経済なんでも研究会

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“独り負け”の日本 : GDP成長率

2021-08-03 07:43:20 | 景気
◇ 米欧中は景気回復したのに = アメリカ・ユーロ圏・中国の景気回復が、4-6月期のGDP統計で裏付けされた。いずれもワクチンの接種が進んだことから、経済活動がかなり正常化。これがGDP統計にも反映されて、成長率は大きく上昇している。そうしたなかで、日本の成長率は微増の予測。この面でも“独り負け”の様相が濃くなってきた。なぜなのか。

アメリカ商務省が29日発表した4-6月期の実質GDP成長率は、年率換算で6.5%だった。1-3月期の6.3%をやや上回り、GDPの実額はコロナ前の水準を取り戻している。またEU統計局が30日発表したユーロ圏の4-6月期の実質成長率は、年率8.3%とかなり高くなった。7-9月期には、コロナ前の水準に達すると予測されている。さらに中国の4-6月期の成長率は、年率換算で5.3%だった。

日本の4-6月期GDP速報は、まだ発表されていない。内閣府が16日に発表する予定。だが事前の民間予測では、0.7%程度の低い成長率が見込まれている。この予測通りなら、GDPの水準はコロナ前を1.8%下回り、日本の“独り負け”が明瞭になる。その大きな理由は、ワクチン接種が遅れたこと。コロナの拡大を食い止められず、緊急事態宣言を続けることになってしまったからだ。

それだけではない。アメリカやEU、それに中国は、コロナ対策と同時に大規模な景気対策も実施した。たとえばアメリカは総額1兆9000億ドル(約200兆円)のインフラ強化支出を実現させた。日本も3回に及ぶ補正予算で75兆円にのぼる財政支出を準備したが、その多くはコロナ対策。結果的に30兆円を超える予算を使い残してしまった。目先のことだけを考え、将来展望を忘れたことになる。この“失政”も、日本独り負けの原因となった。

        ≪2日の日経平均 = 上げ +497.43円≫

        ≪3日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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