パンダ イン・マイ・ライフ

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御宿かわせみ(31) 江戸の精霊流し

2016-09-04 | 御宿かわせみ
御宿かわせみ31 江戸の精霊流し

平成15年5月 オール讀物 平成14年5月号から15年1月号

夜鷹そばや五郎八
夜鷹そばやの五郎八60歳が殺された。売上金はそのままだった。子どもは2人。庄吉は蕎麦屋に弟子入りした20歳。妹のおそでは18歳結婚も決まり,その晩は親子で食事をしていた。それから5日後に御家人,飯岡作左衛門方が全焼し,一家4人が焼死した。それも斬殺されていたという。その飯岡が仮親になっている養子和太郎が材木問屋の清水屋宗兵衛に婿入りしていた。宗兵衛は,誰かに付けられていると源三郎に相談していた。和太郎は評判が悪く,養子縁組を解くと宗兵衛は飯岡作左衛門に相談していた。和太郎は夜鷹の元締め,仙之助の倅だった。

野老沢(ところざわ)の肝っ玉おっ母あ
かわせみの女中お石の姉がおてるがかわせみにお石を訪ねてくる。赤ん坊もいて,亭主の徳三は浅草の野老茶屋で働いているという。ところが徳三は野老茶屋にはいなかった。お石の母親は,後妻で先妻の子が3人,自分の子が5人いた。徳三との夫婦喧嘩が絶えないおてるは,突然,赤ん坊を置いて出て行ってしまった。徳三は困り,おてるの実家を訪ねる。しばらくして,嘉助が徳三の浅草の家を調べると夫婦していなくなっていた。心配になったお石は東吾と野老沢を訪ねると,お石の母親が赤ん坊をあやしていた。やっと子育てが終わったのに,また育てるという。

昼顔の咲く家
深川の有名な料理屋望湖楼の主人宇兵衛が殺された。「メキシコ銀貨」事件でお世話になった高山仙蔵に通い奉公しているおきよは,宇兵衛の亡き長男,吉之助の嫁で幸吉という子供がいた。宇兵衛はその子に会いに来ていたという。次男伊之助は,宇兵衛の実の子ではないという。そして向島の隠居所で伊之助の母親,宇兵衛の妻,おもとが自殺し,伊之助は宇兵衛殺しを自白する。

江戸の精霊流し
かわせみの女中,おきみ,おみよが次々と家の都合で辞めていく。仕方なく,気に入らない口入屋の桂庵から,おつま25歳を雇う。そのおつまが先に奉公していた深川の料亭,吉川の主人,伊兵衛59歳が,おつまを後添えに欲しいと長助に頼む。お盆に暇になったかわせみでは,奉公人に次々と休みを与える。おつまは親兄弟の墓参りに故郷へ帰るようにとおるいは勧める。しかし,おつまは帰らず,江戸で男と会っていた。

亥の子(いのこ)まつり
長助と同じ長屋に住むおいのは50歳の1人暮らしの老女だった。双盤鉦というおおきな鉦を鳴らして念仏を唱える品川の願行寺へ出かけ,双盤念仏の最中に死んだ。おいのは心臓を病んでいた。長助は病死を疑う。おいの息子,次男20歳の伊吉は水戸の宮大工。長男の25歳の貞吉は先妻の子で叩き大工だった。貞吉がおいのに勧めた薬が原因だという噂が立つ。貞吉と伊吉の兄弟話。

北前船から来た男
釣り好きな麻太郎,源太郎を連れて東吾は舟釣りに出かける。船頭は長助の知り合いの寅吉の甥の20歳の卯之吉だった。卯之吉は3年前に3年間,北前船の水主をしていた。その卯之吉が若侍をつけているのを麻太郎と源太郎は見かける。卯之吉の母親と姉は侍に斬られて亡くなっていた。麻太郎と源太郎の捕り物話。

猫絵師勝太郎
長寿庵の長助の家で飼われていた猫が子どもを産んだ。その中の1匹をかわせみで飼うことになった。その長助が評判の猫の錦絵の話を東吾たちにする。その翌日,12月13日の夜,茶会の帰りに,るいは,くくり袴の男に後をつけられる。かわせみの猫がいなくなり,るいはその猫を描く,くくり袴の絵師と出会う。その絵師,浅田勝太郎は,文吾兵衛のところに世話になっていた。勝太郎は,東北の藩の下級武士の出で,15歳の時,江戸へ出て,将軍家の御用絵師,狩野雅信の弟子になって15年経ち,弟子をとり,狩野派の絵を伝えても良いと言われ,東北に帰っていたが,また,江戸に出てきていた。将軍の御用絵師の弟子が,なぜ,猫を描くのか。るいはその思いを聞くことになる。

梨の花の咲く頃
正月のかわせみに開業当時,女中をしていたお梅が行徳からかわせみに挨拶に来ていた。そのお梅は東吾に相談を持ちかける。実家の市川で梨畑農家をしているお梅の従妹,おせんの許嫁,30歳の友三は,20歳の時に植木屋になると江戸に出てきていたが,おせんに文を届け,危ないことに巻き込まれているという。友三は植木屋の植辰を辞め,柳橋の座頭,幸之市のもとで下働きをしていた。その幸之市が殺され,友三が下手人としてしょっ引かられる。幸之市は金貸しをしていたが,家の中には5両あまりの金しか残っていなかった。友三や小女のおとみの手元には金は無かった。

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