自民支援の森田氏初当選確実 民主推薦候補破る、千葉県知事選(共同通信)
任期満了に伴う千葉県知事選は29日投票、即日開票の結果、自民党県議の約半数が支援する無所属新人で元衆院議員の俳優森田健作氏が、第三セクター元社長吉田平氏=民主、社民、国民新、日本推薦=や、関西大教授白石真澄氏ら無所属新人4人を破り、初当選が確実となった。西松建設の巨額献金事件で民主党の小沢一郎代表の公設第1秘書が起訴されて以降、初の大型選挙。吉田氏の敗北により、小沢氏辞任論拡大の可能性がある。
千葉は森田健作だそうです。開票とほぼ同時に決まってしまいました。ちなみにこういう人だそうです。こりゃまたとんでもない人ですが、そういう人だからこそ人気も出たのでしょうか。ちなみに対抗馬と目された民主と愉快な仲間達推薦の吉田平氏はどう見てもカルト教団の幹部で、その教義は「森田健作の主張-猛々しさ」という感じです。よくわからない宗教団体よりは多少なりとも内実の知れた公明党系の候補の方がマシかと思いきや、その人は橋下に応援メッセージをもらって浮かれているような有様、また一方は例によって「ホワイトカラーの正規職員」限定の公務員給与と「職種問わず、パートタイム含む」民間企業従業員の給与を並べては公務員の給与削減を訴えるばかりの自民党県議ですから、もう救いようがありません。唯一まともなのは共産党が推した八田氏ですが、反自民であると同時に熱烈な反共産党主義者を兼ねている人も多いですからね。
結果はこんなところですが、なんでも「吉田氏の敗北により、小沢氏辞任論拡大の可能性がある」そうです。小沢氏を神格化している人からすれば、これも反日マスゴミ……ではなくマスゴミの捏造、ということになるのでしょうか。休日で時間もありましたので、色々と政治ブログを覗いてみたのですが、てっきりネトウヨの専売特許かと思っていた「マスゴミの捏造」という言葉を聞かされる場面も多く、もう目眩がしそうです。麻生の支持率が下がり続けた頃は自民党支持層が、小沢の支持率が下がり出すと小沢・民主党支持層が、それぞれ同じことを言うわけですね。でも実際のところはどうなのでしょうか? 根拠もなく、希望的観測だけで、あるいは「この私がそう思うからにはそうなのだ」とばかりに、麻生は/小沢は支持されている! そんなに支持率が下がっているはずがない、捏造だ! ……ふむ、自分を慰めるためには、意味のあることなのかも知れませんが。
民主党内からは28日、知事選の結果次第で、改めて小沢氏に進退の判断を望む発言が続いた。蓮舫「次の内閣」年金担当副大臣はテレビ朝日の番組で「党の色を出して戦っている候補がいる。その結果を含めて(判断するだろう)」と指摘。仙谷由人元政調会長は徳島市で記者団に「知事選以降、どう冷静に判断されるか。若い世代の人たちの(衆院)選挙がどうなるかだけは冷静に計算しないとえらいことになる」と語った。
その筋の人の世界観では、マスゴミwが偏向報道で執拗に小沢代表を攻撃していることになっているようですが、しかるに民主党内の突き上げも厳しいみたいです。まぁここで「党の色を出して戦っている」と言われる一方、現地では誰もが政党色を隠し、有権者の前では無党派を装っていたような気もしますけれど。ただ、どういう形であれ民主党が推した候補がほとんど競ることも出来ずに敗れたのは動かせない事実です(支持率の低下を「マスゴミの捏造」と強弁して止まない人は、得票数の差を「選挙管理委員会の不正」で説明するでしょうか、さすがにそこまで血迷ってはいないものと信じたいですが)。本当にこれから先のことを考えるなら、支持率の低下を正しく認識し、その上で対策を立てていかねばならないでしょう。同じ世界観を共有する人の間でしか通用しない、内向きの議論をいくら繰り返しても意味がないのは、既に極右層が身を以て示してくれたことなのですから。
大半の有権者は移り気です。何がどう転んでも投票すべきは民主党/自民党と心に堅く決め、その他の可能性などハナから捨てている一部の人と違って、「普通の」人はその時々の流行り廃りで投票先も二転三転するものです。熱心な人からすれば「些細な」ことであっても「普通の」人が同様に受け止めるとは限りません。「大衆ウケ」ではなく「信念を貫く」ことが目的の政党ならいざ知らず、「政権交代」そのものを目的としているなら、こうした「普通の」人々に与える印象も気にする必要はあるでしょう。民主党内部の議員はさすがに、その辺に神経をすり減らしているようですが、一方で支持者はどうなのでしょう? まぁブロガーなんてのは気楽なものですからね……
小沢一郎はバカじゃありませんから、現行の法律に引っかからない程度の「工夫」はしているでしょう。だから法律上は「シロ」かも知れない、しかしそれを言うなら小泉だって麻生だって橋下だって森田健作だって、れっきとした「シロ」であり、法律上の有罪でなければ何一つとして非難される謂われがない、というわけでは勿論ありません。ことによると有権者の大多数は法律上の白黒、迂回献金の是非、たとえ合法であっても企業から金を受け取ること――企業名を隠しながら!――の是非を問う以前に、疑惑の浮かび上がった時点で安易に結論を出してしまうかも知れません。その判断には異論もあるでしょうけれど、そこで下された判断の結果――すなわち、民主党の支持率低下という事実――は、受け容れた上で、新たな道を探っていく必要があるはずです。仲間内以外でも通用する議論をするつもりがあるのなら、ですが。
「ま、白石なんかに浮気して足元見られた結果だわな。
はしもとの件で学習してれば、余計な右往左往はせんで済んだ。
大衆ウケを狙ったと見せて、一方で四年かけて固定票を作った森健を見くびったな。
自民の国会議員だったのを考えたら我が方になびくわけないだろうに。
ところで森健!いきなり『早寝早起き条例』なんてのはナシだぞw」
もっとも彼の票は、前回の選挙と比べて6万票くらいの上積みなので、そういう意味でいえばそんなに伸びているわけでもありませんが。
吉田・白石両氏をあわせても森田に勝てないんだから、まあどうしようもありませんね。そういう意味では、堂本さんはえらい。美濃部氏同様、あんなやつを一回でもまかしただけでも(勝手に)尊敬します。
今は政治家に必要な要素が変わってきたのでしょうか?有名人であること、「悪いやつら」をやっつけてくれる人。これらが求められているような気がします。私は本当に国民のことを考えた政治ができるのならタレントだろうと何だろうといいと思うのですが、軒並み出てくるタレント候補が、これではね・・・。もし、タレントでも右翼の皆さんの機嫌を損ねるような公約を掲げて立候補したらどうなるのでしょうね。おそらく、政界どころか、芸能界からも干されそうですが・・・。(ブログとかやってたら、間違いなく炎上。)
また、対立候補もあやしい人ばかりで、私の地区でもこうだったらどうすべきか・・・。投票に行かないというのはよくないでしょうし・・・。一番まともな人を選んで、自分たちに不利な政策に「NO」と言うことがベストでしょうか。
森田健作が、無所属ではなく、自民公認でも、民主公認でも今回は、当選していたと思います。
森田健作ではなく、西川きよしが出馬していても当選していたかもしれません。
ちなみに、森田健作は、当ブログでも紹介されているように超タカ派思想の持主です。
首都圏は、東京、埼玉、神奈川、千葉と全て超タカ派、ネオコン知事になってしまいました。
民主主義が狭められ、息苦しくなるばかりです。
そういうと近ごろの日本、だんだん自由に物が言えなくなりつつあります。
森田健作は論外として、対抗馬たるべき民主党候補も、所属団体が掲げている「お言葉」を見る限りでは、ちょっと怪しい人物なのですよね。それに加えて民主党への追い風もやんでしまった今、タレント候補を止められる人はいなかったのかも知れません。
>観潮楼さん
注目度の高い国会以上に、地方政治でこそ民主党の迷走が見られるところはありますね。結構、自民党と宜しくやっているところも多いだけに、今一つ独自候補で勝つための下地が出来ていないと言いますか……
>Bill McCrearyさん
仰るように、森田健作の票が目立って伸びたわけではないのですよね。それだけに対抗馬の弱体ぶりが目立ちます。前回は堂本氏が森田健作を抑えて勝利したわけで、決して勝てない相手ではない、そこまで存在感のあるタレントでもなかったはずなのですが。
>GXさん
日本のタレントとなると、どうしても体制寄り、右寄りの人が多いような気もします。そうした方がファンのご機嫌を損ねずに済むのか、どうも現体制に阿っては「政治的に中立」を装うタイプが多いような。それがただのタレントであるうちはいいのですが、今や政界のキーマンになろうとしている職業ですから……
>怪人20面相さん
東国原や橋下に比べれば、森田健作はタレントとしてもっと小物だと思っていたのですが(現に前回はタレントでも何でもない候補に敗れていたわけで)、勝ってしまいましたね。これで首都圏は全滅でしょうか。一般論としては都市部がリベラルで地方が保守のイメージがありますが、他所の国と比べるとどうなんでしょう。
これが、宗教家として当選したなら、まぁ文句は言いますまい。私は嫌ですが、しょうがないと諦めましょう。しかし、選挙民の何割がこの人の<神がかり>的要素に気付いているのかな?と疑問に思わざるを得ません。どうにも、知名度や威勢の良さに拍手しているだけじゃないかと、思います。
最近のこうした候補(橋下氏や石原氏)の学問・芸術嫌いを彼も継承するとしたら、悲しいことです。
日本人は無宗教と言いながら、宗教的なものに惹かれやすいのかなと思いました。
政策の問題は、政策で打ち破っていけばいいや、と考える事もできますが。それ以外の問題で…。
俺らの存在意義って何でしょうか、ね。
問題点があるから指摘すれば『それは**を利する事になる』ですか。
ここウン年、そういう動きに突っかかっていましたが、そうするのもできなくなってしまった(“アクシデント”で何か起きるのも嫌なので)。「“与党”対“野党”」に割り込めば叩かれ、「一騎打ち」でも叩かれ、議員選挙に立候補すれば叩かれ、“与党”と“野党”に同じことでの問題点があるぞと指摘すれば叩かれ。
叩かれるだけでも幸せ、と思わなければやっていけませんか(ため息)。
生きるのを守る運動やめる気はありませんが、つまらない事気にかけすぎて“何もかもできなくなる”のも嫌なので、今回の件に関しては程ほどにモノ書くつもりでいます。
※“”で括った部分、モロに書くと…なので察してください。
どうもおじゃましました。
むしろ「無宗教」という思いこみがあるからこそ、自分達の宗教的な考え方に無自覚なのでしょう。反共産党主義者ほど、民主集中制的な考え方をするのと同じで、自覚がないからこそブレーキが利かないのだと思います。まぁ今回は、民主党候補が本物の新興宗教の関連団体幹部で、3番手は公明党が担いだ候補、今さらながら寒気のする争いでした。
>伊東勉さん
政策を語るよりも先に、とにかく「民主党を勝たせること」がいつの間にか至上命題になってますよね。少しでもその熱狂に水を差すようなら「反日」ならぬ「政権交代の敵」と認定される有様ですから。自民ではなく民主がやることなら企業献金もOK、そういう流れになってしまうと筋を通すのも一苦労ですね……
あとルザミof大阪さんの引用された「サヴォナローラやカルヴァン」、つまりそれはピューリタンなんですよね。そう言われるとまあ受かった理由としては説明がつくように思われます(私は納得していませんけど)。
しかし例えば皆殺しのような行為はむしろ正義感に燃える人のほうがやってしまいやすいということも注意する必要があるように思われます。項羽と劉邦を並べた場合、私は漢王朝を創設した英雄劉邦より市民皆殺しなどの悪行を行った項羽のほうがむしろ真面目さや道義心では勝っているように思います。