経済なんでも研究会

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「経済的格差」が 世界を動かした : 2016年 

2016-12-30 06:04:37 | 日記
◇ 国民投票は「まさか」の連発 = 2016年の世界は、3つの国民投票の結果に大きな衝撃を受けた。まず6月23日のイギリス国民投票。EU離脱派が勝利して、世の中を驚かせた。次いで11月8日のアメリカ大統領選挙。泡沫候補だったトランプ不動産王が、正統派とみなされたクリントン候補を打ち破った。そして12月4日のイタリア国民投票。政府の憲法改正案が否決され、レンツィ首相は辞任。EUの結束に厳しい注意信号が灯った。

国民投票が「まさか」の結果となった共通点は、国民が社会・経済の“格差拡大”に不満を抱いたことに求められる。イギリスとアメリカでは、その象徴として移民問題が持ち出されている。イギリスではEUによる移民の押しつけ。アメリカでも大量の移民流入が問題となった。イタリアでは、移民を含むEUの政策に対する反発が政権を覆す原動力だった。

イギリスでは多くの地域で、社会環境が移民の流入により激変した。アメリカでは、移民によって白人の職が奪われたり、賃金が上昇しなくなった。イタリアではEUの指令によって緊縮政策が求められ、国民の生活が厳しくなった。こうした状況のなかで、既存の政権は何ひとつ画期的な手を打てない。そこで国民は政権を変えて、新しい風を吹かせようと考えたわけだ。

さらに現状でも、既得権益を有する一部の人たちは豊かに暮らしている。逆にかつての中間階級は、苦しい生活を余儀なくされた。この格差に対する積り積もった不満が、投票行動に表れたのだろう。こうした民意の変遷は、来年も確実に持続する。欧米だけでなく、アジア各国に広がるかもしれない。韓国の政変にも、そんな色彩を感じないでもない。日本も要注意だろう。

      ≪29日の日経平均 = 下げ -256.58円≫

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ


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