経済なんでも研究会

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国際原油価格が 急落 (下)

2017-03-16 08:59:18 | 原油
◇ トランプ大統領も後押し = 原油価格は今後どう動くのだろうか。まず価格を引き上げる要因は、やはり産油国の減産。1月の実績でみる限り、OPEC加盟13か国の削減ぶりはまずまずだった。ところがロシアなどOPECに加盟していない11か国の成績は、目標の6割にも達していない。もう1つの引き上げ要因は、世界経済の回復に伴う需要増加。IEA(国際エネルギー機関)は、17年の石油需要が日量130万バレル増加すると予測している。

一方、価格を引き下げる要因はアメリカのシェール生産がどれだけ増えるか。価格の上昇でシェール産業も息を吹き返した形だが、最近になってメジャーもシェール生産に手を広げ始めた。従来型の油田だと実際の産出までに数年かかるが、シェールだと数か月で稼働してしまう。この点は見過ごせない。

トランプ大統領の政策も、価格の引き下げを後押ししそうだ。連邦政府の保有地では禁止されていたエネルギー生産を認可。カナダ産オイルサンドを輸入するためのパイプライン建設。北極海やメキシコ湾での石油掘削を解禁。シェール開発に対する規制の緩和など。いずれも実現すれば、原油供給の増加に直結する。

こうみてくると、世界経済が予想外の活況を呈さない限り、原油価格には引き下げ圧力の方が強く働きそうだ。ただ価格が40ドルを下回ると、シェールの生産にブレーキがかかる。逆に60ドルを上回ると、産油国側は減産協定を維持できなくなるだろう。原油価格は日本経済にも大きな影響を及ぼすが、40-60ドルの間に収まっていれば影響は比較的小さくて済む。

      ≪15日の日経平均 = 下げ -32.12円≫

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ


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