林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

季節の日本語

2012-10-19 | 知ったかぶり

朝日新聞が読者から集めた「美しい季節の日本語」(10月6日朝刊土曜版)を、一番人気から順に並べると、

    夕凪

    新緑

    木枯らし

    花冷え

    夕立

    朧月夜

    春一番

    夜長

    麦秋

    春霞

以下、氷雨、花曇り、薫風、鰯雲、遠雷、野分き、雪明り、淡雪、小春、立秋、となっている。

 

ふむふむ、なるほど。「美しい」という点では概ね賛成します。
だが「好き嫌い」でいうといささか異論がある。

新聞記事にも書いてあるとおり、「夕凪」が一番とは如何なものか。確かに字面や響きはいい。でも逗子鎌倉海岸でアルバイトをしたことがあるので「夕凪」の不快さは体が覚えている。体験ではむしろ「朝凪」のほうが心地よかった。

「朧月夜」が入るなら「桜吹雪」や「花筏」が何故落ちたのか。
「新緑」は悪くはないが底が浅く、青葉若葉を渡る爽やかな風「青嵐(せいらん)」をお忘れじゃぁござんせんか。

「遠雷」、「夕立」、加えれば「雲の峰」.......。う~ん、酷暑だったこの夏は、今はまだ思い出したくもないな。

「立秋」は毎年実感が無く、暦の上だけの記号になってしまった。一方、実際は寒くても「立春」はまだ生きている。
「鰯雲」を「鯖雲」とも言う人がおられるが、食うならともかく、読み書きには「鰯」の方が好きだ。

「小春」には「日和」を付けて「小春日和」にして欲しかった。山口百恵さんのママが、コホンと咳をした頃だ。
「木枯らし」は寒々としていかにも淋しく切なく、響きのほかは御免蒙りたいのに、「時雨」なら許せるのは何故だろう。

丁度いまなら「冬構え」がぴったりだ。
厳しい冬でも「冬篭り」、「細雪」、「雪明り」にはほのぼのとした暖かさを感じる。

 

頭を叩けば、美しい日本語はまだ出てくるようだ。 
普段はあまり使わなくなった美しい「季節の言葉」を、思い出してみた秋の夕暮れでありました。

                        ・・ 心無き身にもあはれは知られけり 芒立つ野に秋の夕暮れ ・・
                                                             ........ 森生
 

 121019



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2 コメント

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Unknown (志帆)
2012-10-19 19:11:18
ステキな写真ですね。見とれてしまいます。

美しい日本語は沢山ありますね。
以前、少しだけ俳句をやっておりましたが、美しい季語に憧れました。でもなかなか思うようにはいきませんでした。
わたしは、「万緑」と言う季語に惹かれます。
「花筏」「晩夏」もステキですよね。
晩夏 (森生)
2012-10-20 09:38:06
志帆さま
あんなに苦しめられた残暑
「晩夏」で締めくくると なにやら奥床しくも懐かしくなりますね
あっという間に「晩秋」 そして「立冬」

ブログを書いてるじじぃは 追いかけられているようです
そろそろ休もうか........

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