倖田來未が自宅謹慎…収録済みのＴＶ番組はそのまま放送(サンケイスポーツ)
ラジオ番組で「３５歳になるとお母さんの羊水が腐る」と発言してネット上で騒動となり、１日夜にＨＰで謝罪した歌手、倖田來未（２５）が２日、自宅謹慎した。この日はＦＭラジオ番組の公開生放送に出演する予定だったが、同じ所属事務所の歌手、鈴木亜美（２５）が代役出演した。倖田は、新アルバムのＰＲ活動を自粛する見込みだ。
（中略）
倖田の問題発言は、２９日深夜に放送されたニッポン放送「倖田來未のオールナイトニッポン」で飛び出した。冒頭に女性マネジャーが結婚したことを報告し、「やっぱ、３５（歳）まわるとお母さんの羊水が腐ってくるんですよ。（マネジャーには）３５歳ぐらいまでには子供を作ってほしいな」と冗談交じりに話した。
それを聴いたリスナーが、高齢出産が珍しくない時代に、医学的根拠もなく３５歳以上の女性に対して配慮に欠く発言だとして、「２ちゃんねる」などのネットに抗議や批判の書き込みを大量に行った。倖田は１日、エイベックスとニッポン放送のＨＰで、「皆様に不快な思いをさせてしまったことを心より深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
暴言で活動自粛を余儀なくされたタレントがいるそうです。まぁ酷い発言ですが、ここは世界に冠たるヘイトスピーチの楽園、偏見や憎悪を煽る言論の自由が保障されていることで世界に名高いはず、不思議と言えば不思議ですね。他に大嘘つきはたくさんいるのに、なぜか猛烈な抗議が殺到、運が悪かったのでしょうか、本人からすれば「何で私だけが…」と思うのが自然でしょうか。
小説家の柳美里（ゆうみり）が自身のブログで子供を虐待していると受けとれる書き込みに対してネット上で批難の声が挙がっている。問題となったブログは柳美里が書いている『柳美里の今日の出来事』というブログ。ここには以下のような書き込みが、
08年02月04日 16:54
あまりに嘘つきなので（そして次から次へと嘘をつきつづける）朝７時から１５時までひっぱたきまくり、学校休ませ、罰として朝食も昼食も与えていません。
いま息子のいうことが本当か、彼に確かめに帰ってもらってます。
もし、それも嘘だったら、千葉のホテルに戻ります。
糞野郎ッ！
子供を支配したがる親の典型みたいな発言ですが、まぁこれも酷いものですね。だが、ちょっと待って欲しい。「自分の子供を50分近くも投げ続けた」と豪語したタレントが対立候補に倍の差を付ける圧倒的な支持を受けて大阪府知事に当選したばかりではないだろうか、と。５０分ならＯＫだが、７時から１５時だとダメなのでしょうか？ 違いはもっと別のところにありますよね？
人前で暴言を吐く有名人は数知れないわけですが、概ね人気があります。石原慎太郎とか麻生太郎とか、小泉純一郎とか、この手合いが暴言を吐くとむしろ「良く言った」とばかりに賞賛されるものです。政治家ならずともタレントも似たようなもので、傲慢さが故に好まれている人も多いのではないでしょうか。亀田兄弟に沢尻エリカや今回の倖田來未にしたところで、決して優等生的な振る舞いで支持を集めていたのが一時の失言で評価を落としたのではなく、むしろある瞬間まではそれが評価を高める要因だったはずです。ところが、同じ振る舞いがある日を境に賞賛の対象から非難の対象へと移り変わる……
小泉純一郎と田中真紀子は非常によく似たタイプの政治家、というよりよく似た人間ですが、それなのに両者を共に好む人は滅多にいません。傲慢さや問題発言はそれが著名人であれば概ね評価を高めますが、逆に非難材料にもなります。同じことをやってもアタリとハズレがあるわけです。賭と呼ぶにはやや期待値が高い有利な賭かも知れませんが、いずれにせよギャンブルのようなものです。
このギャンブルの勝率を高めてくれるのは何でしょうか？ 時の運もありますが、その人の社会的地位、それを評価する人から「上」と目されているか「下」と目されているかにも拠るところが大きいはずです。「上」と目されている限りは「さすがは○○、よくぞ言った」と賞賛され、「下」と目されれば「何様のつもりだ！」と怒りを集めるのです。
いかにして「上」と見なされることができるのか、それは女性よりも男性の方が、アジア人よりもアメリカ人の方が、無職よりも成功した人の方が有利など、色々と要因はありますが、実践するのは難しく、その潮時を判断するのも難しいのでしょう。倖田來未も「上」と目されている限りにおいては「よくぞ言った」と褒められたはず、嫌う人からの抗議などファンの声に押し流されたはずですが、今回はその辺の力関係の現在を読み損ねたような気がします。
まぁ今回の発言自体はとんでもない暴言ですが、本当にその内容に怒っている人はそれほど多くないでしょう。本当にその内容に対して怒りを感じるのであれば、もっと他に怒りを感じるべき大きな対象があるはずですからね？
←Rise? Fall?
「首相」や「都知事」といった公権力の持ち主のほうが、タレントよりはるかに批判されるべきですが、結局これって弱いものいじめに近いものが・・・。あ、そういえば、前の天皇って、たしか広島とかに原爆が落ちたことを「仕方ない」とか記者会見で言いましたよねえ。ここまで人でなしの発言に、どれだけ世間の人間は怒っているのかな。普通の人間がこんなことを発言したら、さすがに大いに非難されそうです。
不思議と立場の強い、影響力の大きい人の暴言が好意的に受け容れられる一方で、ちょっと弱みのある人はここぞとばかりに責め立てられますよね。一方で昭和天皇ですが、ある意味で東京裁判の判決に忠実と言いますか、自分に罪はないとばかりに戦争に関する無責任さを時に垣間見せますね。「仕方ない」とは何事だという気もしますが、国民は（天皇の言葉なら）仕方ない、とばかりに受け容れてしまったのでしょうか。
＞きよさん
結局、反撃されそうな相手には追従して、叩ける相手なら便乗バッシング、倖田発言そのものは確かに非難に値しますが、その非難にはどこか情けなさを感じますね。
・・・
都知事のこの発言に比べりゃマシですよね。
芸人と自治体の首長じゃ言葉の重みも違いますし、ただの無知による暴言と悪意を以て人を煽るような発言の差もありますよね。ところが、質の悪さよりも相手の立場の強弱の方が非難されるかどうかを分けるようで……
あと、今回は非難を受けましたが、ドキュメンタリーとかで柳氏の私生活が映された際、今回のような出来事があれば「どんな些細な嘘も決して許さない。」とか、いかにも子どものためを思ってやっているというようなナレーションを流すだけで(前述の事実を知っている人もいるでしょうから、必ずではないかもしれませんが)人々の支持を集め、正当化されたかもしれません。
結局、行為や主張の内容以上にその人の「立場」や「社会的地位」「ステータス」云々がモノを言うのはいつものことなんでしょうね。柳美里にしたって美談化されそうな素地はあるのですが（まぁ、この場合は美談化されずに非難されるのが「正当な評価」でしょうけれど）。