市民団体３人の有罪確定へ＝反戦ビラ配布で上告棄却－最高裁(時事通信)
自衛隊のイラク派遣に反対するビラを配るため、東京都立川市の旧防衛庁官舎に立ち入ったとして、住居侵入罪に問われた市民団体メンバー大洞俊之被告（５０）ら３人の上告審判決で、最高裁第２小法廷（今井功裁判長）は１１日、「表現の自由は無制限ではなく、他人の権利を侵害する手段は許されない」として、被告側上告を棄却した。罰金２０万－１０万円とした二審の逆転有罪判決が確定する。
憲法を後ろ盾にした異議申し立てから権力を守るのが最高裁の役目ですから、この結果には驚きません。むしろ真っ先に疑問に思ったのは、ビラを郵便受けに投函する行為を「ビラ配布」と呼ぶのが果たしてどこまで一般的なのかどうか、ですね。「配布」というと道行く人に手渡ししているようなイメージですが、今回はそっと郵便受けに入れただけの話ですから。
レイシズムや歴史修正主義、その他諸々のヘイトスピーチが野放しにされていることでは世界随一の日本において「表現の自由は無制限ではなく」というのも説得力に欠けますし、「他人の権利を侵害する手段は許されない」というのも今回の場合は無理があります。「他人の権利を侵害する手段は許されない」と、それ自体は正しいのですが、ではなぜ特定階層への偏見や憎悪、誤解を煽る表現は許容されているのか、それを考慮に入れれば、ビラの投函という行為ではなくビラを投函した人々の思想信条を理由に選別していることは言うまでもないでしょう。
それ以前に、ビラの投函によって侵害される権利って何のことなのでしょうか？ あなたの気がつかないうちに、ビラが一枚、郵便受けに投函されていたとしましょう。さて、ここでは何の権利が侵害されたのでしょうか？ 郵便受けにビラを入れられただけで権利が侵害されたと騒ぎ出すとしたら、どう見ても痛い人ですね。「私生活の平穏を侵害する」と法廷は指摘したようですが、ビラを投函されただけで平穏が侵害されたと感じるとしたら、いくらなんでも小心者に過ぎます。ある種の人々は自分達が脅威に晒されていると騙らずにはいられないわけですが、ビラを投函されただけでポリを呼ぶとは被害妄想にも程があります。
まぁ要するに、御上の意思に反する言動はなかったことにしたい、そういうわけです。そして抗議の声を上げた人を罰せずにはいられない、そういうものなのでしょう。これもある種の割れ窓理論と言いますか、無害な行為でも政府の主張に背く行為は罰することで、監視が行き届いているのだと印象づけたいのかも知れません。まぁ国民が抗議の声を上げないのはこうした割れ窓理論の実践とは全く無関係でもありますけれど。
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例えば私はそろそろ中国政府は反省すべき時期に来ているのではないかという思いがありますけれどもさりとて日本国内のヘイトスピーチストたちとご一緒するのにはものすごく抵抗があるわけです。私の場合は「ヘイトスピーチと正義感が結びついた瞬間にとてつもなく浅ましい魔物が誕生する」という考え方を持っていますし…。
＞「私生活の平穏を侵害する」
自分と相容れない意見を見て気分が悪くなった、と言うことでしょうか。ちなみに私もそういう気分の悪さを味わったことは何度もありますが（新聞に載った某オピニオン誌・週刊誌の広告とか）、さりとてそれでいちいち警察を呼ぶのはバカらしいです。
そして自分と反対する人間は自分と反対なだけであるのに、それを「日本に反する」のごとく話を大きくして嫌うのはあまり良い生き様とは思えないのですね（自己反省含め）。
自衛隊の官舎に「イラク派遣大賛成、頑張れ！」というビラをまきに行ったら果たして捕まるのでしょうか。試してみたい気持ちにかられます。
もちろん、そんなどうでもいいことで逮捕されない社会が一番なのは言うまでもありませんが。
おれは、地域密着ビラ新聞（『いるまんず瓦版』）出して、家に来るホームレスにポスティング代払って、糞、てめえ、あほか、もう来るな、死ね、やっているんだぜ。
ビラ撒きで食い延ばしているおれの友達がぶち込まれて、どうするんじゃい！
猿ぐつわかまされて、海に放り込まれた感じだぜ。
ふざけやがって！
これからは地下新聞に変更、ホームレスにべべ代払って黒装束の忍者やらせにゃならんのか？
ビラ撒きまで空き巣狙いの要領でせにゃならんのか？
そんなスキルがありゃ、誰がホームレスやるか！
万国の労働者諸君、何で吠えんのか。
様子見ているんなら、わしらホームレスが吠えるぞ。
ぶち込んでみろ！
ろくでなしどもめ！
埼玉の片田舎、入間市野田じゃわしが許さんぞ。
吠えて、吠えて、吠えまくって、拾ってきた野良犬、くん太もいっしょになって、わんわん吠えて、噛みついてやるぞ。
こんな裁判にこそ裁判員制度導入してもらいたいけど、アホな日本人増えてるようだから結果は一緒か。
ところで、この今井功って裁判長は横浜事件免訴・袴田さん事件再審却下の判断を下した国家にとって無くてはならない方なんですが残念ながらもうすぐ定年退官されるらしいですな
今後は弁護士として権力や企業側を弁護することに心血を注ぐことを期待するばかりであります
それはそうと、確定した有罪判決でさえ、罰金刑ですよね。そんな程度の罪で（私は、こんなことで逮捕・拘留・裁判なんてとんでもない話で、罪なんて時限のことではないと思いますが）、何ヶ月も拘留するなんてとんでもない話ですよね。警察・検察・裁判所がグルになっていると解釈されても仕方ありません。
＞これで、イラク派遣に賛成するビラを入れた人も同じように警察を呼んで逮捕し有罪にできるというのなら、まだ公平なんですけどね……。
ほんとそうだと思います。日本もわかりやすい国です。
たしかに、日頃から隣人への敵意をむき出しにしている人が「正義」を手にしてしまう時が最も危険な瞬間かも知れませんね。愛国無罪、ならぬ「中国（政府）に抗議するものは無罪」とばかりに、それを口実としてヘイトスピーチがより勢いづくとしたら、それこそ懸念すべき事態ですし。
＞カモノハシさん
そうなりますと今度は正反対に、産経新聞あたりが美談として大々的に取り上げるような気がしますね。ソ連時代には演説中のスターリンに少女が突然駆け寄って花束を渡す、そんな演出がありましたが……
＞シルバーブルーメさん
どう言い繕ったところで、政府に反対するその言論に対する例外的な取り締まりですからね。ただの投函を住居侵入にすり替えるなど、あまりにも意図が露骨と言いますか……
＞労働者のありったけさん
ポストのビラを入れるだけで逮捕なら、ポスティングも命がけです。本当にもう、見つからないように身を潜めてこっそりと配るか、それでも「侵害」というなら、今度は堂々と徒党を組んで、大挙して押しかけてやるべきでしょうかね。
＞kamaさん
ダブルスタンダードの国ですから、自分達が非難している相手と同じことをやることに何の引け目も感じない、そんなところでしょうか。一口に裁判員と言っても事前に選別される部分はありますし、むしろ今回の判決に賛成しているような輩が選り分けられる可能性もあります。ダメダメですなぁ。
＞Bill McCrearyさん
拘留７０日に加えて保釈後も刑事被告人として様々な不利益を被らされたわけで、実際に下された刑は罰金刑に止まらない訳ですよね。ＣＩＡは自分達の存在と必要性を誇示するために、他国の脅威をでっち上げることも辞さないと聞きますが、どうやら日本の警察も似たような性質を持っているようです。
それ、すごくしっくり来ますね。管理人さんの提唱されている「中国嫌いは実は中国を見習っている」という説を補強するに十分な類似ぶりだと思います。
あと昨日知ったところでは一応この拘留事件に「これが放置されれば明日はわが身」系の危機感を抱いた右翼の人もいるみたいですが…。
実際、こういう大ごととして拡大したのも、こういう「思想信条」の持ち主だからで、勝手に「選別」されたような状況ねえ。
ビラ配布という行為への苦情なんかは内容に関わらずそこらで行われており、「思想信条」で頑張るのはこんな人たちくらい。
＞郵便受けにビラを入れられただけで権利が侵害されたと騒ぎ出すとしたら、どう見ても痛い人ですね。
まあ。ビラ撒くほうが「自由」とか「権利」とか言い出して正当化しだしたりようなことがあったら、止めて欲しい側も「権利」を持ち出さないと仕方ないと思うね。
宗教とか思想とかで、撒くほうがビジネス目的のビラ撒きとは違う自分らは特別みたいな痛い人だったらどうすればいいのか。
普通のマンションや団地に普通に政治的ビラまき程度なら司法ではなく「住人」は容認したと思いますよ。
今回はビラの内容も場所も問題だったことを理解しなくてはなりません。
自衛隊の人がすんでいるところに「自衛隊は死神」とか「人を殺すのは自衛隊」などのビラをなんどもなんども投函し、住民に「とがめられて」「もうこないでくれ」といわれてもなんども侵入しビラをまき続けた。
単純に住民に迷惑をかけてますよね。
中国人がたくさん住んでいる留学生の寮に毎日毎日「中国人は人殺し」「中国人はチベット人を殺している」「中国は独裁国家」と寮の中国人に「もうくるな」といわれても投函しつづければ法的に処分されても当たり前だと私は思います。
私は資料でビラの内容をみたんですが、あまりにも「自衛隊の家族」がいるところに投げ込むビラではないようなレベルの内容であったことは理解すべきだと思います。
イラク派兵賛成頑張れだったら逮捕されないでしょう。それはそこにすむ住民が迷惑と感じないからです。
迷惑と感じて住民に取り押さえられるまでいった投函する人たちに問題なしとはとてもいえません。