポットがあるというのは、確かに衝撃だ。……福島第一の事故原因を究明する国会に参考人として招致された文部科学省科学技術・学術政策局の渡辺次長が、国内では事故の発生から2か月近く公表しなかった「SPEEDI」による放射性物質拡散の予測データを、事故直後にアメリカ軍に提供していたことが明白に。この国は自らアメリカの属国でいようとしている。そのことが自立を妨げてきた。すべての矛盾が誰の目にも明らかになるように噴出したのが原発事故で、しかもその後にも敏感に軌道修正していく気配がない。世界から同情されていると同時に軽蔑もされているという現実を、直視しなければならない。
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