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いやあ驚いた。道路特定財源のディープな部分が白日の下にさらされた瞬間だった。西九州自動車道・佐世保道路の現地視察で、高台から目の前に広がる米軍住宅の有り様を見た時、「11戸で28億円」と聞いてきただけにバカ高いなと思ってきたが、どうも住宅の数が足りない。よく見ると、2戸で1棟の二軒長屋が3棟、独立した一軒家が5棟の計8棟しか建設されていない。その場で割り算をすると、一棟あたり3億5千万円という「道路特定財源」が使われたということになる。しかも、同行した一級建築士によると「外から見ると、このあたりの相場で2000万円程度の住宅だな」という見立てである。しかも、この要塞のような異常な景観を見てほしい。



これは、傾斜地のために盛り土をして造成した結果、車や人が行き交う道路からは「トーチカ」のような外観になったとのこと。現場で見上げてみてため息が出てきた。その昔、高々とそびえる天守閣から下々の者を見下ろしたのが封建領主なら、現在の米軍住宅は無尽蔵に使える道路特定財源を使って異常な構造物を地上から突起させて周囲を威圧するということなのか。しかも、だ。この1棟あたり3億5千万円には土地代は含まれていないんです(……ウーム)とのこと。「この土地は米軍が使っていましたが返還されて国有財産となって財務省が管理していたが、日米地位協定にもとづく再利用で無償提供されています」との説明を受けて、ため息どころではなくなった。



今日も続けられる巨大工事は、1キロあたり200億円を垂れ流しながら進む。そして、すでに使用されている佐世保みなとインターからわずか2・9キロのところに新設される佐世保インターは米軍佐世保基地の目と鼻の先に出来る。まさか道路特定財源が、このように日米安保に直結するとは想像外だったが、他にもたくさんの疑問がふくらんでいる。公共事業チェックの会で培ったノウハウを駆使して、早速この事業の分析にあたりたい。



「佐世保米軍住宅がそびえ立つ『道路と基地の壁』にて福島党首と」


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