知人の高浜虚子の俳誌「ホトトギス」に明治38年1905年1月号から翌年8号まで10回にわたり掲載された漱石38歳の処女作長編「吾輩は猫である」。同じく「ホトトギス」に翌明治39年1906年4月に一挙掲載された「坊っちゃん」。そして、夏目漱石が明治39年、39歳の9月に文芸誌に掲載され、数日で売り切れとなった「草枕」を読んだ。岩波文庫1929年昭和4年7月第1刷。2021年平成29年9月第116刷だ。
草枕とは旅でのわびしい宿をいう。13の章からなる。
30代の主人公は画工(えかき、がこう)として、東京を離れ、鄙びた温泉地に逗留する。
苦しんだり、怒ったり、騒いだり、泣いたりは人の世のつきもの。そのような人の世の人情とは別の非人情の世を漢詩の世界を目指し、人の世の非人情が続かぬことをわかりながら暮らす芸術家である。
巻末の注の多さ。中国の漢詩、西欧の詩人や作家、熟語解説、俳句や短歌、ミレーの「オフェリアの面影」など、その博識が随意にちりばめられている。
茶屋のおばあさん、お寺の住職、旅館の那美さんなど、人とのかかわりの中で生きるしかない芸術家の数日。最後には日露戦争出兵の見送りで終わる。
草枕とは旅でのわびしい宿をいう。13の章からなる。
30代の主人公は画工(えかき、がこう)として、東京を離れ、鄙びた温泉地に逗留する。
苦しんだり、怒ったり、騒いだり、泣いたりは人の世のつきもの。そのような人の世の人情とは別の非人情の世を漢詩の世界を目指し、人の世の非人情が続かぬことをわかりながら暮らす芸術家である。
巻末の注の多さ。中国の漢詩、西欧の詩人や作家、熟語解説、俳句や短歌、ミレーの「オフェリアの面影」など、その博識が随意にちりばめられている。
茶屋のおばあさん、お寺の住職、旅館の那美さんなど、人とのかかわりの中で生きるしかない芸術家の数日。最後には日露戦争出兵の見送りで終わる。