股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

PLAN 75

2022年07月02日 16時36分11秒 | 映画評論ハ行

製作年:2022年
製作国:日本
日本公開:2022年6月17日
監督:早川千絵
出演:倍賞千恵子,磯村勇斗,たかお鷹,河合優実,ステファニー・アリアン

映画『PLAN 75』オフィシャルサイト

〈プラン75〉に翻弄される人々が、最後に見出した答えとは―― 倍賞千恵子 磯村勇斗 たかお鷹 河合優実 ステファニー・アリアン 大方斐紗子 串田和美/脚本・監督 早川...

映画『PLAN 75』オフィシャルサイト

 


超高齢化社会を迎えた日本では、75歳以上の高齢者が自ら死を選ぶ「プラン75」という制度が施行される。それから3年、自分たちが早く死を迎えることで国に貢献すべきという風潮が高齢者たちの間に広がっていた。78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)は夫と死別後、ホテルの客室清掃員をしながら一人で暮らしてきたが、高齢を理由に退職を余儀なくされたため、「プラン75」の申請を考える。
オムニバス『十年 Ten Years Japan』の一編『PLAN 75』を、監督の早川千絵が新たに構成したヒューマンドラマ。75歳以上の高齢者に自ら死を選ぶ権利を保障・支援する制度「プラン75」の施行された社会が、その制度に振り回される。職を失い、「プラン75」の申請を考え始める主人公を倍賞千恵子が演じ、『ビリーバーズ』などの磯村勇斗、『燃えよ剣』などのたかお鷹、『由宇子の天秤』などの河合優実らが出演する。

第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門に出品された本作。75歳以上の高齢者が自ら死を選べる制度“プラン75”に関わる人々を描く。内容のせいか、劇場はお年を召した方が多めでした。78歳のミチを演じた倍賞千恵子さんの演技が上手すぎて言葉が出ませんでした。
最初から最後まで気持ちがずっと沈んだまま鑑賞していました。非常に重い話だけど、非常に考えさせられる映画。日本が超高齢化社会になることは避けられない事実。ならば高齢者に尊厳死の権利を与えようという制度。何十年後かに、もしかしたら本当にこういう制度が国会で可決されるかもしれない。冷静に考えてみたら“高齢者は死ぬことをおススメします”と言ってるように聞こえる結構残酷な制度だけど、それを国が正当化してPRするという異常さ。健康診断の会場でPLAN75の宣伝CMが流れるシーンは笑ってしまいました。主人公のミチも、役所で制度を担当しているヒロムも、コールセンターの女性も、出稼ぎにきた外国人女性も、皆がそれぞれの想いや悩みを抱えながら生きている。悪いことだと分かっていても、それをせずにはいられない。生きることが楽な人なんていないのだと改めて感じました。生きるとは何か、死ぬとは何かをこの映画は教えてくれます。
生涯おひとり様が増えているし、家族と疎遠の人だっている。若者たちからは「老害」だと言われる。働きたくても仕事が無い。年金は減るばかり。肩身の狭い思いをしながら生きなければならない高齢者。他人事とは思えない複雑な気持ちになりました。人生100年時代なんて言われてますけど、こんな日本で100年も生きたくはないです。明日は我が身。
個人的にはPLAN75のような制度はアリかなと思いました。自分で死ぬ歳を決められるのであれば、それまでにやりたい事をすればいい。貯金を全部使い果たせる。痛みも苦しむこともなく死ねる。そう考えるとPLAN75に賛成です。でもこういう制度が許されるような世の中にならないために、日本が変わってほしいですね。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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