道路財源、論戦擦れ違い=宮崎県知事らと公開討論-民主 (時事通信)
民主党は19日午前、都内のホテルに東国原英夫宮崎県知事らを招き、道路特定財源問題に関する公開討論会を開いた。同党の菅直人代表代行は「(道路事業を)公平、公正、透明に決めるルールを一緒に考えてほしい」と呼び掛けたが、東国原知事らは同党が掲げる道路財源の一般財源化や揮発油(ガソリン)税の暫定税率廃止に反対する姿勢を崩さず、論戦は擦れ違いが目立った。
菅氏は、道路予算について「国土交通省と道路族が力によって配分している」として、道路利権排除のためにも一般財源化が必要と訴えた。
これに対し、東国原知事は「雇用創出のために県外の企業に来てもらうには、交通基盤の整備が必要だ」と強調。暫定税率に関しても「廃止して従来の道路整備水準を維持しようとすれば、福祉や医療など他の行政分野に影響が出る」と維持を求めた。
相手が悪いと言えば確かにそうなのですが、話が噛み合っていません。菅代表代行は道路特定財源の一般財源化を主張しているのに対し、東国原知事は暫定税率の維持を主張、批判にも反論にもなっていないわけです。まぁ、とにかく相手に対して否定的なことを言えば、それで相手を論駁できたつもりになるおめでたい人も多いですから。
道路特定財源の一般財源化と暫定税率の撤廃はセットで語られることが多いので、一方を止めればもう片方も止められる、そういう判断もあるのではないでしょうか。東国原氏は暫定税率の撤廃への異論を唱えていますが、それと同時に道路特定財源の一般財源化にこそ強く反対しているように思えます。ただ、一般財源化については適切に反対する理由を見つけられないだけです。
そもそも、使途の限られた特定財源を一般財源化したところで、その合計額が変わるわけではありません。もし本当に道路が必要なら、特定財源を繰り込んだことで増額された一般財源の中から必要な分を拠出すれば済むだけの話です。何も一般財源化を道路財源として使うことを禁止するものではないわけです。ところが、それを嫌がるのはなぜなのか……
言うまでもなく日本の道路、割高です。中国にでも外注したらどうかと言いたいところですが、イデオロギーが絡むとコストを度外視するのが日本流、金に糸目を付けずゼネコンに発注するわけです。まさに「国土交通省と道路族が力によって配分している」有様なのですが、これの都合の良いところは他人に責任を押しつけられるところにあります。
自治体の財政が厳しく他に優先課題も山積みされている中で、巨費を投じて道路整備を敢行すれば非難囂々です。それを自分の決断として行えば、ですね。ところが、それが顔の見えない役人の決断であったなら話は別で、非難は自分とは無関係などこかの悪い奴に向かいます。特定財源として使途が限定されていればなおさら好都合で、自分を免責できます。使途が国によって限定されているのですから、その巨額の予算を危急の課題や財政再建のためではなく道路整備に充てたとしても、それは自分にはどうしようもないことだ、と。
もし道路特定税源が一般財源化されたならば、その使途は自らの責任の下で決定されることになります。予め使途の決められた金であったなら、ゼネコンに大盤振る舞いするのも米軍のために住宅を建設するのも、それ以外に選択肢のない仕方のないことと、逃げ道を用意できます。しかし一般財源にその逃げ道はありません。そうしたのは自分の決断、大盤振る舞いは自己責任になってしまうわけです。
自治体の財政が厳しいとかとか住民の生活が苦しいとか、そういう事情のある中で一般財源の使い道を決めねばなりません。そこで敢えて道路ばかりを優先することが自分の責任においてできるのかどうか、その辺りは東国原知事のようなタイプには難しいのではないでしょうか。関係業者に利権を分配するにしても、それは顔の見えない役人や制度を悪者にすることで自分を免責しながら、作った言い訳で自分を正当化しながらにしたいはずです。
そういえば、自治体首長といえば、京都市長選で共産党候補が大善戦しました。保守が割れたとか、京都は伝統的に共産党が強いとかいろいろありますが、しばらくぶりに京都に共産党首長が誕生しても面白かった(笑)と思います。そちらのほうが、東国原や橋下よりよっぽどいいのでは。
本気で自信があれば自分の裁量で動かせる一般財源が増えることを歓迎するのでしょうけれど、責任逃れを考えていると選択肢のない特定財源が残った方が助かるのかも知れませんね。さて京都は後一歩及ばず、共産党系の候補が首長になると理由なき弾劾に発展することもしばしばとは言え、実に残念な結果です。当選した対立候補がかなり危険な人物とも聞くだけに……
広告塔として出張る以外の仕事は、官僚や議会の言うままをやっているとしか見えません。
元々、政治的見識も地盤も全く持たない彼には、そうして積極的に傀儡化するのが生き残り戦術なのでしょう。
就任直後、対抗候補を副知事に乞うたのは、最初からその気だったんですね。
だから、地方の既得利権に悖る道路財源否定は絶対受け入れ出来ないはずです。
あんなものでも、目新しさとタレント性さえあったら「改革」を期待して投票して貰えるんですから。
実は私は宮崎県人です。
今日の討論会・・・・宮崎人として恥ずかしかった・・・・。
道路さえあればよい。宮崎がよければそれでよい。というスタンスは恥ずべきものです。
前知事の汚職によって、現在、宮崎県では談合が減った(とは言っても他県並になった)ため、建設会社の倒産が増えています。その反発をかわすための道路特定財源堅持ではないかと思っています。
そして、彼はサミット後の総選挙で、自民から比例代表候補として出馬するはずです。
それにしてメディアの伝え方は酷いですねぇ(特にテレビメディア)
東国原=善の公式が成り立っているようで、彼を批判することを極力避ける姿勢がミエミエ
実は私大阪府民なんですが新府知事に対する報道姿勢(特に関西マスコミ)にも辟易しております
コイズミの事で懲りていないと言うかそれで尚更味をしめたと言うのか
「せんたく」に対するスタンスを見ても同じ感覚を覚えます
陰謀論に組みする者ではありませんがこれらの報道の仕方で得をするのは誰か?を考えると暗澹たる気持ちになります
私個人としては、道路特定財源なる資金は、地方の行政機関が別に使っているのではないのかと考えてしまいます。
また現在の日本の状況下においては道路よりも、もっと必要な物の存在が有るのではと思わざるを得ません。
まさにその通りだと思います。しかし傀儡でありながらも有権者の前では改革者を装うことに成功している、そこが侮れないところです。
>じろすけさん
道路の必要性もあるのでしょうけれど、とは言え他に問題が多々ある中で道路専用の財源に拘る姿勢には、疑問を持つ向きも多いと思います。東国原氏こそが、むしろ古い体質を引きずっているはずなのですが……
>kamaさん
結局、メディアは安易に善悪を二分したがるし、視聴者も曖昧さを許さない、白黒はっきり分けた報道を歓迎するのでしょう。既存の政治家が悪で、それと対立していれば善、小泉時代からこの図式が完全に定着してしまいました。やれやれ。
>往楽さん
道路建設以外ですと、1棟辺り3億5000万円で米軍住宅を建設しているなどあるようです。諸外国と比べると異常にコストだけの日本の道路整備、道路のために必要な額ではなく、もっと別のところに消えている可能性は濃厚ですね。
参考、http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/0784e8082c93581dd0d6de4758dd3cdf
私が指摘しなくても、多くの人は知ってるだろうけど、念のため。
例の道路特定財源ミュージカル「ふるさときゃらばん」の「みちぶしん」。
http://www.furucara.com/
「みちぶしん」の公演主催団体を見ると確かにそうかと思う。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&c2coff=1&q=%E3%81%B5%E3%82%8B%E3%81%95%E3%81%A8%E3%81%8D%E3%82%83%E3%82%89%E3%81%B0%E3%82%93%E3%80%80%E3%81%BF%E3%81%A1%E3%81%B6%E3%81%97%E3%82%93&lr=
なお、道路特定財源とは別だろうけど、「リバーヘッド」というダム推進啓蒙ミュージカルの金がどこから出てるかも興味がある。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&c2coff=1&q=%E3%81%B5%E3%82%8B%E3%81%95%E3%81%A8%E3%81%8D%E3%82%83%E3%82%89%E3%81%B0%E3%82%93%E3%80%80%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%98%E3%83%83%E3%83%89&lr=
それにしても、「人の住んでるとこならどこでも行く」劇団か。 ダム推進のためとはいえ、水源地近くまでご苦労なこと。(もっともそうじゃないと、「ダム推進啓蒙」の意味がないが)
私は保坂議員のブログで問題の劇団を知りましたが、何とも気前が良いと言いますか、特定財源と言いつつも実際の使い道はあやふや、闇に消えている金額は相当なものなのでしょうね。普通にやっていれば経済面で苦慮するであろう劇団活動を後援するのは結構なのですが、それにしたってもっと出所のはっきりしたところから、明朗会計でやるべきものですし。