首相「何もしない人の医療費、なぜ払う」、諮問会議で発言(読売新聞)
麻生首相が２０日に開かれた政府の経済財政諮問会議で、社会保障費の抑制を巡って「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金（医療費）を何で私が払うんだ」と発言していたことが、２６日に公開された議事要旨で分かった。
与謝野経済財政相が社会保障費の抑制や効率化の重要性を指摘したのを受けて、首相は出席した同窓会の話を紹介しながら「６７歳、６８歳で同窓会にゆくとよぼよぼしている。医者にやたらかかっている者がいる」、「彼らは学生時代はとても元気だったが、今になるとこちら（首相）の方がはるかに医療費がかかってない。それは毎朝歩いたり何かしているから」と発言した。
病気を予防することが社会保障費抑制につながることを強調する物言いとみられるが、病気になり医療サービスを受ける人が悪いとも受け取れる発言で波紋を呼びそうだ。
首相は１９日に行われた全国知事会議で「医師には社会的な常識がかなり欠落している人が多い」と発言し、謝罪に追い込まれたばかり。
さて、麻生首相が新しい妄言を披露したようです。昭和天皇なら「あっ、そう」で済ませてしまうのかも知れませんが、看過しがたい発言です。なんでも先日の金融サミットではＩＭＦに１０００億ドルの融資を約束したと伝えられていますが、ふ～む、健康を損ねた人は自己責任であり金など出したくないと言いつつ、財政事情の悪化した機関への支援には金を惜しまないわけですね。まぁＩＭＦだって潰れちゃ困るわけですが、それは被保険者だって同じではないでしょうか。それ以前に、健康保険制度の理念を全く理解していないのが為政者としては致命的な欠陥です。
首相、「予防の観点だった」と釈明 医療費巡る発言で(朝日新聞)
麻生首相は２７日昼、２０日の経済財政諮問会議で「たらたら飲んで食べて何もしない人の分の金（医療費）を何で私が払うんだ」と発言したことについて、「病の床にいる人の気分を害したなら、おわびする」と陳謝した。そのうえで「発言（の一部）を切り取られた。予防にもっと力を入れることによって医療費全体を抑制できる」と釈明した。記者団の質問に答えた。
「予防」を麻生首相は口にします。予防……ですか、私は先日、インフルエンザの予防接種を受けてきたわけですが、皆様ご存知のように予防接種には（一部高齢者を除いて）保険が利きません。全額自己負担です。その一方で世界中のタミフルを買い集めるのが日本の医療行政です。どうも予防ではなく対症療法を重視しているようにしか見えません。まぁインフルエンザ以外の、もっと患者数の少ない病気に関しては別なのかも知れませんが、日本の医療行政の方向性と現職総理大臣の発言が矛盾しているのは、やはり麻生氏が政治に疎いからでしょうか。
そんなことより「発言（の一部）を切り取られた」「一部が誤解を与えて～」という釈明の仕方です。これではまるで、真意がそこにはなかったかのようです。今回の件に限らないことですが、失言、暴言の類を批判されて「言い方が悪かった」「誤解を与えた」「一度の発言を大きく取上げて～」と言い逃れようとする人々がいます。そうした言い逃れをもって「釈明」時には「謝罪」と報道されているわけですが、要するに「自分が悪いとは思っていない」ことを示しているだけではないでしょうか。
あらゆる失言（と、されるもの）がそうであるように、麻生氏の発言もまた、氏が日常的に考えているものの結果として表に出てきたのです。「ついうっかり」といったような不用意さから失言が生まれるのではありません。根本的な考え方が誤っているからこそ、その必然的な結果として「失言」が出てくるのです。今回の件もそう、これは不用意な発言などではなく、いつも思っていることを口に出しただけ、誤解を与えたのではなく、真意を漏らしているだけです。
麻生氏の頭の中では国庫負担（及び自治体の負担）と自分の負担が重なっているようです。だから「何で私が払うんだ」となるわけですね。別に麻生氏のお小遣いで医者に掛かっているわけではないのですが、「国家は自分のもの」とでも思っているのでしょう。そして医者に掛かっている人は「たらたら飲んで食べて何もしない人」だと印象づけたがっているようです。これは生活保護受給者にネガティヴなイメージを植え付けようとするのと同じことですね、困窮者ではなく、不当な受益者であるかのごとく描き出そうとしている、それによって社会保障の不備をモラルの問題にすり替えようとしているわけです。もちろん、健康に使っていたところで、不本意にも体を悪くする人はいる、というより誰でも最終的にはそうなるものですが、しかるに自分の現在しか視野に入っていない、自分を基準にしてしか物事を考えられない、そんな麻生氏の資質を如実に物語ってもいるでしょう。
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＞社会保障の不備をモラルの問題にすり替えようとしているわけです。
前の医師の問題と同じですね。「ごめんで済んだら警察いらない」と言いますが（まあこれも変な話ですけど）、「モラルで済んだら政治家いらない」っていうのを思いついてしまいました（笑）
とても一国の総理とは思えない、自衛隊の幹部が日米同盟の前提となる認識を否定するような自称論文を発表したかと思えば、今度は総理大臣が社会福祉制度の根底を否定するような発言ですからね。「国家」の側に立つ人間の発言とは思えないのですが、それが本当に総理の座にいるところが信じがたいですよ。
なんで麻生氏個人からカネを渋られなくちゃいけないんだか、それなら俺らの保険料も払ってくれよ。どうせ努力して稼いだ資産じゃなくて家のカネなんだから。
民意も受けてない首相のくせに。
保険財政が悪化してるのは、個々人と言うより、少なからず行政のマネージメントにまず責任があるわけだし。そこから言うと単なる責任逃れでしょ。
まあ、国民全般の幸福追求に責任を負っているという職責に理解がゼロな人だというのはよく判りましたね。
なんて正直者でしょう。きっと金の斧も持ってるんでしょう。
物凄く率直な御意見ですが、総理大臣だから非難されるとも言えます。 実際に、これと同様の考えを持った人達は、沢山いるのではないでしょうか。
「稼ぎが悪くて、老後の蓄えがない人の分の金（生活費）を何で私が払うんだ」
→ 国民年金の４割が未加入、厚生年金に加入させない事業者
「一生懸命に働かず、税金も払わない人の分の金（生活費）を何で私が払うんだ」
→ 生活保護の基準を厳しくして、支給しない行政や厚労省
「努力せずに首にされ、仕事を失った人の分の金（生活費）を何で私が払うんだ」
→ 失業保険を払わない事業者（違法な日雇い派遣を受け入れる雇用者）
一般国民の大多数は、自分が貰う分には良いが、払うのは大反対なのです。 彼らの本音は、「社会保障を増やすと経済に悪影響があるから減らした方がよい」。 ですから、日本では社会民主主義が根付かずに、新自由主義がはびこります。
「社会の弱い立場の人達を、社会全体で支える」ことが、社会保障の基本的な理念なのですが、これを理解していない人は多いと思いますね。 実際に、多くの人は、年金を、世代間の助け合いではなく、「積立金」と考えています。
各種保険は、保険加入者が負担しているのであって、麻生氏のポケットマネーで運営しているものじゃないわけですが、まぁ色々なものがわかっていないのでしょう。この様子ですと例の給付金も、「自分の金」を投げ打って国民に施しものを与えているつもり、慈悲深い王様のつもりなのかも知れませんね。
＞ベースケさん
かつては森喜朗という、これまた正直者が総理の座に座っていたのですが、正直なだけでは無駄だということがよくわかりますね。欺される被害者が少なくて済む、という点では小泉時代よりマシなのかも知れませんが。
＞もえおじさん
誰でも欲はありますから、貰いたいが、払いたくない、何もしないとそう考えてしまうのかも知れません。だからこそ、助け合いの必要性を理解させるような枠組み作りが求められるのですが、行政の長にしてアレですからね。元より保険方式に重きを置くだけに、より「積立金」のイメージが強まってしまう制度ですし、これではなおさら無理解が広まるばかりです。
＞Bill McCrearyさん
そう、解釈の分かれるような発言ならいざ知らず、誤解の余地などないケースばっかりですよね。パッと見では問題なさそうだが、実は……というようなレベルではなく、誰がどう見ても暴言、「言い方がどうこう」というものではないはずです。それでも言い逃れに終始するのは、自分では悪くないと思っているから、しかし世間の批判はかわしておきたい、そんな思いの表れでしょうか。
発言してくれるおかげで
その人の本性わかりやすくなり
選別しやすくなりますから。
批判する側も無理に謝罪させることは
なくもっと発言させたほうがいいと思いますね。
それでもまだこういう人物が選ばれるなら
それもまたこの国の程度がよくわかり
よいことなんじゃないでしょうか。
確かに、中身は変わらないまま上辺を取り繕い国民を瞞し続ける人の方が、瞞す能力に乏しい政治家よりもタチが悪いところはあります。良くも悪くも情報公開ですね！ ただ党首が無能さを露呈しても、政党に対する支持は必ずしもそうでなかったりと、それが結果に反映されるとは限らなくて……
もう日本では感染症で直接死者(複合疾患無しということ)は少ないので、この国の医療はこれから対症療法では治り難い疾患(糖尿病や悪性腫瘍や心疾患)にはその体自体をかかりにくくする方針に進むそうですから。
麻生総理も予防医学が大切だよーといってると『した場合』筋は通ってる気がします。
ただやっぱり言い方がありますよね。自分はこう感じましたがコメント欄のように解釈もできろような発言はいくらわかりやすくするためとはいえ総理はもっと言葉の大切さを認識すべきか
「医師には常識云々」も一部の医師は怒ってますしね。たいていの医師は「そだねｗｗｗ常識もってたら月350時間は働かんわなｗｗｗさて仕事仕事」って感じです。
ただ、二階のモラル云々は私は許せません