【2009衆院選】「連呼」「涙の訴え」嫌われてます(産経新聞)
候補者名の連呼、涙の訴え、「本人」というタスキ…。選挙が始まると当たり前の光景だが、こんな活動を「シラケル」と感じている有権者は多いようだ。なぜ嫌われるのだろうか。
TOKYO FMは30日の投開票日まで、若者を対象とした選挙特番を放送している。これに先立ち、「新聞とは違った切り口から、選挙に対する若者の本音を探ろう」とリスナー1151人に、「思わずシラケル選挙戦」についてアンケートを行った。
ランキング上位3つには、候補者名を連呼する選挙カー(55・5%)、電話での投票依頼(53・9%)、候補者の「涙の訴え」(45・7%)が並んだ。
「子供が昼寝しているときに大音量で通る」「学校の授業中に大音量で通りホントにムカついた」「住宅地での街宣は暴走族よりタチが悪い」など、騒音を不快に感じる人は多いようだ。しかし、ある陣営は「マイクの音が一瞬しか聞こえない通行人の記憶に残すには、政策よりも名前を連呼した方が有効なのが実情なので、嫌われてもやめられない」と明かす。
「電話」については「急に仲良くもない知り合いから票入れの電話がかかってくる」ことが迷惑だそうだ。「涙の訴え」も「涙も大声も日本をよくしたいという本気が見えれば感動するけど、見えなければシラケルだけ」などと手厳しい。
公示前は氏名入りのタスキの使用が公選法に抵触するおそれがあるため、今年、新人を中心に「本人」と書かれたタスキが流行したが、295人(25・6%)が不快に感じ、8位にランクイン。意外に嫌われていることが分かった。ある陣営は「『私が候補です』みたいにしても、なんか嫌らしいというか、『上から目線』の印象を与えてしまいそうなので使わなかった」と話す。
このほか「『庶民感覚』『ママさんパワー』『若さで勝負』など、貧乏、女性、若さをウリにした態度」「普段は運転手付きの高級車のくせに選挙の時だけ自転車」「駅前での『行ってらっしゃいコール』」などに対して「NG」とする声があがった。
ちょっと引用が長くなってしまいましたが、こんな意見があるそうです。まぁ、色々ありますからね。
候補者にバケツの水掛ける=「うるさい」、容疑で男逮捕-警視庁(時事通信)
……こう言うニュースを眺めていると、さもそれが多数派の意見であるかのように見えてしまうわけですが、実際はどうなのでしょうか。産経新聞報道によれば、ある陣営は「マイクの音が一瞬しか聞こえない通行人の記憶に残すには、政策よりも名前を連呼した方が有効なのが実情なので、嫌われてもやめられない」と明かしたそうです。反感を買っている負の側面ばかりが注目されてはいるものの、実はそうしたマイナス面よりもプラス面の方が多いからこそ、こうした選挙運動が続けられていると考えた方が辻褄は合いそうです。
結局のところ、名前を連呼することで一部の反感を買うかもしれない、朝から街宣車ならぬ選挙カーで走り回ることで「うるさい」と言われるかもしれない、しかしトータルで見ればプラス部分の方が多いのでしょう。伝統的な選挙運動によって有権者100人の反感を買ったとしても、同時に200人の支持者を集めたとすれば、そのやり方は有効だったということです。政策の実現もさることながら、何よりも当選することを第一に考えて行動した結果が今の選挙運動なのです。なにも考えずに昔ながらの手法を踏襲しているだけなのでしょうか、それとも制度上、許される中で最も有効な方法を模索した結果なのでしょうか? 他にもっと良い方法があるのなら、どの候補もそっちを試しますよね。にもかかわらず、名前の連呼に代表される従来型の選挙運動が主であるのは、一部に反感を抱く人がいるにしても、有権者全体を眺め回してみれば、その方法が最も効果的だからと考えた方が良さそうです。
政治評論家の拓殖大・丹羽文生助教は「選挙は戦後、全員参加型のお祭りとして発展してきた。選挙カーはみこしで騒音はおはやし。昔は選挙に関心のない人でも選挙カーが通ったら、手を振ったり握手したりした」と語り、「こうしたアンケートが行われること自体が、有権者の政治離れの深刻さを示している。公職選挙法を厳しくして活動を地味にさせるなど、スタイルを見直すときだ」と指摘している。
拓殖大、と聞くだけでちょっと笑いがこみ上げてくるのですが、拓殖大の先生によると「有権者の政治離れの深刻さを示している」そうです。お祭りに参加しないことが政治離れなんでしょうか、従来型の選挙手法が今なお採用されている=選挙戦の専門家から有効と見なされているだけに、お祭り型の選挙は今なお健在のようにも思われますが、仮にそうしたスタイルから距離を置く人が増えたのであれば、それは「お祭り型」からの卒業、流行ではなく政策を問う選挙への移行を示す兆候とも解釈できそうです。政治参加とお祭りへの参加、政治離れとお祭りへの距離感は、似ているようでいて異なる部分も多いですから。
で、拓殖大の先生は「公職選挙法を厳しくして活動を地味にさせるなど」と語りますが、この辺もどうなのでしょう? 公職選挙法の規制が厳しいが故に、今の選挙運動のスタイルがあるとしたら、むしろ逆効果になりそうです。そうではなく反対に制度を緩めることでこそ、各陣営が今までとは違った新しい選挙運動を模索できるようになると思いますね。逆にこれ以上制度を厳しくしたら、なおさらワンパターンの行動しか出てこなくなってしまうでしょう。なんだかんだ言いつつも、今のやり方でそれなりの成果が上がっているのですから。
>拓殖大
私が何かと馬鹿にしている荒木某や花岡某もこの大学の教授(馬鹿)ですね。いったい大学でどのような講義をしているのか興味があります。特に花岡は、今度の選挙のあとどう総括するんですかね。見ものです。
もしかしたら、真面目に選挙法を守ろうとする政党を自粛に追いやることで、自民党のように「弁えない」政党が有利になると考えているのかもしれません。現行法ではグレーゾーンのはずのHPの更新など、自民党は熱心のようですから。
記事拝見しましたが、私も実際活動できた頃はどう白けさせないで目をむいてもらうか(もちろん変なパフォーマンスなし)腐心したものでしたが…厳しいですね。
ただ、今の厳しい選挙法がそうさせているというのは同感。もっと緩めていいと思います。
最後に蛇足ですが、私の経験を…。
お涙頂戴…に関してですが、私が関わった議員さん(ほとんど共産党、一人だけ地域議員)は誰も「ああいうお涙戦術はだめだ。最後まで堂々と自分がやりたい事を語らないと」という方ばかりでしたので、私も「最後まで威風堂々」がクセつきましたね。
今日もここで失礼します。
30日はブログで様々語りますので、よかったら見に来てください。
中々、街頭で話を聞いてもらうのは難しそうですね。興味があったとしても、通勤途中で足を止める余裕などない人が多いでしょうし。それだけに、もうちょっと工夫できる余地が欲しいですよね。
そしていよいよ投票日ですか……少しは良いことがあって欲しいものです。