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いつもの意義

人は小さな幸せを忘れいつしか大きな幸せばかりを求めるものです。
しかし、実際はそんな幸せなどなかった。もしかなったとしても思っていたようなものでなかった。そんなことがありえます。

今まで生きてきて最高の瞬間とは何か。

私はそれは成功体験ではなく、大きな困難からぎりぎりのところで乗り越え助かった時だと思います。
それは突然やってきた不幸かもしれないし、前々から約束されていたがごとく悩みに悩まされたことかもしれない。

そんな瞬間にこう思うのです。
普段の当たり前がどんなにありがたかったかということを。

昨日、テレビ番組で震災時にどう困難を乗り越えるかを体験する小学生たちの言葉が印象にのこりました。
夜半から深夜にかけて20キロを歩き続ける訓練でこう一人の少年がのべていました。

「いつも寝ている時間なのに。いつもがうらやましい」

何気ない毎日。それは本当は奇跡に等しいのかもしれません。こうして葬祭業務に携わっているとつくづく思います。

人は必ず死にます。病気かもしれないし、事故かもしれない。突然死かもしれない。
悲嘆にくれ涙を流す家族を失った親族にも毎日はやってくる。当たり前のように日々がそれからも重ねられる。

いつもに戻す。この世で生きているかぎりはそうしなくては生きていけない。
そして新たに小さな幸せを見つけて積み重ねていく。それが亡き人へのレクレイムになるのです。
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