Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

城崎にて・春樹の駄目な前書き・奥山君

2014-04-29 | Weblog
〈城崎国際アートセンター〉のオープニングにあわせて、先週末から3日間、豊岡へ。伊丹空港からはプロペラ機、平田オリザ氏と合流。城崎訪問は去年の夏からいうと5回目になるか。
着いたのがオープン前日。中貝市長、オリザらアドバイザーグルーブ、豊岡側の皆さん多くと面談、かなり空気がわかってくる。市役所の向かいの元銀行施設の建物を再利用したホテル・レストランで食事。市長さんも含めためんめんとハシゴ。さらに銀行跡地下にオープンしたばかりの市営バー(と私が勝手に呼んでいるだけ、別団体委託のはず)で北新地から引き抜かれてまだ3週間目というマスターからいろいろ聞く。
4月26日、オープン当日。ホテルの食堂でオリザと向き合って朝飯など摂っていると、四半世紀以上があっという間に過ぎたのだなあとつくづく思う。
市の方々、温泉街の人々、関係者らと、もともとの研修・会議施設から新装なったアートセンターでオープニングセレモニー。センター表で、子供たちのヒップホップダンス。式典は粛々と。内覧会。兵庫の記者さん向け〈劇作家大会〉会見。世界で初めての〈アーティスト・イン・レジデンス〉のための施設が始動。六月十二日からはそこで〈劇作家大会〉が開催されるのだ。
終えて、玄武洞でのNPOの方との〈劇作家大会〉企画公演の野外劇のための打ち合わせ、現地確認、諸々の準備。アートセンターに戻り、さらに現状把握とミーティング。アートセンターのスタジオ・レジデンス部屋中心の確認、夜まで豊岡側と制作中心の打ち合わせ。
翌日は設備、備品関係の確認、進行について、ミーティング。スタジオとロビーの採寸。あっという間に夕方、飛行機で帰路につく。盛りだくさんだった。
伊丹での飛行機乗り換え時に、村上春樹の新作短編集の前書きを立ち読みし、がっかり。最近は政治的発言などでちょっといいところも見せていたのに、いつの間にこんなに呆けたんだろう。要は『女のいない男たち』というパクリの題名を付けたことへの自惚れた言い訳。買わないし、読まないよ。
帰宅して明け方まで膨大なメモをまとめる。

今回、私以外に〈劇作家大会〉準備のため協会から東京から来たのは、考えてみたらやはり四半世紀越えのつきあいである森下紀彦舞監と、大会事務局ヘッドの楢原拓君。そして、〈ろりえ〉という、よく考えたら呆れた名前の劇団の主宰者・奥山雄太君。彼は〈劇作家大会〉期間中、アートセンターのスタジオの一つを小劇場にして、拙作『屋根裏』にインスパイアされたという新作を初演するのだ。
奥山君は高校生の時に燐光群版『屋根裏』を観たことが演劇を始めるきっかけだったという。私が彼の劇を最初に観たのは二、三年前か、〈日本の問題〉というフェスティバルの中で、彼の短篇は断トツに面白かったのだが、その時にはそんな因縁は知らなかった。聞けば彼の年齢は私の半分、こちらがダブルスコアである。親子ほど離れているといっていいわけだ。うーむ。……写真はその奥山君と件の「市営バー」で。
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「日本劇作家大会2014豊岡大会」会長声明文

2014-04-28 | Weblog
「日本劇作家大会2014豊岡大会」について、会長声明文が発表されました。

………………………………

 ご参加頂き、ありがとうございます。

 実に九年ぶりに、劇作家大会を行うことになりました。

 今回の〈こうのとり大会〉の開催については、南河内万歳一座の内藤裕敬さんが数年前から豊岡市で市民の皆さんと演劇創作を行っており、市の決定した〈城崎国際アートセンター〉の立ち上げと共に〈劇作家大会〉の開催ができないかという話になり、やってみないか、と連絡してきてくれたことが端緒です。
 さらに同センターのアドバイザーに平田オリザ氏が就任、いい風向きになってきたと思いました。
 豊岡市におもむき、中貝市長に初めてお目にかかり、こうのとりを育んできた地域の歴史をうかがい、ああ、このタイミングでこの場所で大会を開催できることは、私たちの現在にもっとも相応しく、ありがたいことだと思いました。一度は途絶えかけた〈こうのとりの里〉の歴史が、豊岡の皆さんの誠実な熱意によって蘇り、その命脈を繋ぎ、現在に花開いている姿。
 それこそが、アーティストたちが〈レジデンス〉=滞在制作の時間を得ることによって大きく羽ばたく、あるいはもう一度生気を取り戻す=〈再生〉する、その過程に通じると思ったのです。
 私は個人的にこの大会を〈こうのとり大会〉と呼ぶことにしました。

〈劇作家大会〉のスタートは、1994年9月、北九州市で開催された〈日本劇作家大会’94〉でした。北九州市から同市立芸術劇場設立に向けて、創作にまつわる事業の必要性をアピールするための事業を相談されたところから始まっています。
 北九州市のリクエストに応え、当時はまだ稀少だった「ワークショップ」、演劇関係の教育・講座、地域の演劇の交流と掘り起こし、そして「創作型」事業の重要性をアピールするという役回りを果たし、また、その広がりを促進しました。日本中の演劇にまつわる環境についての、まさに〈革命〉でした。
 同様に、今回の〈こうのとり大会〉では、〈城崎国際アートセンター〉のアイデンティティ、まだ日本では馴染みの少ない〈アーティスト・イン・レジデンスの重要性を、多くの人たちに説得力をもってアピールできると信じています。

「劇作家」という職業の内実が一般に理解されにくかった当時、劇作家の存在意義をアピールするイベントが必要でした。それが〈劇作家大会〉です。
 大成功を収めた北九州大会では、劇作家協会新人戯曲賞の前身となる「新人戯曲コンクール」を行いました。公開審査と最終候補作の戯曲集刊行は継続され、2014年で20回目を迎えています。
 大会での講座の充実から発展して2001年から「戯曲セミナー」も始めました。
 大会の場で、考え、行動する劇作家のスタンスが定着、上演料等の権利の問題、表現の自由に関する活発な活動に繋がりました。
 何より、各地の劇場や文化団体とのやり取りの中で育んだ広がりと実践力が、2009年にオープンした〈座・高円寺〉との提携関係に結びついたのです。
 この間、劇作家協会が民間の側から〈演劇の公共性〉というテーマを打ち出してきた存在感は、めざましいものがあったと思います。

今回の大会を機に、長く望まれていた協会のロゴマークもできて、それが記された協会会員証も初めて発行することになりました。
〈こうのとり大会〉は、これまでとはひと味違う大会になるはずです。いろいろ試行錯誤中ですが、大半は今までの大会を知らない世代が担うことになります。若い人たちが集まれる態勢になってきていると思います。「世代交代」が確実に果たされているのです。
 今までの大会を知る人も、そうでない方も、大会に集まっていただきたい。多いに語り合い、刺激しあう四日間にしたいと思います。


日本劇作家協会会長 坂手洋二

http://toyooka-geki.org/about/statement
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「韓国側に言わされているのではないか」

2014-04-27 | Weblog
韓国を訪問したオバマ米大統領は、旧日本軍の「従軍慰安婦」問題について、「安倍首相の誠意ある実践が重要だ。日本が力を尽くしてほしい」とした朴大統領に答える形で、朴槿恵大統領との会談後の共同記者会見で、
「慰安婦被害に遭った女性たちはひどい人権侵害を受けた。慰安婦の話に耳を傾け、尊重すべきだ」とした。
「安倍晋三首相と日本国民も、過去はより正直かつ公正に理解されなければならないと認識しているだろう」「歴史を振り返るなら、実に甚だしい人権侵害と考えなければならない」とも指摘、従軍慰安婦制度への旧日本軍の関与を認め謝罪した1993年の河野洋平官房長官談話を継承するとの約束を守るよう念を押し、「日韓両国は米国の重要な同盟国だ。過去を振り返りつつ、未来に進むべきだ」とした。

産経新聞によれば、日本政府高官は、こうしたオバマ米大統領の発言を受けて、「韓国側に言わされているのではないか」と述べたというが、失礼極まりない話だ。
今回のオバマ訪韓は、日本訪問後に韓国を素通りするはずだった当初の予定を韓国側の働きかけで変更して実現したわけだが、オバマ政権も、安倍政権をより重視しているとのイメージを払拭したいという意図があったはずである。現実を見ていないにも程がある。
オバマ大統領への評価がどうこうという話ではない。
そもそも「韓国側に言わされているのではないか」という言い方が、その前の日に日本を訪問した相手に対して失礼であろうし、オバマ大統領が日本を離れた直後に「(TPP問題をまとめることについて)オバマにそんな力はないだろう」と、きわめて侮蔑的な態度を示した麻生元総理同様、日本外交の内向きさ、礼儀をわきまえない子供っぽさに、恥ずかしくてたまらなくなる。
「韓国側に言わされているのではないか」とのたまった政府高官氏が何者かは知らないが、彼はきっと誰かに「言わされている」か、身近に多くいるらしい「言わされてしまう人」とつきあっているのだろう。
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劇作家大会IN豊岡 タイムテーブル発表

2014-04-25 | Weblog
皆さんから求められている劇作家大会IN豊岡 タイムテーブルがついに発表されました

ごらんください!


http://toyooka-geki.org/timetable
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オバマ大統領と「これだけだよ」

2014-04-24 | Weblog
オバマ大統領が日本に来ているようだ。
TPPについては日本側が大幅な譲歩をする約束をした気配が濃厚、安倍首相のメンツを潰さないため、この滞在中にはそう言わない、というシナリオが透けて見える。
尖閣云々も、オバマ大統領が言っているのは原則論だけだ。本人弁「新しいことではない」の通り、対中国を念頭に置いた「安保適用」のみ。「現役大統領が言うのは初めて」とかマスコミの妙な「前進ぶり」強調はいかがなものか。
ウクライナ問題については外交音痴の日本政府が米大統領が来たからといって何が言えるというのだろう。
そして「集団的自衛権」は大前提にされようとしている。黙認する国民の愚かさが際立つ。
ロン・ヤスの真似だろうが、「バラク」「シンゾー」と呼び合う仲だそうだ。嘘くさい。会見で何度もファーストネームで呼んでいたのは安倍首相だ。
「国賓」も気色悪いが、明治神宮に行くのはなぜだろう。
昨夜、彼らは座っただけで一食三万円の「すきやばし次郎」で寿司を食ったりしているようだ。店の親父が半分しか食わなかったと言っているらしいが、菅官房長官は「(オバマ氏は)かなり食べたと聞いている」と言い、「すしが好物のオバマ氏は14貫食べた」ともいう。この店の一食は二十貫という話だが。まあ、なんとも、のどかだ。
共同声明はまだ出ていないが、オバマ大統領は「これだけだよ」と言い、日本側は「いっぱいもらった」と思いたい、という、いつも通りの擦れ違いのようだ。

劇作家大会の情報まとめが第一段階は一区切りとなりそう。連日協会事務所に通い、昨日も夜まで一日いた。終えて夜中から朝にかけて藤井ごう・演出、清水弥生・作家と、ファミレスで台本打ち合わせ、始発で帰宅である。
ドリンクバーだけで明け方までいたが、最後に一杯だけとハイボールを頼んだ。あまりにも氷だらけで中身が少ないと思い、お代わりの時に缶だと聞いたので缶ごと持ってきてもらったところ、なんと極小のハイボール缶であった。なるほど。
これも「これだけだよ」、である。
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反「君が代」を語る石原慎太郎の「正直さ」

2014-04-23 | Weblog
少し前になるが、石原慎太郎氏の発言が話題になった。
「いや、皇室にはあまり興味ないね。僕、国歌歌わないもん。国歌を歌うときはね、僕は自分の文句で歌うんです。『わがひのもとは(私の日本は)』って歌うの。みんなちょっと、振り返るんだけどね」
「僕そんな右じゃない。真ん中よりちょっと左ですよ」
小学生時代の慎太郎は、父親から皇居に向いて「頭下げろ」と言われ、「姿も見えないのに遠くからみんなお辞儀する。バカじゃないか、と思ったね」という。
(「文學界」3月号『芥川賞と私のパラドクシカルな関係』)
「日の丸は好きだけれど、君が代って歌は嫌いなんだ、個人的には。歌詞だってあれは一種の滅私奉公みたいな内容だ。新しい国歌を作ったらいいじゃないか。好きな方、歌やあいいんだよ」
(毎日新聞1999年3月13日)

都知事時代、都立高教員に国歌斉唱時の起立を強制し、不起立の教師たちを処分していた石原氏の発言とは思えないという声もあるが、自分の意見を封じて教員たちを処分した官僚体質と、本当は天皇・国歌に批判的な自身の思想信条に背く不誠実さは、この人の人間性をまざまざとあらわしているといえるだろう。
大阪府知事時代、国歌斉唱時に教職員の起立を義務付けた条例を成立させている日本維新の会共同代表・橋下徹氏は、今回の石原発言に何も言わないのだろうか。あるいは何か言ったかもしれないが、もともと何かを「一緒にやっている」二人には見えていない。

それはさておき、石原氏のような立場の人が「君が代が嫌い」「天皇を敬わない」と公言することは、言論の自由にとっては意義がある。
この流れで、政治家たちの一部にもっと正直な発言、例えば「私は靖国神社には参拝に行きたくない」と宣言する動きが出てきてもいいと思うのだが。

中国政府がハルビン駅に開設した朝鮮独立運動家・安重根の記念館に、5月、韓国政府が代表団の派遣を検討しているという。伊藤博文元首相を暗殺した安重根であり、日本政府は「不快感を示している」という。
この韓国・中国の連携は、歴史認識問題で対立する日本を牽制するものだろうが、「安重根は私たちの民族の英雄。韓国人として行くのは当然だ」という韓国政府関係者の談話は、どこかで聞いたことがあるような気がする。
それは言うまでもなく、「靖国参拝は当然だ」「内面の自由だからとやかく言われる筋合いはない」「死んでしまえば英霊で戦犯も何もない、敬って何が悪い」と言いつのってはばからない、日本の政治家たちの弁である。
靖国神社に真榊を奉納した安倍首相は、それで内外の批判をしのいだつもりだろうが、参拝を望んでいる本心はばれてしまっているのだから、もはや海外からは信用されていない。まったく参拝に行くべきではないが、本当の意味で「行かない」というのは、なぜ行ってはならないか、その理由を理解し、戦争を否定する人々や諸外国の人たちと認識を共有することでなければならない。安倍首相に下されているのは、たんに「誤魔化した」「正直ではない」という、さもしい人間性に対する評価でもある。

安倍首相とは違う考えの政治家たちもいるだろう。
慎太郎の正直さに続け、で、「靖国神社には行かない」という政治家たちの発言を、期待する。
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『ブーツ・オン・ジ・アンダーグラウンド』始動

2014-04-21 | Weblog
清水弥生の最新作、ついに詳細を発表いたします!

………………

『ブーツ・オン・ジ・アンダーグラウンド』

作○清水弥生 演出○藤井ごう 芸術監督○坂手洋二

ひきこもり君も、ショウガイ者も、おひとりさまも、お国のために働きます!

20××年、「特別平和支援隊制度」施行。召集令状が、重度障害者のもとに届いた。

『シンクロナイズド・ウォーキング』で鮮烈なデビューを飾った燐光群の新進作家・清水弥生。
『普天間』演出の豪腕・藤井ごうを迎え、〈地下〉から〈戦前ニッポン〉を撃つ、五年越しの最新作!

出演○ 猪熊恒和 杉山英之 樋尾麻衣子 武山尚史 宗像祥子 ・ 荻野貴継 ・ 東谷英人

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○近藤達史
美術○じょん万次郎・福田陽子
衣裳○中山マリ
舞台監督○鴨川てんし
照明操作○桐畑理佳
演出助手○川崎理沙・長谷川千紗
イラスト・題字○沢野ひとし
協力○R-vive DULL-COLORED POP  (有)スタッフ・テン
制作○近藤順子・古元道広
Company Staff ○川中健次郎 大西孝洋 松岡洋子 鈴木陽介 
田中結佳 小林尭志 秋定史枝 西川大輔 宮島千栄 
根兵さやか 橋本浩明 内海常葉 秋葉ヨリエ

5月23日(金)─ 6月1日(日) 梅ヶ丘BOX

アフタートークあり。詳細はおって発表します。

受付開始○開演の40分前 開場○開演の20分前
開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。
会場にエレベーターはありません。ご了承ください。


日時指定自由席(整理番号付)
一般前売 3,000円 ペア前売 5,600円 当日 3,500円
シニア(65歳以上)/梅丘ご町内割引(世田谷区梅丘在住の方) 2,500円
学生/障害者割引 2,000円 
※シニア・学生・障害者割引は事前予約のみ。梅丘ご町内割引は前売・当日共通料金。
受付で学生証・年齢・住所のわかるものをご提示下さい。
※ご予約順に整理番号をお取りし、開場時に番号順にご入場頂きます。
開場時間を過ぎますと整理番号は無効となります。

★ご予約・お問合せ○燐光群/(有)グッドフェローズ
03-3426-6294 
ticket-rinkogun@ee.alles.or.jp
①<お名前/電話番号/希望日時/チケットの種類と枚数>をお伝え下さい。こちらからのお返事を以てご予約とさせて頂きます。
②当日、開演の10分前までに受付にお越し下さい。代金と引換でチケットをお渡しします。
開場時間を過ぎますと予めお取りしておりました整理番号は無効となりますのでご了承ください。
※キャンセル・日時変更はできません。

携帯からの予約はこちら↓
https://ticket.corich.jp/apply/55063/


このたび、燐光群の清水弥生の書き下ろしによる『ブーツ・オン・ジ・アンダーグラウンド』を、5月23日(金)~6月1日(日)に東京・梅ヶ丘BOXにて上演いたします。
 燐光群ではこれまで清水の作品『シンクロナイズド・ウォーキング』『京都から二千匹発送しました』を上演しており、「積極的に社会に関わる障害者のミナミという魅力的な主人公によって感動的な舞台になった」「すべての登場人物に対する作者の視線の優しさが心地よい」(北野雅弘氏「赤旗」)の他、「社会新報」等でも好評を頂いております。

 この作品は、清水が劇作家協会戯曲セミナー研修科において、社会に対する鋭い考察と人間愛を持って作品を書き続けた故斎藤憐氏の指導を受け、五年の歳月をかけて構想を練り上げたものです。本作品は、昨年 12 月に日本劇作家協会主催「リー ディング・フェスタ 2013 戯曲に乾杯!」でリーディング上演され、今回さらなる改稿を経て上演いたします。
 演出には坂手洋二による作『普天間』(青年劇場製作)を手がけた藤井ごうを迎え、芸術監督・坂手洋二のもと、劇団の力を結集させます。また、劇団外からは、東谷英人(DULL-COLORED POP)、荻野貴継(スタッフ・テン)が出演します。

・・・

 自身が不合理な存在であることを認めつつも周囲の状況にあらがおうとする青年。ハラハラしながら彼を見守るグループホームの職員と、彼を応援する彼の唯一の友人である知的障害を持つ青年。また、制度を通じて出会った若者たちが、真剣でどこか滑稽なやり取りを展開させます。地下にある燐光群のアトリエ・梅ヶ丘BOXという、限定された小空間で濃密なドラマが繰り広げられることでしょう。グループホームの地下倉庫から始まるこの作品に重なり、世界へと広がっていきます。一人の青年が奮闘しながら自己と自由を模索していく様を描き、現在の閉塞感に満ちた世の中に風穴をあけ、人々がお互いを思いやることの大切さが見直され、大きな共感を呼ぶに違いありません。国家と個人、「健常者」と「障害者」の関係について、深く問いを投げかける清水弥生の最新作に、どうぞご期待ください。

http://rinkogun.com/BootsOnTheUnderground.html
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また一週間が終わった

2014-04-20 | Weblog
基本的には劇作家大会の準備や自分の原稿や今後の複数の公演のためのあれこれ等で、ぱんぱんの週。劇作家協会事務所は高円寺なので高円寺通いの日々だった。
来年以降のための打合せ二件は、ついにこの人たちとご一緒するのだという緊張と感慨深さ。
原稿は難航。しかしなんとか間に合った。
あたふた。それでも自分の稽古はないから、その合間に、試写を一本観て、芝居を二本観て、突発的に息子を居酒屋に連れてゆく時間はとれた。
一本の芝居はここしばらくで最悪の芝居だった。はっきり「金返せ」と思った。だいの大人たちが言葉の意味を考えもせず身体に落とす努力をまったくしないで朗々と歌いあげ気持ち悪いことこの上ない。しかも自分たちでは悪いと思っていないらしい。
もう一本、台湾との合作は、幸い口直しになった。三人の演出家のそれぞれの身体感覚の違いがちゃんと出ている。俳優の身体に関心があるということは舞台表現の最低限の必須事項であることを、あらためて思う。
そして昨日、ついに清水弥生新作の稽古が始まる。演出は藤井ごう君で私ではないので見守り役だが。
終えて、こんな近くでライヴするなら行かなきゃなと思っていた、高江でもご一緒した西村茂樹さんら【LOUD MACHINE】ライヴ、高円寺へ。相変わらず舞台上をぴょんぴょんする西村、平均年齢50超チームのとんがり具合を満喫。私は遅れて入ったが全二十五曲という、すげえよ。合間にギターの加藤健が同名映画の主題歌にもなった『新しい神様』を歌う。どこかに映画評書いたな。あれがもう十五年前か。そして音楽シーンとの関わりがもっと密接だった八十年代を思う。
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こうのとり短篇戯曲賞 その後

2014-04-19 | Weblog
六月の豊岡での劇作家大会、「こうのとり短編戯曲賞」の紹介VTRができました。
最終候補者6名が、豊岡市での滞在取材を経て戯曲を創作する「こうのとり短編戯曲賞」。
賞と候補者を動画で紹介します。

最後の大会から8年、ネット展開の時代になっているのである。
御覧ください。


http://toyooka-geki.org/whitestork_vtr
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川中健次郎、朝ドラに登場

2014-04-16 | Weblog
燐光群の川中健次郎が今週からNHK朝ドラ『花子とアン』にチョビッと出ているようです。『カウラの班長会議』でお世話になった中園ミホさん作のドラマ。牧師の役だそうです。一度くらいは観られるかな。健ちゃんはCMも幾つか出ていて、山田太一ドラマなんかにも出てたりするのだが、朝ドラは初めてかな。……私は大昔に『君の名は』のオーディションを受けたことがある。面接で落ちたけど。
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政府は国民の懐をあてにするな

2014-04-15 | Weblog
「年内に制度改革案をまとめ、来年の通常国会への関連法案提出を目指す」とする厚生労働省。
入院患者が医療機関に支払う食費の自己負担額(1食当たり原則260円)を大幅に引き上げる方向で検討に入ったという。全額自費の在宅患者との公平性を図る狙いだという。
こんなことが「社会保障審議会」の「公的医療保険全体の制度改革」だというのなら、ずいぶんひどい話だ。
入院患者はそれだけ身体的・精神的負担が大きい。さらに負担を増やしてどうしようというのだ。もしも「入院したくてもできない人と比べて不公平」というなら、入院用の床数、医師・看護士数を増やす努力をしなければならないというだけのはずだ。

さらに、混雑しがちな大病院の外来についても、「軽症患者の受診抑制を促す」ことが目的で、「紹介状がない場合、初診時に通常の窓口負担とは別に一定額の支払いを求める」方向だという。
政府の社会保障制度改革国民会議の議論では、「1万円を徴収する案」が出ているそうだ。

初診で必ず一万円?
そんなバカな話があるか。
高い保険料や年金を払わさせられた上で、どうしてそんな仕打ちを受ける。
いざというときの負担をなくすための保険制度ではないのか。
まったくひどい話だ。

消費税増もそうだが、政府は国民の懐を当てにするな。
自分たちの政策の破綻の責任を国民に押しつけるなと言いたい。

そして、これらのことはもちろん「日本のアメリカ化」である。
医療の部門でも日本は「アメリカ並み」のひどい「格差社会」にされようとしている。人間を大切にしない社会を、お手本にしてはならない。
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映画「トークバック 沈黙を破る女たち」

2014-04-13 | Weblog
ドキュメンタリー映画『Talk Back トークバック 沈黙を破る女たち』をやっと観る。
坂上香監督は前作『Lifers ライファーズ 終身刑を越えて』が、燐光群が同時期に翻訳上演した『ときはなたれて』と、アメリカの囚人たちを描くという共通点があり、出会った。アフタートークにも出てもらった。
『ときはなたれて』はアメリカの友人たちが「これは坂手向きだ」と勧めてくれたドキュメンタリー劇で、梅ヶ丘BOXで一ヶ月のロングラン上演、大阪の精華小劇場のオープニングでも上演した。一昨日大阪で精華小劇場の立役者・小堀純さんとその話をしたばかりだ。懐かしい。

坂上監督の十年ぶりの新作『Talk Back トークバック 沈黙を破る女たち』は、サンフランシスコを拠点とする女だけの劇団The Medea Project: Theater for Incarcerated Womenに関する、前作同様に熱の籠もったドキュメンタリー映画である。元受刑者、薬物依存症者、HIV/AIDS陽性者らが、HIVと共に生きる現実を芝居にしていく過程を追っている。主人公は人種も背景も異なる、多様な女性たちである。解説に、「どん底」を生き抜いてきた女たちが、演劇を通して、変容を遂げていく過程を追ったドキュメンタリー、とある通りなのだが、撮影者は被写体に見事に接近していて、心を開かせているのを感じる。映画のクルーではなく、仲間が見ていると感じさせているらしい空気というべきか。前作と共通したスタンスを感じさせるから、これは監督チームの個性なのだろう。

正直、最初の辺りは、この女ばかりの劇団の演劇スタイルが私にはちょっと苦手な種類のものであるように感じられ、大仰に感じられる音楽と相まって、ちょっと引いたところで観ていたと思う。ところが坂上監督は前作同様に、運びというか、筋道の持ってゆき方がうまく、それぞれの人物のバックグラウンドの紹介の仕方、その順序もよく考えられていて巧みで、苦手だと感じられた部分も、やがて理解できるものに変わっていく。対象がクリアになれば、音楽も抑えていく。見せ所がわかっているために、外枠の手つきを次第に不要とする、要は「引き算」になっているのだ。編集段階で粘りに粘ってコンテキストを際立てさせたのだろう。
登場する一人一人がとても魅力的である。次第に素敵に見えてくる、というところが、深い。アメリカという国を感じさせながら、日本にも同様に迫っている問題と感じさせる所も含めて、普遍的な境地に至っている。

坂上監督に私の最新作『現代能楽集 初めてなのに知っていた』について、「あの劇、台詞いっぱいあるよね、全部書いたの?」と問われる。そりゃ書いたんだよ、と答えると、即興の部分もあったんじゃないんだ、と妙に感心される。私の劇は戯曲はあってもどこかドキュメンタリーみたいだからな、という気もするが。
彼女はまもなく、日本の刑務所を取材する新作の撮影に入るという。七年粘って許可が下りたのだそうだ。
ともあれ、素敵な同時代の表現者がいるのは、幸福なことである。

『Talk Back トークバック 沈黙を破る女たち』は、東京・渋谷イメージフォーラムで上映中。大阪第七芸術劇場、京都シネマ他で順次上映予定。

http://talkbackoutloud.com/
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日本劇作家協会 関西支部発足

2014-04-12 | Weblog
日本劇作家協会の関西支部が発足した。二府四県、関西地区在住の会員の過半数で成立、ということだが、連絡をくれた全員が賛同ということだ。正式には5月の総会で承認。
支部長は京都支部長だった土田英生が就任。
関西統一とか連合とかいうとなんだか別な職種なのだが。
京都と大阪はなんとなく住み分けてきた感じなのだが、晴れて統一ということでもある。東海地区ほどの一体感はないが、もともと関西の結束は堅いのだ。OMS戯曲賞や精華小劇場の経験が物語っている。会議も、懇親会も、みんないい顔をしている。
写真は、その中の一部メンバー、結成会議会場、前列左から、ごまのはえ、石原燃、田辺剛、後列左から、横山拓也、坂手洋二、土田英生、樋口ミユ、の、めんめん。
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自転車が新しくなった

2014-04-11 | Weblog
ミヤタを受け取った。自転車屋の親父は嬉しそうだ。いつも苦虫を潰した顔をしている人なのだが、ほんとに嬉しそうだ。町場の自転車屋として、どのような整備と独自の処置をして自転車を引き渡すかについて、せつせつと説明してくれた。領収書を受け取った私は収入印紙は五万円以内だと不要になったことを伝えた。親父の目が光った。そして喜んだ。そんなことに癒やされる日である。自転車に乗ったら走りたくなった。いい陽気だ。昨日は徹夜で新幹線の始発で大阪から帰ってきたばかりなのだが、疲れも何も吹っ飛んだ。そしてまだ劇作家協会事務所にいる。今日は7時前に出ると決めたので出るのだ。
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「教育の正常化」とは何か

2014-04-07 | Weblog
三十歳くらいの人たちと話していると、実に如才なく、明るく、健康的で人好きのする感じで振る舞う場合が多いと思うときがある。そうでなくても、繊細だったり、真面目そうだったりする。無理しているなと思ったり、正直そうでいて逆のことを言っているなと感じることもある。だが一般化はできない。一人一人が違う。
ただそれぞれがかなりのストレスを抱えており、それを自分でどう飼い慣らすかについて、自分なりに構築してきたやり方があるという印象はある。
「若い人が怒らなくなった」という人もいる。私はそうは思わない。
また、先輩諸氏は「教育の問題だ」と言ったりする。私にはそれがよくわからない。
自分もまだどこか「若い者」でいるつもりだからだろうか。

報道によれば、下村文部科学相は、北海道旭川市で開かれた今津寛衆院議員(自民、道6区)の政経セミナーで講演、道内の子どもの学力や体力が全国でも下位であることについて、「北海道の教育には問題がある。一番の原因は北海道教職員組合にあり、北海道に求められているのは教育の正常化だ」などと語ったという。北海道北教組は主任制や「いじめの実態調査への協力」を拒否、機関紙で「竹島問題は韓国の主張が正しい」と言い、「国旗国歌排除マニュアル」を配布してきた組織である。
その組織の存在が、学力や体力にどう影響するか、下村文相に根拠を求めたい。出て来なければ謝罪・撤回させるべきだ。

しかし、ああ、そういうことか、と思う。「ゆとり教育」が意味もなく検証もなく攻撃されたのにも似ている。教育についての政治的なデマゴギーは、言った者勝ちみたいな所がある。困ったものだ。

こうして呟いているのは、何かの結論があるわけではない。ともあれ、若い人たちと出会うことのできる現場が幾つかあることに感謝している。
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