パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

花と緑の歳時記 3/3

2021-11-28 | book
「花と緑の歳時記 365日」は、令和3年2021年春号で休刊となった季刊の「俳句あるふぁ」に、2018年春号から2019年冬号まで掲載された同名をもとに作られた。2021年4月刊行だ。書名のとおり、一日一句、写真とともに句を楽しめる。それぞれ、日付、旧暦、二十四節気、月の満ち欠けを示す月齢、俳句、季語とその季節、作者名と解説がある。

俳句ブームと言いながら、平成4年1992年11月に創刊され、30年近く続いた俳誌が無くなる現実がある。淋しい限りだ。
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高浜虚子 俳句の作りよう

2021-11-23 | book
虚子「俳句の作りよう」
明治、大正、昭和を生き、多くの俳人を育てたた俳人、高浜虚子が自らの俳誌「ホトトギス」に、1918年大正2年5月から「六か月間俳句講義」として連載した「俳句とはどんなものか」に続き、1918年大正2年11月から掲載され、大正3年11月に単行本化された「俳句の作りよう」を読んだ。大正3年に単行本化。1952年昭和27年に新装で刊行された。
角川文庫版2009年平成21年初版、令和2年2020年23版だ。100年以上の歴史の中で、残された虚子さんの俳句への思いがここにある。

冒頭に「近頃は平易に言って住むことを高遠目かしく説くことが流行である。わたしはそれに組しない。婦女老幼にもわかるようにと仏の大道を仮名交じりの俗談平和に説くのである」とある。
題名の通り、まず、「俳句を作ってみたいという考えがありながら、さてどういう風にして手を付け始めていいのかわからぬ人のために・・・」として始まるのが、一の「まず十七文字をならべること」だ。「なんでもいいから」「どうでもいいからとにかく」と。そして、「や」「かな」「けり」のうち一つを使い、例として挙げる25の季語を詠んでみなさいと、具体に句を挙げ、その解説をつけるところから始まる。虚子は「私は十七字、季題という拘束を喜んで俳句の天地におる」とし、「この拘束があればこそ、俳句の天地が存在する」と。「狭いはずの十七字の天地が案外狭くなくなる」としている。
そして、一歩進める方法として、「二」で「題を箱で伏せてその箱の上に上って天地乾坤を眺めまわすということ」とした。季題がある。それの過去の経験や出来事、感興を思い出しているうちに俳句ができる。そして、一度忘れて、いい配合物を求めるがいい。天地乾坤を眺めまわすのだと。二個のものを置いてその間に意味を見出す手法だ。次々と解説付きで句を紹介していく。この配合法は陳腐、平凡を避けやすいという得がある。しかし、その弊は、身に染み込むような趣の深い句はどうしてもできにくいという点だと。その代表として芭蕉の弟子の森川許六(きょりく)を挙げる。

次に「三」で「じっと眺め入ること」に進む。この代表例を芭蕉の弟子、向井去来とする。題に執着せず何でも配合物を見出してきて、それをその題にくっつける配合に重きを置かず、ある題の趣に深く深く考え入って、執着に執着を重ね、その題の意味の中核を捉えてこねばやまぬという句作法を取った。その句作法を「じっと眺め入ること」と「じっと案じいること」。つまり目で見る方と心で考える方の二つだと。「じっと眺め入ること」の例を自作で紹介する。

次の「四」は「じっと案じ入ること」だ。去来と虚子の句を紹介する。

そして、埋字という句作の応用法、研究法を提案する。「五 埋字(一)」「六 埋字(二)」。
これは子規のアイデアを踏襲したもので、上五と下五を聞いて、中七を考えたり、上十二字を聞いて下五を考えたりする方法である。これにより古句の意味、作句の苦心をさぐり、自分の句作に応用するというものだ。

最後の「七」は、「古い句を読むこと 新しい句を作ること」だ。これは古い句を読む方がよいか、作る方がよいかとの問いに答えるもので、新しいと申すことは古いことを十分に研究したうえで申すべきだ。新しい句を作ろうと思えば、古人の先輩の句を読まなければならないと。それは五七五調、「や」「かな」などの切字、季題はもとより、古人の句を習熟し、玩味する必要があると。

最後に大正3年に書いた「付録・俳諧談」を収録している。
俳句の条件を「17音字」と「季」であるとする。文字数が少ないがゆえに複雑なことは言えない。単純でなければならないが、できうるだけの多くの連想を人に与えなければならないために季があるという。また、字数が限られていることから「切字」があり、区切りをもたらす。
「天然趣味」「人生超越」を提案。「背景のある句」を必要とし、月並みの句との対比も行う。
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季語の植物図鑑 2/3

2021-11-21 | book
手元にある4つの歳時記共通なのに、動物と植物がある。

俗に花鳥風月というが、特に花鳥がまったく弱いわたしは、この動物植物が味わえない。もちろん、日本で地域によりわからないものもあるだろう。それは仕方ないにしても何かないかなあと思っていたら図書館で、見つけた本がある。

2019年平成31年1月発刊の「俳句で使う季語の植物図鑑」(遠藤若狭男監修)と同じく山川出版社で、2019年令和元年12月に「俳句で使う季語の植物図鑑」の姉妹編として出されたのが「美しい「歳時記」の植物図鑑」(石田郷子監修)だ。同じ分類だ。
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季語の植物図鑑 1/3

2021-11-14 | book
手元にある4つの歳時記共通なのに、動物と植物がある。

俗に花鳥風月というが、特に花鳥がまったく弱いわたしは、この動物植物が味わえない。もちろん、日本で地域によりわからないものもあるだろう。それは仕方ないにしても何かないかなあと思っていたら図書館で、見つけた本がある。

2019年平成31年1月発刊の「俳句で使う季語の植物図鑑」(遠藤若狭男監修)だ。教科書で有名な山川出版社だ。5つの季別に、見出し季語、関連季語(傍題)、花の咲く時期、解説と例句。それにカラー写真付きだ。
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平凡社 俳句歳時記

2021-11-07 | book
夏井さんが、インターネットで紹介していたのが、平凡社の「俳句歳時記」だ。全5巻で13,453の季語。初版が1959年昭和34年7月、2000年平成12年3月に新装版第1刷、2012年平成14年12月に新装第2版第1刷だ。
編集委員は、編集代表が富安風生。責任編集は春が飯田蛇笏、夏が富安風生、秋が水原秋櫻子、冬が山口青邨、新年が大野林火というそうそうたるメンバー。考証に井本農一と山本健吉。すごいというしかない。
そして、この歳時記は戦後間もない昭和30年代までの記録である。この世界を今に伝えるのも歳時記の役割ではないかと思う。横長の活版印刷の名残、インクの香りもまた、良し。

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カラー版 新日本大歳時記

2021-11-03 | book
夏井さんが自著で参考にした、講談社の「カラー版 新日本大歳時記」は、監修が飯田龍太、稲畑汀子、金子兜太、沢木欣一で、2000年平成12年に出された。大判で、重たい。全五巻だ。携行には無理だ。合本もある。
季語解説や例句が基本。カラー写真、名句鑑賞がある。著名な俳人の俳句技法や図鑑・コラムなど盛りだくさん。絶版だが、中古で流通がある。
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