経済なんでも研究会

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逆算だけで作った 電源計画 (下)

2021-10-28 07:28:07 | エネルギー
◇ 政府が体を張るしかない = 「30年度までに温室効果ガスの排出量を、13年度比で46%削減する」--日本が世界に公約した脱炭素の目標である。ここから逆算して、新しい電源計画では火力の比重を41%に落とす。その分を埋めるため原発は20-22%、再生可能エネルギーは36-38%に増やす。こういう設計図が描かれた。だが、その実現はほとんど不可能だとみられている。

政府が新エネルギー計画を閣議決定した2日後、美浜原発(福井県)の運転停止が報道された。テロ対策施設の設置が遅れたためである。これで稼働中の原発は7基になった。新しい電源計画を達成するためには27基前後の原発が必要だ。今後8年間で20基の原発が動き出すとは、どうしても考えにくい。原発について、政府はずっと静観してきた。だがもっと積極的に参入、必要ならカネも出したらいい。

再生可能エネルギーは、30年度までに現在の2倍が必要。だが太陽光も風力も設置コストが増大したため、伸び悩んでいる。計画では新築住宅に太陽光発電を義務付ける案も示しているが、これでは建築費がかさんでしまう。ここでは発想の転換が必要だ。新築住宅だけではなく、公共施設や民間ビルにも太陽光発電を義務付ける。さらに全国の鉄道や高速道路にも。発電パネルを張りめぐらす。そして費用の大半を政府が支出する。

その結果、計画通りに火力発電を減らせれば、原油やLNGの輸入も大幅に減少する。おそらく毎年5兆円以上の輸入代金が節約でき、その分が国内で使われる。持続的な景気対策にもなるはずだ。こう考えれば、いま政府が原発や再生エネルギーのために数兆円の資金を投入することは、きわめて有効だろう。要は政府が体を張るかどうかである。

        ≪27日の日経平均 = 下げ -7.77円≫

        ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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