パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

山本一力 大川わたり

2023-12-24 | 山本一力
山本一力の「大川わたり」を読んだ。2001年平成13年12月刊行。

流し大工の銀次は27歳。9歳の時、大工に弟子入りし、腕を上げ、深川の六右衛門店で一人暮らしをしていた。しかし、深川の達磨の猪之介賭場に出入りし、20両の借金をした。銀次は取り立てを待ってほしいと猪之介に頼むが、猪之助は、利子は要らない、20両返すまでは、大川をわたって来るなと言い渡す。
大川の西に知り合いのいない銀次が頼ったのが、剣術道場の修繕で顔見知りの堀正之介だった。厳しい修練に耐え、読み書き算盤を学んだ銀次は、正之介から呉服屋千代屋の手代にどうかと告げられる。先輩手代の与ノ助は、銀次と親しくなった22歳の女中おやすに横恋慕し、銀次に引き継いだ仕事で銀次を窮地に立たせる。
与ノ助は、深川の達磨の猪之介賭場に出入りし、借金をつくる。銀次をよく思わない猪之介賭場の代貸の新三郎は与ノ助を使い、銀次を追い詰める。新三郎は猪之介を見限り、上野の賭場を仕切る公家の弐吉と手を組む。銀次には手を出すなという猪之介は、張り番の仙六に新三郎を見張らせる。
途中、おやす、猪之介の生い立ちが。銀次を信じて見守る正之介、千代屋の当主太兵衛。
銀次に引き継いだ与ノ助の贔屓筋の踊りの師匠藤村柳花は、銀次に大口の取引を持ち掛ける。それは、銀次を陥れ、千代屋から千両をいただく新三郎の罠だった。
両国の料亭折り鶴で主要人物は集まる。太兵衛と弐吉、新三郎。そして隠し部屋の猪之介、正之介、銀次。息詰まるクライマックスシーン。そして、想像もできない筋書きにハラハラだ。最後までそれぞれの登場人物を際立たせ、最後に結びつける著者の力量に完敗。

舞台化されたという。濃密な作品だ。
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