沖縄の成人式、今年も荒れる 5人逮捕、警官と衝突も(朝日新聞)
毎年のように逮捕者が出て「荒れる成人式」のイメージが広まってしまった沖縄県。8日、うるま市で旗ざおを持ってオートバイに乗ったとして道路交通法違反(禁止行為など)容疑で新成人2人が県警に現行犯逮捕された。新成人と暴走行為をしていた「後輩」の17歳計3人も公務執行妨害などの容疑で逮捕された。
那覇市中心部の国際通りは、県警が総勢335人の態勢で警戒にあたった。20~30人の新成人グループ複数が大声を上げながら歩道を練り歩き、警官と衝突する場面も見られた。
率直に言えば「成人式で暴れる人は、まだ元気があるからいい。まだ正常に近いんじゃないか」と思わないでもありません。そもそも報道からは「成人の日」に騒いだのであって、「成人式」で問題行動を起こしたわけではなさそうに読めるのですが、「荒れる成人式」と銘打って記事にせずにはいられない記者もいるのでしょうか。どちらかと言えば、こういう強引な誘導でしか記事にできない辺りを鑑みるに、今年は粛々と進行する成人式ばかりだったのではないか、記者が期待したほどの騒ぎは多くなかったのではないかと推測されます。もっとも、くだらない式典に大人しく参列してはインタビューに優等生的なコメントを返すような人に私は何も期待しませんけれど。
事務局
こちらの本は、大型書店の成人コーナー以外の場所、分別販売されていないものがほとんどです。ボーイズラヴやレディースコミックは、普通のコミックと同じような棚に混在して並べてありました。また、完全に区分された成人コーナーに陳列してあったり、レーティングマークのある書籍については、今回の審議会にはお諮りしておりません。
A 委員
これらの本は、粗暴性や残虐性は少し影を潜めていて、性的感情を刺激する内容がほとんどで、その中で女性が男性をリードする描写が多く、それをもし青少年が読んだりすると、女性はそういうものを望んでいるんだといった偏った価値観を植え付けるのではないかと思います。また、女性リード型の描写が進むとホモセクシュアル的な傾向が出てきて、心理的にノーマルな性交渉が難しくなるんですね。男性の意識の中で、自分がリードできないんじゃないかと考え、一概には言えないと思いますが、ホモセクシュアルの方にいく傾向が強くなるといわれています。まさに今日の本の中では、その傾向が出ていたので、青少年の目につく形で普通の本と混在しているのはとても危険だなと思いました。
B 委員
こういう傾向は時代を反映しているのでしょうかね。私には、それが分からないんです。というのは、昔、同性愛というのは、特殊な環境の中でそうなると聞いたことがあったのですが、一般にはこういうのがあるのかなと思いますね。昔は、男性が求めたけれども、現在は女性が求めるようになって、これは、時代を反映しているのかなと思って驚いています。
(中略)
F 委員
こういった本類が、一般図書の中に並べられていて、どういう人たちが見るのでしょうか。案外女性が、手軽に買っているのではないかと思います。
(中略)
事務局
書店側に対しての調査等は行っていませんが、7月に実施した立入調査で区分陳列も成人コーナーの表示もしていない書店に区分陳列等について指導を行ったのですが、店側から成人コーナーを設けると女性が買いにくくなるとの意見がありました。その後確認したところ、区分は完全ではありませんでしたが、成人コーナーの表示は設置されていました。
さて、東京都ならずとも性表現規制の動きは随所で見られるようです。こちらは宮崎県の場合ですが、規制を望む人の語る内容が頓珍漢なのはどこでも一緒ですね。とりあえず目を引きやすいのは「A委員」の「ホモセクシュアルの方にいく傾向が強くなる」云々の行あたりで、歴史的には年長の男性が少年を導いてやるとか、そういう文化の元で男性間の同性愛は発展してきた傾向があるように思いますが、「A委員」の脳内では「女性リード型の描写が進むとホモセクシュアル的な傾向が出てきて~男性の意識の中で、自分がリードできないんじゃないかと考え~ホモセクシュアルの方にいく」そうです。これに納得できた人は、委員会の参加者以外にはなかなかいないのではないでしょうか。
基本的なことを解説しますと、近年ではむしろ「女性向け」のポルノの方こそ性表現規制の対象とされがちだったりします。ここで冒頭に挙げられた「ボーイズラヴやレディースコミック」は基本的に女性の読者を想定としているものですし、事務局の調査に書店側が「女性が買いにくくなる」と回答していますが、それが意味するのは即ち、男性向けポルノよりも女性向けポルノの方が槍玉に挙げられているということです。理由の一つには、女性向けポルノの方がレーティング、ゾーニングが曖昧で、男性向けポルノと違って成人コーナーに隔離されているとは限らないことが挙げられます。「普通のコミックと同じような棚に混在して」いるケースも、必ずしも一般的とは言えませんがあるわけです。
ただ書店ってのは新しい本との出会いを探す場所でもあります。単に目当ての本を買うだけではなく(それだけならネット通販で用が足りてしまいます)予期せぬ出会いがあってこそと思えるだけに、適度に混在してくれていた方が望ましい気がしないでもありません。元より、現代日本の「正しい性」にとらわれず、もっと多様な性(同性愛も然り)を楽しんで欲しいなと考える身としては、既存の性道徳の枠から外れたものと出会う機会は増えて欲しいくらいです。なので、女性向けポルノが氾濫してくれるなら、それはそれで良いんじゃないかと。男女共同参画と言うことで会社勤めへの女性の進出が叫ばれて久しいですが、ポルノ購買層にだってどんどん女性が進出してきて欲しいところです。
一方で「女性の性」を閉じ込めておきたい、男性の管理下に置きたいと、そういう願望を持つ人もいて、それが昨今の性表現規制の動機の一つにもなっているように思います。おそらくは女性向けであろうポルノを見て、A委員は「女性リード型の描写~」、B委員は「現在は女性が求めるようになって~」と問題視しているわけですが、つまりこれは性の領域における女性の主体性に対する恐怖の表れと言えます。この会合に出席した委員たちは、あくまで性は「男がリードすべし」と考えているのではないでしょうか。そして、主導権を女性に渡すと「ホモセクシュアルの方にいく傾向が強くなる」と恐れおののいているわけです。くだらない道徳心や蜘蛛の巣の張った純潔趣味もさることながら、ある種のマッチョイズムもまた性表現規制の動機になっていると考えられます。
付記、
なお「子供を守る」と称して子供を支配したがる人もまた性表現に対して同様の態度をとりがちで、その動機は上述のマッチョイズムに通じるものがあります。つまり、「子供の性」を自分(親/大人)の管理下に閉じ込めておきたい、管理下に置きたい、そういう願望があるわけです。また女性の権利にうるさい人の中には性的なものを憎悪している人も多くて表現規制に親和的だったりする(残念ながら日本のフェミニズムは、そっち系統が主流であるように見えます)、その結果としてマッチョイズムや真性保守系統の論者と女性の権利を唱える人々との奇妙な共闘関係が産まれることもあったりしますね。絶対に、不幸な結果にしか繋がらないと思うのですが。
>そもそも報道からは「成人の日」に騒いだのであって、「成人式」で問題行動を起こしたわけではなさそうに読めるのですが
ほんと、そうですよね。
>「後輩」の17歳
もいるんですから、新成人が騒いだと決めつけるのも、やや問題がありそうです。お約束記事ですね。
だいたい沖縄は、若者に徹底的に希望がないということが成人式のトラブルと表裏一体なんですが、そんなことをからっきし書かないのも、毎度おなじみの構図です。
それにしても下の審議会の時代錯誤ぶりにも笑っちゃいますよね。東国原のように、性関係のトラブルを起こした人間が知事だった県でも、(当然ながら)こういった保守性はかわりません。
同性愛が嫌いな人って、同性に愛されたことがないんじゃないかなー、とか。
とかく「子供を守る」とか口やかましい人ほどそういう傾向が強いと思うのですけれど、自分たちの理想像を他人に押しつけたくて仕方がない人がいるのでしょう。他人を「純粋で美しい」鋳型にはめ込みたい、そういう欲望を隠せないわけです。石原慎太郎とか、若い日はそういう鋳型を壊す側の人間だったのですが、まぁ耄碌してしまったようです。
>Bill McCrearyさん
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。さて、そもそも成人の日にだって21歳以上の人が普通に刑事犯で捕まったりしているわけで、もはや「新成人を槍玉に挙げる日」みたいな感じになっている気がしますね。元から、そういう結論で記事を用意しているのでしょう。
>IBAさん
実害があるかなんかは考えなくて、とにかく自分たちが気に入らないものは徹底的に排除しないと我慢できない人がいるわけですね。不純物は徹底排除! 汚物は消毒! なのでしょう。
こんな国が中国や韓国、北朝鮮を批判しているのだから、ある意味滑稽です。
まぁ、そういう思惑で動いている人もいるでしょうかね。それに加えて道徳観から性表現規制などに賛同するような人もいて、大義名分を提供するのに貢献しているわけです。
A委員の発言実に面白いですね。私は基本的に他人に迷惑さえかけなければ、いろいろな考えの人がいればいるほど面白いと思っておりますが、そうではない人も多いようです。
そのため私も、このA委員が規制する立場の人でなければ、なんとも思わないのですが、自分の発想だけで他人をコントロールしようとするのは止めてもらいたいと考えます。
今後ともいろいろお教えいただければ幸いです。
とりわけA委員の発言は突飛とあってか、色々なところで話題にもなっているみたいですね。他人に迷惑をかけるようなものでなければ規制や干渉は望ましくないように思うのですが、その人なりの道徳的理想を押しつけたがる人もいるのでしょう。