経済なんでも研究会

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トランプ大統領に 議会の厚いカベ (下)

2017-08-30 07:27:30 | トランプ
◇ 国債が格下げされる? = アメリカでは、国債の発行総額が法律によって決められている。したがって政府が国債を増発するときには、議会で法律を改正してもらわなければならない。現在の政府債務総額は19兆8087億ドルで、すでに限度いっぱい。この限度引き上げも10月半ばまでに決まらないと、政府は新年度に国債を発行できなくなる。すると公共事業がストップするだけではなく、既発国債に対する利払いも不能に。そうなれば国債の格下げは避けられない。

満期がきた国債の償還も不可能になり、アメリカ政府はデフォルト(債務不履行)の状態に陥る。金融市場は大混乱となり、経済に大きな悪影響が及ぶ。実は11年にデフォルト寸前にまで追い詰められたことがあり、国債は格下げ。市場は大騒ぎになった。今回は議会内部に、この債務限度引き上げ問題と新年度予算を一括審議しようという動きが広まっている。

アメリカ議会は、上下両院とも共和党が過半数を制している。しかし共和党内にも、債務上限の引き上げには反対する声が強い。さらにメキシコ国境のカベ建設費を含む新年度予算がからんでくると、議会の動向は全く予断を許さなくなってきた。株式市場も先週あたりから問題を重視、大きな不安材料として認識するようになっている。

さらに問題をこじらせているのは、議会の態度に業を煮やしたトランプ大統領が、共和党の幹部を名指しで非難したこと。得意のツィッターで、ライアン下院議長とマコネル院内総務に不満をぶちまけた。こうしてメキシコとの国境にカベを作ろうとするトランプ大統領にとっては、議会が分厚いカベになりつつある。

      ≪29日の日経平均 = 下げ -87.35円≫

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ


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