パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

漱石 12 三四郎

2022-07-24 | book
「三四郎」は、夏目漱石の新聞作家として、5作目の小説。「虞美人草」「坑夫」「文鳥」「夢十夜」に続く。明治41年(1908)9月から12月まで117回にわたり連載された。
熊本から東京の大学へ入るため、上京する小川三四郎。汽車での出来事。そして、東京での大学生活。
いつも騒ぎを起こしているクラスメイトの佐々木与次郎。同郷の大学研究者の野々宮宗八。汽車の中で出会う広田先生。三四郎の恋の相手、里見美禰子。彼らが引き起こす群像劇。

2014年平成26年10月1日から106年ぶりに新聞に連載されたのを切り抜いてとっていた。当時掲載の挿絵もいい。
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漱石 11 夢十夜

2022-07-17 | book
「夢十夜」は、夢を題材にした10の短編ファンタジー。「文鳥」に続き、明治41年(1908)7月25日から8月5日まで新聞連載。岩波文庫「夢十夜他二篇」昭和61年(1986)3月第1刷。2020年10月54刷だ。朝日新聞に2016年平成28年3月9日から3月22日まで、108年ぶりの連載として掲載された。
第一夜 死んでも100年後に会いにきますと女は言った。
第二夜 禅の修行をしている侍。和尚に、悟りが得られないのはお前が侍ではないからだと辱めを受ける。
第三夜 自分の子を背負い歩いている。その子との会話。お前が俺を殺したのは100年前だ。
第四夜 家で酒を飲んでいた爺さんが、手ぬぐいが蛇になると言いながら外へ出て行く。
第五夜 大昔、戦いに敗れ、敵の大将の前に出された。死ぬ前に一目、思う女に会いたいと申し出る。
第六夜 鎌倉時代の仏師、運慶が仁王像を刻んでいる。見ているのは明治の人々だ。
第七夜 大きな船に乗っている。いつまで乗るのかわからず、つまらなくなった自分は死のうと考えた。
第八夜 床屋での一コマ。
第九夜 父親の無事を祈る若い女と3才の子。
第十夜 町内一の好男子の庄太郎は、店先で一人の女と出会う。連れられて山へ行く。


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漱石 10 文鳥

2022-07-10 | book
「文鳥」は、漱石の短編随筆。明治41年(1908)6月新聞連載。1907年(明治40年)に新聞社に入社し、「虞美人草」「坑夫」に続いて、掲載された。岩波文庫「夢十夜他二篇」昭和61年(1986)3月第1刷、2020年10月54刷だ。
漱石の家に出入りする大学生が、家で文鳥を飼ってみないかと申し出る。その顛末。生き物が家人の心にさまざまな動きもたらす。魚、犬猫、ペット全盛の現代でも、家の中にさざ波が立つ。喜びや悲しみ、楽しみ、手間が生まれるのはもちろん、家の中の人間関係にも影響を与えてしまう一羽の鳥と主人の物語。
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十七音の可能性

2022-07-10 | book
1961年岡山県生まれの俳人の岸本尚毅の近現代俳句の考察書、「十七音の可能性」を読んだ。2020年8月刊行。

たかが17音、されど17音。俳句の台頭とさまざまな表現方法。比喩の名手、下五の天才、写生の名技、印象派、人間探究派、自由律、字余りと句またがり、挨拶句など、古今の名句を取り上げ、解説を付す。俳句の広がりと可能性を紐解く。
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漱石 9 坑夫

2022-07-03 | book
夏目漱石が、教職を辞し、職業作家として、明治40年1907年に新聞社に入社。その第1作目が「虞美人草」だ。6月から10月まで連載された。その次に明治41年1908年1月から96回にわたり新聞小説として登場したのが「坑夫(こうふ)」だ。岩波文庫昭和18年1943年11月1刷。令和2年2020年12月改版第4刷を読んだ。新聞と同じ96回で当時の新聞掲載の挿絵もある。

19歳の主人公は、成果のある東京で2人の少女をめぐり問題を起こし、ひとり家出をして歩いていると、ぽん引きの長蔵に、銅山で坑夫にならないかと声をかけられる。飯場へ着き、夜は南京虫に噛まれ、飯も南京飯の生活が始まる。そして、坑道に入る。この描写が凄まじく、主人公の自暴自棄、自殺への葛藤が語られる。先輩の初さんのいじめ、坑道の中であった安さんに救われる。
終盤の94回で病気で坑夫になれないと告げられ、帳場で働くことになる。まとまりのない終盤の唐突さが印象に残る。
解説によると当時、舞台であろうと思われる足尾銅山は、東洋一の生産量を誇り、鉱毒事件を起こすなど、社会的に注目されていたという。
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