パンダ イン・マイ・ライフ

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御宿かわせみ(30) 鬼女の花摘み

2016-08-28 | 御宿かわせみ
鬼女の花摘み 御宿かわせみ30 2002年9月 オール讀物 平成13年7月号~14年4月号

鬼女の花摘み
一善飯屋で働くお新は21歳で,小さなおさちと市松の姉弟を抱えていた。そこに辰三が転がり込む。東吾は麻太郎と源太郎の2人を連れて,長寿庵へ花火を見に行く。その途中でお腹を空かせた姉弟を見た麻太郎と源太郎は餅を買い与える。その花火大会で,辰三が市松のお腹を蹴るのを見た。長寿庵の長助に姉弟の様子を見てくれと頼む東吾。それからも麻太郎と源太郎は,花世も巻き込み姉弟を見舞うが。辰三が市松を川へ投げ込み死なせてしまう。親子の関係にどこまで踏み込めるのか。児童虐待を織り込んだ一編。

浅草寺の絵馬
上方からのお客を迎えたかわせみ。米問屋播磨屋助左衛門,綿問屋高砂屋孝太郎など7人。るいとお吉は浅草寺で高砂屋孝太郎を見かける。播磨屋は,手代の仙三郎の縁談を世話していた。仙三郎は江戸の生まれで,捨て子だった。浅草寺の捨て子話がもたらす2人の人生

吉松殺し
神田の鍛冶町と鋳町の間の争いから鍛冶町の鋳物師芳三の息子10歳の吉松が死んだ。その下手人は見つからない。その内に鍛冶町の履物都問屋綿屋五郎兵衛の娘おすぎ25歳が神田祭で実家に帰っていて殺された。鋳町に14歳の悪ガキ辰吉がいた。辰吉の父,文吉はおすぎの亭主だった。しかし,本当の母親お町は柳橋の一杯飲み屋の吾妻の女主人に収まっていた。

白鷺城の月
姫路藩が西洋型の帆船の建造に取り組んだ。東吾は軍艦操練所の谷川彦之進と姫路城に入る。しかし,その彦之進が怪我をし,東吾も姫路に滞留することになる。その寄宿所青木家のの娘幸代と隣の久松の光次郎が夫婦になり,東吾を迎えた小林武兵衛の家に養子に入っていた。その幸代が夜な夜な,夫がいないときに寝所の近くにだれかがいると東吾に訴える。その姫路にるい,宗太郎,長助が現れる。なんと東吾が大けがをしたと連絡が入り,通之進が心配しているというのだ。その武兵衛が殺される。

初春夢づくし
るいの母方の親戚の津軽藩の娘,25歳の佐代が父の病の看病に来たとかわせみのるいを訪ねる。その時,千絵が芝居に誘われたとるいを誘う。るいと千春,千絵と千代,佐代が芝居に行く。後日,佐代が中村小三左にたびたび会いに来ているという。心配なるいは,東吾に相談を持ちかけ,東吾は長助,源三郎と一芝居打つことにする。

招き猫
千春の冒険談。本所の田螺稲荷へ参りたいと思った千春はるいに内緒で,麻太郎,源太郎と御参りに行く。その場で招き猫を売っている貧乏そうな身なりの15.6の女と,身なりの整った3歳ぐらいの男の子を見かける。どうも娘が男の子を連れてきたらしい。男の子は太郎吉といい,材木商,大月屋の子だった。少女と男の子は母親違いの兄弟だった。3人は太郎吉を無事に大月屋へ送り届ける。

蓑虫の歌
江戸の火事を防いで手柄を立てた纏持ちの25歳の伊佐三と,伊佐三を守った20歳の鳶人足の定吉も褒賞を受けた。定吉の母親は父親が火事場で死んで,男と駆け落ちをしていた。その頃因幡屋にかかわる火事が続出する。その因幡屋に裸の伊佐三の姿を見たというものがいた。定吉と母親との再会との悲しい過去と現実。伊佐三の始末。

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